過去に何度も映画化の話が持ち上がったが、ケルアック独特の即興的な文体と明確な起承転結のないストーリーがネックとなり、なかなか実現には至らなかった『路上/オン・ザ・ロード』。しかし原作の映画化権を購入し、長年その実現を夢見てきた巨匠フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola)は、この”幻の企画”を諦めていなかった。若き日のチェ・ゲバラの南米大陸縦断の旅を描いた2003年作品『モーターサイクル・ダイアリーズ』に感銘を受けたコッポラは、それを手がけたブラジル人のウォルター・サレスに監督をオファー。両者の8年にもわたる粘り強いコラボレーションが実を結び、ついに伝説的な小説の完全映画化が実現した。
あわせて、サム・ライリー、ギャレット・ヘドランド、クリステン・スチュワートといった豪華キャスト陣にも注目したいところだ。かつて“ヒッピーの聖典”と呼ばれた青春小説の名作を元に、ビート世代の狂騒をスクリーンに甦らせた映画『オン・ザ・ロード』。約3ヶ月後に迫った公開が今から楽しみでならない。
【映画『オン・ザ・ロード』】
2013年8月 TOHOシネマズ シャンテ他全国順次公開
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ(『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』)
音楽:グスターボ・サンタオラヤ(『ブロークバック・マウンテン』『バベル』)
©Gregory Smith
2012年/フランス・ブラジル/英語/カラー/シネマスコープ/139分/
原題:ON THE ROAD/R-15
出演:サム・ライリー(『コントロール』『ビザンチウム』)、ギャレット・ヘドランド(『トロン:レガシー』)、クリステン・スチュワート(『トワイライト・サーガ』)、エイミー・アダムス(『ザ・マスター』)、トム・スターリッジ(『パイレーツ・ロック』)、キルスティン・ダンスト(『メランコリア』)、ヴィゴ・モーテンセン(『危険なメソッド』『偽りの人生』)