去る2月11日、中目黒を飛び出し、名古屋・栄に進出を果たしたセレクトショップ1LDK。その動向は今や全国各地から熱い注目を集めていますが、2008年のオープンからわずか3年にして東京を代表するショップの1つとなった彼らの勢いは未だ留まることを知りません。そこで今回、当Clusterではその好調の理由を探るべく、これまでにもカンナビス、ファクトリーなど数々のセレクトショップを成功に導いた経験を持ち、クリエイター集団Alphaのクリエイティブディレクター/1LDKのディレクターである、南貴之氏にインタビューを敢行。
都内某日、1LDKを展開するI.D. Land companyが新設したプレスルーム、LDK showroomにて行われたこのインタビューでは、名古屋店オープンの経緯から1LDKの誕生秘話、そして“名店の仕掛け人”とも言うべき南氏の店作りに対する考え方に至るまでディープに迫ることが出来たかと思います。
それでは、知られざる1LDKの秘密をとくとご覧あれ。
写真:浅田 直也
「場所や間取り、元々のベースがどうであれ、僕が入って僕の周りの人達と一緒にやると最終的に“1LDK”になってしまう」
— 少々遅くなってしまいましたが、名古屋店のオープンおめでとうございます。そこでまずは名古屋店のオープンに至るまでの経緯と、いつごろからそういうお話があったのかを伺えますか?
南:半年くらい前になりますかね、僕もI.D. Land companyの社長も昔から付き合いがあるUnlimited.っていうセレクトショップさんから「今、ちょうど2階が空いてるんだけど、南、なんか面白いことやってくれない? そうだ、1LDKを2階にもってきちゃうのどう?」っていう提案をされたんですよ。それで、僕も「良いですね」って感じで答えたら、何だかそこからはとんとん拍子で話が進んでしまいまして(笑)。
でも路面店を出すのでは無くて、お店の中を通って、また別のお店に行くっていうのは新しいかなと思って。セレクトショップの中に、全然違うセレクトショップがあるっていうのはどう見ても面白いじゃないですか。だから単純に「やってみたい」と思ったんですよね。
— 名古屋店ではお店の中にある什器をそのまま購入出来るようになっていますよね。どういった経緯でそのような形を取るに至ったのでしょうか?
南:お店のモノが全部売り物になるっていうカタチを一度やってみたかったんですよ。それでたまたま、うちで『フランク リーダー(Frank Leder)』のエキシビジョンを開催した時、「SKLO」さんに家具を提供していただいたんですが、その時にそんなお話をする機会がありまして。その時は「何か面白いことがあったら、また一緒にやりたいですね」ってぐらいで終わってたんですけど、今回、名古屋店の話を振ってみたら、ことのほか喜んでいただきまして。じゃあやりましょうと。
このお店に関して言えば、「場所や間取り、元々のベースがどうであれ、僕が入って僕の周りの人達と一緒にやると最終的に“1LDK”になってしまう」ってことをやりたかったんですよね。
— それは興味深いですね。ある種、1LDKのパッケージ化と言いますか。
南:そういうことになります。今回の名古屋店に関しては、完全にその手法でお店を作りました。実を言うと躯体は一切いじってないんですよ。施工をしてないんです。中にあるディスプレイや並ぶ服だけを僕たちが選んで、「それをどう置くか、どう並べるか。」、そういうことだけを考えてやったんです。
— ということは、ドアなども元々あるものを使っているのでしょうか?
南:はい、元々あるものです。僕はお店を作る時に、外観とかをあまりいじらないようにしてるんですよ。中目黒の1LDKも外側のタイルの緑色が気に入ったから、あそこでやることに決めたんです。あの場所に合う店をやろうと思って。
単純に考え方っていうんですかね、そういうものを統一させているんです。その場所にあってノイズになるようなものは一切作らない。だから逆にいうと、どこでも出来るんですよね。
— 最初に中目黒の1LDKをオープンさせた時から、2店舗目を作ることや、地方での展開が南さんの頭の中にあったのでしょうか?
南:はい、はじめから3LDKとか4LDKとかまで考えてましたよ(笑)。まだ、2LDKにも着手出来てないですけど、「2LDKはこうで、3LDKはこういうお店で」っていう所までアイデアはあります。
まぁ、名古屋店はあくまで“1LDK”であって、「場所も2階だし、なんか別館っぽいな」と思って名前を「1LDK annex」にしたんですけど。
— 地方によって、好まれる服は多少なりとも変わるじゃないですか。そういう面で東京から名古屋に1LDKをもっていく際、全くラインナップを変えないという事に不安は無かったですか?
南:普通のモノですからね、僕がやってるお店に並んでいるモノって。普遍的なモノというか。場所がどこになろうと、それが大きく変わるわけでもないのかなっていう、ある程度の自信はありました。確かにちょっとした何かは変わると思いますけど、基本的にそこまで劇的な変化は無いかなと勝手に思い込んでます(笑)。
でも、実際、店頭のアイテムも中目黒のような売れ方をしてますしね。雑貨も良く出てるみたいだし。
— 内装についてのこだわりは、南さんが昔からずっと変わらずに持っているものなのでしょうか?
南:僕は洋服そのものよりも、どちらかと言うとそっちの方に興味がありまして。お店を作る時にも、「その場所にはどういう洋服があるべきなのか」ということを考えるだけで、別に洋服にもブランドにも執着したことは無いんですよ。
要はその空間というか、1LDKなら1LDKっていうもの自体をブランド化していきたいって考えが根本にあるんです。中にあるブランドに関しては、もちろん取り扱いブランドをキッカケに人気が出ることもありますし、相乗効果はあると思うんですけれども、基本的にあまり洋服のことばかりを考えないようにしてますね。
— まずは空間がありき、ということですよね。では、南さんの考える“良い空間”ってどんなものなんでしょうか?
南:コンセプトとか元々の素材にもよりますね。でも、例えばこの事務所や中目黒の1LDKもそうですけど、いじってないところがたくさんあるんですよ。だから基を変えないというか…
— 出来る限り、素材を活かしてってことですね。
南:そうです、そうです。その上で何が出来るのかってことを考えてますね。逆のことは今までに何回もしてきたので、もうそれは僕にとって面白いことではないんです。だから最近は「あるものを活かしてどう作るのか」ってことに重きを置いてをやっています。
— 今、ちょうど昔のお話が出てきたので、それに関連してお聞きしたいんですが、例えばカンナビス、ファクトリー、スリーピングフォレストと南さんはこれまでずっとエッジの立ったお店をやって来たわけじゃないですか。でも1LDKは全体的にすごくスタンダードな方向性のショップですよね。その違いについて、何か特別な心境の変化があったんでしょうか?
南:うーん、なんだろうな。例えばカンナビスは若い頃の僕なので、やっぱりお店も若いんじゃないかな。今見てもあのコンセプトはすごくとんがってますからね。そういう服が置いてありましたし。カンナビスの場合は結構元が何も無い場所だったから、かなり作り込んであそこまでもっていってるんですよね。レジをカウンターにして、そこで煙草を吸えるようにしたりとか。そういう演出を細かく積み重ねていく感じでした。
逆にファクトリーは何もしなかった。何かを作り込むとか、元を活かすとか、そういう事ではなく、とにかく何もしない。“ただのハコ”っていうのがテーマであり、コンセプトでしたからね。本来のミニマリズムっていうのはそういうところにあるのかなと思っていたので、あえて“何もしない空間”を作りました。
スリーピングフォレストは…うーん、やっぱりディズニーランドってすごいじゃないですか。行くと全てが完璧に演出されてて。ああいうモノを洋服屋で出来ないのかなと思ったのがキッカケで、単純にそれだけなんですよね。だから何の服を置くとか、細かいことは一切考えたことが無かったです。
— ちょうどスリーピングフォレストくらいから『フランク リーダー』をはじめ、今の1LDKに繋がるモノが出てきて、その辺りで年齢なのか状況なのかは分からないですけれど、南さんの中で何かしらの変化があったのかなとは思っていたんですが…
南:僕自体の好きな服というか、僕がファッションというものについて考えた時には、元来あまり装飾的な服が好きではないので、着るものも買うものもそういう意味ではあまり変わっていないんですよね。あくまでファッション的にではありますけど、僕が一番素の部分で好きなのは1LDKなのかなと思います。
— では1LDKをスタートする際に、これまでと真逆のお店をやろうと特別意識したわけではないということでしょうか?
南:えぇ、全く。ただ、どのショップもあの頃しか出来なかった店かなとは思いますね。当時は10年やれたらすごいなと思っていました。
— なるほど。では1LDKを作る時に何かインスピレーションを受けたモノはありますか?
南:ヤンファミリー(JANFAMILY)というイギリスのアーティスト集団がいるんですが、1LDKは彼らの写真集からかなり影響を受けて作っています。その写真集がほぼ1LDKのコンセプトの元になっているといっても過言では無いくらいですね。実際に見てもらうと、なんとなく1LDKっぽいなっていうのが分かると思いますよ(笑)。
— チェックしておきます。ところで1LDKというお店の名前の由来は何なんでしょうか?
南:間取りです。
— えっ、あのお店の間取りって1LDKなんですか?
南:あはは、そうは見えないですよね。でも実はあれ、1LDKなんです。
— これは失礼しました。ずっと間取りは1LDKじゃないのに、何で名前は1LDKなんだろう…って不思議に思っていたんですよね。キッチンはどの辺になるんですか?
南:レジ前ですね。レジのところは本当にキッチンカウンターになっていて、中に入ってみると分かるんですけど、シンクがついてますから。よくあるじゃないですか、ウチのかみさんとかも憧れる対面式の“アレ”ですよ(笑)。
— 元々住居用の物件だったんですか?
南:いえ、あれはわざわざ作ったんですよ。どうしてもレジはキッチンにしてくれって言って。
名前に関しては響きも良かったんですよね。何回か声に出して呼んでみたり、「はい、1LDKです」って電話に出るフリをしてみたり、色々やってみたら我ながら「結構いいなぁ…」なんて思って(笑)。
それに1LDKって日本でしか言わないらしいんですよ。海外では間取りを説明する時に1ベッドルームとか、2ベットルームって言うみたいで。その辺もウチは日本のお店だし、ちょうど良いかな、と。
— では今度はオリジナルレーベルである『ユニバーサル プロダクツ(UNIVERSAL PRODUCTS)』について伺いたいのですが、いわゆる“セレクトショップのオリジナル”と呼ばれるモノよりは明らかにこだわりが深いものですよね。これははじめから意識していたのでしょうか?
南:まず、一緒に並べているブランドの人達に悪いなって言うのがありまして。「絶対にその人達に失礼にならないようなモノを作ろう」っていう思いは最初からありましたね。極論を言えば、セレクトで入れてるブランドさんのモノと値段は変わらなくてもいいと思ってます。オリジナルだから安い、っていうのは僕には良く分からないですし。
ちゃんとした物を作ってたら、それなりの値段になるに決まってるじゃないですか。それがちゃんと出来てないから“セレクトショップのオリジナル”って変なことになってるんじゃないの?ってアンチテーゼも込めてやっています。
僕、結構精神的にパンクなんですよ。ファッションは全然パンクじゃないんですけど(笑)。
— 今ってファッション業界も不況、不況って叫ばれている時代じゃないですか。それに付随して経営判断もシビアになっていると思いますし。そういう中での、南さんの考えるセレクトショップのカタチ、セレクトショップの意義、そもそもセレクトショップって何なのかという、セレクトショップに対する考え方を教えていただけますか?
南:うーん、考え方か。まぁ簡単な話なんですが、まずは第一に「自分がそこに行きたいか、行きたくないか」ですよね。第二に「そこで買い物したいか、したくないか」。あとは第三として「人に勧められるかどうか」。そういう当たり前のことしかやってないような気がしますけどね。
ただ、それが毎回世の中の流れと逆行してるみたいで、大反対にあうんですけど。
「なんで中目黒なの?」とか、「あの場所はいつも潰れる」とか、挙句の果てには「こういうテイストはちょっとどうかと思う」なんて、そんなことまで言われて(笑)。
もう、正直「ふざけんなよ!」って思いました。まぁ今は「ざまぁみろ」って感じですけど(笑)。
皆さんが言い訳にするところって結局そういう所じゃないですか。でもある時気付いたんですよね。場所がどうとか、テイストがどうこうとかあまり関係無いなって。
もちろん、場所とか中にいる人も、すごく重要な要素ではありますよ。でも、きちんとした基準があって、それに基づいて真剣にやるのであれば、場所だとかテイストだとかはあまり関係無い。まぁここで言う基準っていうのは、詰まるところコンセプトであって、それが人なのか、出来事なのか、言葉なのかは分からないですけど、明確であればあるほどお店として分かりやすくなってくるような気がしますけどね。
1LDKも僕が本当に好きなモノを集めて、それをどう配置するかっていう絵が最初の時点であっただけなんですよ。
そもそも自分でお店に行って、「ここ、面白いな」とか「ここで買い物したいな」って思えないお店なんて、作るべきじゃないと思いませんか? お金を儲けたいんだったら、洋服屋はやらない方がいいと思うんですよ。もちろん、ちゃんとやってれば徐々に儲かるでしょうけど、ちゃんとやってないと本当にあぶく銭みたいなものですから。
— ごもっともです。ところでご自身で関わったお店以外で好きなセレクトショップはあったりするんでしょうか? 海外のお店も含めて。
南:この前メルシーに行ってきましたけど、けっこう面白いお店でしたよ。あと自分では買わないけど、好きなのはエリミネイター。
— 海外のお店、例えばメルシーに行ってみて、日本のセレクトショップとの違いって何か感じましたか?
南:広い。
(一同笑)
南:いや本当に物件が良いというか、とにかく素が良い。あれは本当に悔しいです。僕みたいな素を重要視する人間にとっては特に。あんなに良い素材に出会ったら、店をやりたくなりますよ。日本の都心部はとにかく素材がしょぼい。
自分でも常に探してはいるんですけどね、どこかに良い素材がないかって。工場の跡地とか回ってるんですけど、それでもやっぱり最低限の立地は考えなきゃいけないし。とにかく素材が良いですよ、海外は。だから1度海外でお店をやってみたいです。
— おっ、それは楽しみですね。例えばどの当たりで?
南:全然、どこでも大歓迎。日本じゃなければどこでもいい(笑)。
— では将来的にチャンスがあれば、海外にお店を出してみたい?
南:もし出せるチャンスがあるならば。中身は絶対に勝てる気はするんですよね。海外のお店は中身がダメですから。サービスも良くないし、並べ方も汚い。色々な意味で日本のショップの方が断然レベルは高いと思います。
— なるほど。日本国内で名古屋の他に出店予定はあったりするんでしょうか?
南:今のところはあまり考えてないですけど、とりあえず青山にお店を出したいんです。だから今、素材を探してます。
— 青山っていう立地には何か理由があるんでしょうか?
南:青山にお店を出したことが無いから、単純に出してみたいんです。実は中目黒も今までに出したことがなかったから出したんですよね。だから逆に原宿とか代官山にはもういい(笑)。
— 中目黒の1LDKの雰囲気でそのまま青山に?
南:素材次第ではありますけどね。とにかく素が良かったらいいなと思ってます。良い素材があれば、すぐにでも作りたいですよ。青山だと場所柄、大人の方が多い気がするので車を店の前止められるようにとか、頭では色々考えてるんですけど。
— 青山といっても様々ですが、どの辺りで考えているのでしょうか?
南:なんか骨董通りが全然ダメらしいじゃないですか? ダメっていうからやってみようかなと思って、気になってるんですよね。ダメって言われると「嘘付け!」って感じでやりたくなるんです(笑)。
でも1番は郊外にお店を出してみたいですね。ちょっと複合的というか、洋服だけじゃなく、食べ物もあったりとか。理想を言えば泊まれるようにしたいんです。
僕は休みの日、東京にいたくないんですよ。だって、居てもしょうがないですし、車で行けるちょっと遠いところで、気持ちの良い場所を探すでしょ。そういうところにバシッと出したいですよね。そこに行けば服も買えるし、雑貨もあるし、飲み物、食べ物、泊まる場所、全部あったら最高じゃないですか。近所のおじさんおばさんも気軽に来られるぐらいの感じがいいですね。
今のところは3LDK辺りで実現予定ですけど(笑)。
— それは素敵ですね。実現したらぜひ、遊びに行きたいと思います。ところで、1LDKの客層はどれくらいの年齢の方が多いのでしょうか?
南:うちはあまりそういうのが無いんですよね。一応メンズですけど買いに来るのは男の人ばかりではなくて、前の植木とかは近所のおばさんも買いに来ますし。それに元々、そういう店にしたかったんです。スノッブな人だけが集まるというか。
なんかターゲットとかちょっとダサい考え方かなって思うんですよね。前から不思議だったんですけど、ああいうの「嘘じゃん」って思うんですよ。勝手に考えてるだけで、買いたい人は何歳だろうと買うでしょ、みたいな。だから上手く言葉では言えないですけど、ウチみたいな、こういう感じが好きな人が来てくれればいいかなと思ってます。
— 1LDKをスタートさせる時に「これは絶対にいける」っていう自信みたいなものはありましたか?
南:まぁ無いとお店は作らないですからね。確実にありましたよ。ただ、その理由が何なのかって聞かれたら分かりませんけど。そういえば、なんか最近ウチみたいなお店増えましたよね…(笑)。
— たしかに…。似たようなお店が増えてきたから、逆に何か変えていこうか、という考えとかはあるんですか?
南:うーん、なんかそれも癪じゃないですか? ウチが変える必要は無いでしょ。「モノマネなんでどうせすぐに、売れなくなるぞ!」とは思ってますけど(笑)。
— 実際に取り扱いを決める時、ブランドセレクトの基準ってあったりするんでしょうか?
南:僕が良いと思うか、悪いと思うか。単純にそれだけですね。あまり有名とか無名とかは関係ないです。これもその基準が何かと聞かれると、あまり理由が無いんですよね。僕はあまり好きなモノとか、好きになるモノに理由や理屈が無いタイプですから。なんか、分析していくと悲しくなるでしょ(笑)。
だから直感を大事にしてますね。
— では過去と今で、例えばカンナビスの時とは南さんの好きなモノが変わったってことでしょうか?
南:うーん、それはあくまでカンナビスっていうお店の中での僕の直感だから。もちろんお店の雰囲気に合わないモノは仕入れませんよ。時々わざと変なモノを入れたりはしますけど。少しくらいクスっとしちゃうモノがあってもいいでしょ?(笑)
今のお店って笑っちゃうことがなさ過ぎて。なんか息苦しいっていうか、みんなシリアスすぎるでしょ。まぁ、それはそれで素敵ですよ。ただ、そういうお店ではそれなりの収入があって、それなりの身分の人達じゃないとモノは買えないでしょ。「触ったら大変なことになりそうだな」みたいな(笑)。
そういうお店にはしたくないんですよ。否定はしませんけど、僕のお店じゃない。だから1LDKにはショーケースに入ってるモノって一切無いんです。だって、触れてみないとわからないでしょ。
— ジャケットなども本当に自宅のクローゼットのように陳列されていますもんね。1LDKに置いてあると、良い意味でブランドの色が消えるというか。それが逆に1LDKのカラーなのかなとも思いますが。
南:たしかにウチはブランドの匂いを消しちゃいますね。ある意味では自分でも確かにそう感じています。ブランドさんにとってそれが良いか悪いかは分からないですけど、それは得意なところにやってもらえばいいし。
— 今の1LDKのラインナップのなかでとくに注目しているブランドを教えていただけますか?
南:『ニュアンス(niuhans)』ってブランドがあるんですが、そこはもう最高に気に入ってますね。なんでかっていうと、全国でウチしか買わなかったからです(笑)。
『アンユーズド(unused)』さんとかも最初はそうでしたね。僕らが始めた時は都内で1件しか取り扱いが無かったらしいです。なんでですかね、あんなに良い服なのに。
— 今後、新規で取り扱う予定のブランドは何かありますか?
南:とりあえず、次から『メゾン・マルタン・マルジェラ(Maison Martin Margiela)』と『アダム キメル カーハート(Adam Kimmel carhartt)』がセレクトで入りますね。でも、もっと変なブランドとかモノを見付けたいです。良く分からないアウトドアブランドとか。
— 変なものというと1LDKは雑貨や小物類が充実していますが、ああいうモノは結構売れるんでしょうか?
南:もうバンバン追加発注してますよ(笑)。
好きな人がまとめて買っていくんですよね。「何これ、やばいじゃん」みたいな感じで。
— 今まで1LDKで取り扱った中で長く愛用していたり、思い入れの強いお気に入りのアイテムは何かありますか?
南:『ユニバーサルプロダクツ』のギャンバート社で作ってるシャツかな。あれは相当気に入ってますね。あとは個人的にニットが好きでして。なんでもないクルーネックとか、カーディガンなんですけど、それも気に入ってます。あとは今シーズン、『ディガウェル(DIGAWEL)』さんに別注させてもらったコートとパンツ。ディガウェルさんはやっと一緒に出来るようになって、すごく嬉しいです。今後もやっていきたいブランドの1つです。
— 1LDKは通販もやってるんですよね?
南:はい、やってますね。
— インターネットで服を買う人がどんどん増えてることについてはどう思われますか?
南:いや買ってくれれば別に何でもいいですよ(笑)。
単純に好き嫌いの問題だと思うので、そこは別にどっちでもいいです。でもECは何か良いアイデアがあればもっとちゃんとやっていきたいかな。ただし、売るアイテムは考えたい。自分でも利用するんですけど、スニーカーとかは買いやすいし、すごく通販に向いてると思うんですよね。靴下とか帽子も、元々持っていてもう1個欲しい時とかにはすごく楽です。
— たしかにそうですね。では、最後になりますが、ずばり今後の1LDKの展望は?
南:くり返しになりますが、まずは青山にお店を出したいなと思います。今年中に出来たら最高ですね。僕としては、名古屋より先に青山に出す予定だったんですよ。だから、とにかく青山にお店を出したいですね。
— 楽しみにしています。本日はありがとうございました。
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