VOWWSが創り出す”光”と”闇” – COMME des GARÇONSやDeftonesも注目する話題のデスポップ・デュオ

by Yu Onoda and Keita Miki

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— お2人はオーストラリアのシドニーで始動し、その後、ニューヨークに渡り、現在はロサンゼルスを拠点に活動しているということですが、その作品は地域性が希薄というか、ルーツレスな印象を受けます。

Rizz:それはある意味当たってる。というのも、私はイラン移民の両親のもと、コスタリカで生まれて、2歳の時に移住したオーストラリアで育ったから。しかも、今はアメリカに住んでいるので、「あなたの出身は?」って聞かれると自分でもなんと答えていいのか分からなかったりするのよ(笑)。

— そういう生い立ちはご自分の音楽に影響を与えていると思いますか?

Rizz:かなりね。移民としての生活は自分にとってタフな体験だったし、親との関係も不安定で、常に疎外感を感じていたから。

Matt:僕はリズとは全く異なる生い立ちだったんだけど、両親との関係が良好とはいえなかったし、周囲に溶け込めず、常に違和感を抱えていたんだ。

Rizz:だからこそ、生い立ちが異なる私たちはアウトサイダーという点で意気投合したんだと思う。そして、映画同様、辛い現実から逃避するための手段であった音楽を自分で作るようになってから、音楽と向き合うことは自分の人生におけるセラピーになった。

Matt:僕らは誰かのために音楽を作っているんじゃなく、自分たちのために音楽を作っているし、音楽を作る時、音や言葉を探したりはしないんだ。自分のマインドを10代の頃の記憶に持っていくだけで、音と言葉が自然と湧き上がってくる。だから、VOWWSは自分たちのヘヴィーなマインドから生まれたソウルミュージックそのものなんだよ。