VOWWSが創り出す”光”と”闇” – COMME des GARÇONSやDeftonesも注目する話題のデスポップ・デュオ

by Yu Onoda and Keita Miki

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— ゴシックポップと評されることが多いVOWWSですが、ゴシックミュージックからの直接的な影響は否定されていますよね。

Matt:そうだね。僕らがその作品で一貫してテーマに掲げているのは、ゴシックではなく、”ヘヴィーな世界観”。そのヘヴィネスを表現するにあたって、もちろん、初期は他のバンドだったり、ゴシックミュージックと呼ばれる音楽からもいくらかは影響は受けたよ。でも、活動を続けていくうちに、今は音楽以外の表現からインスピレーションを得る機会が圧倒的に増えているからね。

Rizz:例えば、映画。Martin Scorsese(マーティン・スコセッシ)、Oliver Stone(オリヴァー・ストーン)、Quentin Tarantino(クエンティン・タランティーノ)のバイオレンスムービーであったり、夢や潜在意識下の世界を具現化したDavid Lynch(デヴィッド・リンチ)の作品。子供の頃から観て育った『死霊のはらわた』や『エルム街の悪夢』、『ハロウィン』、『ペット・セメタリー』といったホラー映画やそのサウンドトラックとか。しかも、作品そのものよりも、作品に触れた過去の記憶や湧き上がってきた感情に触発されることが多かったりするわ。

Matt:僕は日常で喚起される”ディープ”なフィーリングに魅せられることが多いね。深い悲しみや深い痛みといった感情。もっと抽象的な、人智を超えたエネルギーや自分がちっぽけな存在であることを痛感させられる世界の大きなうねりであるとか。詩や小説、絵画や哲学、思想……あらゆる表現から感じられるヘヴィーな世界観が僕らの作品には投影されているんだ。