"大人になった今でもサッカーが好きで仕方ない"という人々に向け、当サイトと[adidas Football(アディダス フットボール)]がお送りする連載『Tokyo Football Addict』。
第2回目となる今回は、自他ともに認めるFootball Addictであり、サッカー日本代表および浦和レッドダイヤモンズの槙野智章へのインタビューを敢行。365日、24時間、サッカーのことを考えているという槙野が選ぶ最新のTANGOを紹介。
Photo:Yuichi Akagi、Text&Edit:Keita Miki
自分のユニフォームが汚れなくなった時と、試合後に体に傷が付かなくなった時。年齢は決めていませんが、それが僕が引退する時だと思います。
— この『Tokyo Football Addict』は”大人になった今でもサッカーが好きで仕方ない”という人達に向けてお送りしている連載になるのですが、まずは槙野さんがサッカーを好きになったきっかけについてお話頂いてもよろしいですか。
槙野:1993年のJリーグの開幕というのが、大きなポイントですね。当時、僕は小学1年生でしたが、地元である広島にサンフレッチェ広島というプロチームが出来たことは、自分にとってもすごく良かったかなと思います。自分の通っていた小学校にサンフレッチェ広島の選手が来てくれたり、直接プロの選手と触れ合うことで、サッカーを更に好きになりました。
— ご自身がプロのサッカー選手になった今、改めて自分はサッカーが好きだなと思う瞬間はどんな時でしょう?
槙野:僕って、本当に常に何かしらサッカーのことを考えているんですよ。朝起きたら、まずTVはサッカーのチャンネルに合わせるし、寝る前も同じ。自分がサッカーをしない時もサッカーの事を考えているし、僕にとってサッカーは必要不可欠な存在なんです。言い換えるならば、人生そのものですね。
— 1日に何時間くらいサッカーのことを考えていますか?
槙野:24時間ですね。ずっと考えてます(笑)。何をしている時でも基本にあるのはサッカー。国内だけでは無く、海外のサッカーのニュースも常にチェックしていますし、最近はInstagramでもサッカーに関するアカウントを大量にフォローしているので、常にサッカーに囲まれている状態です。
— 他のサッカー選手の方ともサッカーの話をすることはありますか?
槙野:サッカー選手と一口に言っても、色々なタイプがいて、僕みたいな”サッカー馬鹿”もいれば、そうで無い人もいて。どちらが良い、悪いって話では無いですし、それぞれでサッカーに対する向き合い方は違って当然だとは思うんですが、僕と似たようなサッカーがめちゃくちゃ好きな部類の選手と話をする時は、本当にサッカーの話ばかりしていますよ(笑)。
— 槙野さんにとってのサッカーって、分かりやすく例えるならばどんな存在なんでしょうか?
槙野:うーん、米ですかね(笑)。毎日食べても飽きないし、無いと違和感を感じる。食べないと力が沸いてこない。我ながら良い回答ですね、これ(笑)。
サッカーボール1つでたくさんの人達に出会えたこと。サッカーがあったから色々な場所に行けたし、色々な人達と触れ合うことが出来ました。
— プロになった今、サッカーをやってきて良かったなと思うのはどんな時ですか?
槙野:サッカーボール1つでたくさんの人達に出会えたこと。サッカーがあったから色々な場所に行けたし、色々な人達と触れ合うことが出来ました。もちろん、サッカーのせいで失ったものもありますよ。例えば、青春時代の制服デートとか(笑)。そういう甘酸っぱい青春の話みたいなものが僕には無くて、基本的にサッカー漬けの毎日だったので。
— 何歳までサッカーを続けていたいと思っていますか?
槙野:辞め時に関して、僕は明確に決めていて、自分のユニフォームが汚れなくなった時と、試合後に体に傷が付かなくなった時。年齢は決めていませんが、それが僕が引退する時だと思います。自分も周りも「まだ出来る」って思っているけど、あえて次のステージに行くっていうスタイルが理想的かなと。
— サッカーというスポーツを一言で表現するなら?
槙野:時間泥棒。もう気付いたら29歳だし、サッカーをやってなかったら出来たなって思うこともたくさんあります。サッカーをしていると1日、1年がすごいスピードで経過していって、まさしく時間泥棒ですね。まぁ、それだけサッカーに夢中ってことなんでしょうけど。
— 年齢とともにサッカーに対する向き合い方、サッカーとの付き合い方に変化はありましたか?
槙野:すごく変わりましたね。20代前半は勢いとノリでやっていましたけど(笑)、体力面の衰えも感じますし、試合後のケアも念入りにやるようになりました。やっぱり、そういう部分では年齢には勝てないですね。トレーニング、マッサージの時間とか、自分の体に費やす時間が年々増えてきているように思います。
— それに伴って、プレーの内容にも変化はあるのでしょうか。
槙野:考え方という意味ではかなり変わりましたね。意識的に、いかに効率よく高いパフォーマンス、結果を出すかということを考えるようになりました。でも、先ほどお話したように、試合後のケア、トレーニング、マッサージの時間ってことを考えると、歳をとる毎に、確実にサッカーと付き合う時間は長くなって来ていて。それってすごく面白い事ですよね。