The Interview #005 Stephen Kenny(A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS)

by Mastered編集部

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— Kennyさんの作品は、印刷技術や仕上がりはもちろん、作品ごとのメッセージも非常に特徴的ですよね。

Kenny:常に面白い語感を探しているんです。例えば英語での言い回しに“You’ve got problem with me?(私に何か問題でも?)”というものがあるんですが、誰かとコラボレーションする時には、必ずこの言葉をもじった言い方をするようにしています。そういった、少しユーモアの効いたメッセージを使うのが好きなんです。

— Kennyさんの他にもウッドタイプで作品を制作している方はいらっしゃるんですか?もしいらっしゃるなら、ウッドプリンター同士のネットワークやコミュニティといったものも存在するのでしょうか?

Kenny:いますね。Ian Mortimerという男性がいるんですが、彼もロンドンにいて、すごく良いウッドプリンターです。他にも知り合いでオーストラリアやアメリカのウッドプリンターがいますよ。もちろん、小さいながらもコミュニティは存在していて、誰かがレアなタイプを見つけてくると「わぁ!良いな!」とやきもちを焼くようなこともあります(笑)。

— なるほど。そういったウッドプリンターの中で、Kennyさんの特徴はどんな部分だとご自身でとらえていますか?

Kenny:メッセージ性ですね。私は叙情的な表現やシビアな表現を多く使うので、見た人はそれぞれ違った解釈をしたり、異なる感情を抱いたりすると思います。それに、ウッドプリンターはそれそれ全く異なるウッドタイプのコレクションを所持しているので、タイピング自体がその人の大きな特徴にもなっているんですよ。

— 異なるウッドタイプのコレクションを持っているというのは、みなさん意識的に他のウッドプリンターと差別化をはかっているということですか?

Kenny:いえ、そもそも全く同じウッドタイプが複数存在していること自体が稀な事なんです。ウッドタイプはひとつひとつ、手作りで作られているので。

— 作品の込めたメッセージに関しては先ほど話を伺いましたが、この『A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS』というプロジェクト全体を通して、Kennyさんはどんなことを伝えたいと思っていますか?

Kenny:面白い質問ですね。端的に言えば、誰かを触発したいのだと思います。「面白いな」とか、「シビアだな」とか、作品によって色々な感想があるとは思いますが、僕の作品を通して人々が触発され、自然と帰り道に笑顔になってくれればすごく嬉しい。難しいことは考えず、作品自体を楽しんで欲しいですね。

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