国際商取引において、先進国と途上国の公平を計り、途上国の生産者に適切な貿易条件を提供する「フェアトレード」。コーヒーやチョコレートなど、食料品から徐々に裾野を広げ、2002年には欧米や日本などのバイヤー組織と、アジアやアフリカ、南米の生産者組織が同時に参加する初の「世界フェアトレード・デー」が実現。世界規模での一大ムーヴメントになりつつありますが、その詳細ってなんだか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで、本日は、シューズ業界におけるフェアトレードの代表格[ソールレベルズ(SoleRebels)]を例にとって、フェアトレードを簡単にまとめてみました。紳士たるもの知っておきたいフェアトレードのアレやコレ。さっそくチェックしておきましょう。
「そもそもフェアトレードって?」
「Fair Trade is a trading partnership, based on dialogue, transparency and respect, that seeks greater equity in international trade. It contributes to sustainable development by offering better trading conditions to, and securing their rights of, disadvantaged producers and workers ? especially in the South. 」
でも、これだけだとなんだか漠然としていて、よく分かりません。そこで、フェアトレードのルールが必要になってくるわけです。このルールについて、国際的なフェアトレード団体のネットワークである[世界フェアトレード機関(WFTO)]では、以下のように規定しています。
世界銀行総裁も現地工場へ。
このソールレベルズというブランドは、エチオピア人女性ベツレヘム・アレム(Bethlehem Tilahun Alemu)氏が2005年に立ち上げたもの。世界経済の中でのアフリカの在り方に変化をもたらす産業モデルとして、世界銀行総裁ロバート・ゼーリック(Robert Zoellick)氏が現地工場を訪れたり、雑誌『Forbes』による「アフリカンビジネスに大きな影響を与えた若い女性20人」に選出されるなど、経済的にも社会的にも大きな関心を寄せられる存在です。
しかも、そのデザイン性・カラーリングは「アフリカのナイキ」と形容されるほどファッショナブル!海外のスーパーモデル、リヤ・ケベデ(LIYA KEBEDE)や、ジャック・ジョンソン(Jack Johnson)など、多くの海外セレブたちが着用しているというのも納得ですね。
エチオピアの現状とソールレベルズの取り組み。
ヨーロッパの占領下を逃れたアフリカ唯一の国にして、アフリカ最古の独立国家エチオピア。ですが、厳しい経済状態が続き、現在でも最貧国のひとつに挙げられています。そんな中、エチオピアの劣悪な労働環境・不遇な立場を自分たちで跳ね退けてやろう、という思いから、「反逆者」の意味をもつ「rebels」をブランド名に用いた[ソールレベルズ]は、2009年には約40名程度だったフルタイム労働者(貧困が激しい近隣地域からの雇用)を、2011年には約75名にまで増加するなど、着実に雇用を拡大。まさに、フェアトレードブランドとして評価できる結果の表れです。
そんなバックヤードをもったソールレベルズは、きっと新しいカタチで足元を楽しませてくれるはずです。消費者にとっては、自分の気に入ったフェアトレード商品を購入するだけで、それがひとつの国際協力になるわけですね。双方がハッピーになれる、そんな素敵な関係が生まれるのです。
次のページはソールレベルズが展開するシューズの紹介です。