上杉柊平とTEPPEIに聞く、30代のリアルなスタイル、洋服、STONE ISLAND

by Keita Miki

Masteredでもこれまで、様々な形でその類まれなる魅力をお伝えしてきたSTONE ISLAND(ストーンアイランド)。
1982年にMassimo Osti(マッシモ・オスティ)が創業して以来、ブランドに脈々と受け継がれてきた”LAB & LIFE”という哲学とプロダクトを中心に据えた理念は、現代の東京に暮らす僕らにも大きな影響を与えている。
本特集では、そんなSTONE ISLANDの真価をより広くお伝えすべく、俳優・上杉柊平とスタイリスト・TEPPEIによるクロストークを敢行。2018年にオープンしたSTONE ISLANDの日本唯一の旗艦店・STONE ISLAND TOKYO AOYAMAにて、お互いのスタイル、洋服、そしてSTONE ISLANDについて語り合ってもらった。
なお、本稿の最後にも記載している通り、上杉柊平のYouTubeチャンネル・上杉柊平の3rdPlaceでは、上杉柊平がSTONE ISLAND TOKYO AOYAMAを訪れ、ショッピングを楽しんだレポート動画も公開中。気になる方は、こちらもあわせてチェックしてみるべし。
※本特集内に掲載されている商品価格は、全て税込価格となります。

Photo:Takuya Murata | Interview、Text、Edit:Keita Miki

「スウェット上下にも、嫌味なくマッチしてくれるのがSTONE ISLAND。(上杉柊平)」

— STONE ISLAND TOKYO AOYAMAに来るのは今日が初めてですか?

TEPPEI:初めてですね。

上杉:同じく。海外の直営店や渋谷のPARCO、六本木のESTNATIONの店には行ったことがあるんですが、旗艦店に来たのは今回が初めてです。

— お2人とも私物でSTONE ISLANDのアイテムをいくつかお持ちだとは思うのですが、ブランドを知ったきっかけは?

上杉:KANDYTOWNとして活動を始めてからなので、8~9年前ぐらいですかね。アメリカのラッパーが当時、良くSTONE ISLANDのアイテムを着ていて。なので最初は”成功を収めたアメリカのラッパーがラフに着る、高級感のあるストリートウェア”ってイメージでした。で、KANDYTOWNのメンバーと「俺たちも買おうぜ!」って盛り上がって、勢いで買ったのが自分にとっての最初のSTONE ISLAND。全然お金持って無かったんですけど、無理して買いましたね(笑)。

TEPPEI:自分の場合は柊平くんよりもう少し前で、2000年代前後ですかね。古着屋で見たのが最初かな。古着屋とは言っても、マッシモ・オスティ期のヴィンテージアイテムとは全然違う角度からブランドのことを知ったような記憶があります。STONE ISLANDのアーカイブアイテムのヴィンテージ的な価値を知るのは、もう少し自分が年齢を重ねて、古着に詳しくなってからの話ですね。

— STONE ISLANDって年齢によってブランドに対するファーストコンタクトが大きく異なるところも面白いですよね。近年で言うとSupreme(シュプリーム)とのコラボレーションや柊平くんが話していたようなアメリカのラッパーがブランド認知のきっかけになっているように思うし、僕やTEPPEIさんの世代だと、やはり古着・ヴィンテージ的な話がSTONE ISLANDを語る上では欠かせない。

上杉:たしかに。詳しい人から色々な話を聞くと、後追いでブランドに対するリスペクトが深まっていきます。

TEPPEI:僕らより上の世代の人たちに聞くと、”コンパスバッジ”に対するイメージはまた違うものでしょうしね。でも、単純に時代的な要素も大きいというか、ちょっと前の日本だとスポーツファッションというか、スポーティーなものを日常のスタイルに落とし込んでミックスしていくって概念がそもそも存在しなかった訳で。そういう意味で言えば、現代の方がSTONE ISLAND本来の魅力がきちんと伝わっているようには思います。

上杉:音楽とか映像とかと一緒ですよね。海外のカルチャーが余計なフィルターを通さずに、直接僕らに届くようになったというか。

— 昔は日本だと”デパートで売られている高い服”みたいなイメージが先行しちゃっていた部分もあると思うんですけど、本来はもっと身近なというか、そもそも90年代にイギリスのサッカースタジアムで着用されるようになって世界的な人気に火がついたっていう歴史もありますしね。

上杉:あー、だからニット類とか、毎日着るようなカジュアルなアイテムも格好良いんですね。すごく納得がいきました。

TEPPEI:ガーメントダイをはじめ、STONE ISLANDの代表的なテクニックはデザイナーや会社が変わってもずっと受け継がれているからね。普遍的なアイテムにこそ、ブランドの良さが出るよね。

上杉:変わらない魅力。色も抜群に良いですよね。他では絶対に無い色。

— STONE ISLANDのことを知れば知るほど、男の好きなポイントが散りばめられているブランドだなと思います。

TEPPEI:スペックも申し分ないしね。感覚としては、ちょっと車とかガジェットに近いのかも。

— 店内を色々と見てもらいましたが、特に気になったアイテムは?

上杉:TEPPEIさんにコーディネートしてもらったアイテムはもちろんなんですが、個人的な買い物で言えばダウンコートとムートンジャケット。冬が近いので、アウター類ですね。けど、値段が値段なので、まだ悩んでます(笑)。

TEPPEI:リアルに着たいと思ったものを着させてもらったので、着用したアイテムは全て気になったんですが、敢えて言うならダウンジャケットとバラクラバ。ダウンジャケットの色とか、本当に最高ですよ。この色合わせが1つのブランドのコレクションの中で成立するって、素晴らしいことだと思います。

STONE ISLANDのダウンベスト 257,400円、ニット 112,200円、パンツ 112,200円(すべてSTONE ISLAND JAPAN TEL:03-3400-1707)、その他本人私物

— 2人とも、色々なブランドで色々なアイテムを見る機会、着る機会があると思いますが、自分が今、実際にプライベートで着用するものの基準ってどんな部分にあるのでしょう?

TEPPEI:それ、僕も柊平くんに聞きたかったんですが、今のご自身の気分ってどうやって作られてますか? まぁ僕らもそこそこキャリアが長くなってきたので(笑)、変な話、ある程度の洋服なら自分らしく着こなせちゃったりもするじゃないですか。そもそも選ぶ時点で、自分が着そうな服、好みの服も分かっているし。誰かからファッション的に影響を受けたりすることってあります?

上杉:いや、全然そういうのは無いですね。それこそ若い子に聞くと、「誰々を参考にしてます」とか、「誰々の投稿・動画を見てお店に来ました」ってパターンもすごく多いみたいですけど。

TEPPEI:年齢を重ねてきてさ、「昔の自分なら着てるけど、今は着ないかな」って洋服も増えてこない?

上杉:めちゃくちゃ分かります(笑)。リアルな話、もう最近はそれが一周しちゃって、スウェット上下が一番格好良いんじゃないかなってところに辿り着いたんですよね。

TEPPEI:なるほど、引き算的な話でね。そこにSTONE ISLANDのアウターとかをミックスしていくと。

上杉:そうそう。で、ミックスしていく洋服の基準としては、結局”気温”ですかね。

一同笑

— 一番正しい洋服の選び方ですよ(笑)。天気予報と相談。

上杉:STONE ISLANDのアイテムを個人的にたくさん持っているのって、デザイン的な面ももちろんですけど、そういう理由も大きいんですよね。スウェット上下にも、嫌味なくマッチしてくれるのがSTONE ISLAND。年々、ファッション的に頑張っちゃってる感じを出すのが恥ずかしくなってくるじゃないですか。

TEPPEI:嫌味なく、気取らずに、ってところがすごく重要なんだよね。無理せず、だけど何か以上にはなっている。貧相に見えないだとか、相手に不快感を与えないだとか、清潔感だとか。

上杉:その通りです。スウェット上下に与えてくれる、嫌味のない清潔感。誰かに憧れて選んだスウェット上下と、自分の中でこれが格好良いと思って選んだスウェット上下は全然違うし、今は自分の仕事に対する自信もあるので、”嫌味のない清潔感”くらいが丁度良いのかもしれません。

TEPPEI:その”頑張らなくても良いかな”って感覚を持てるようになったのはいつ頃から?

上杉:いや、それは本当にここ1、2年の話ですよ。30歳を過ぎてから。今でも洋服は大好きで、「これ着たいな」とか、「これを着てたら格好良いよな」って思う瞬間はたくさんあるんですけど、「まぁでも着ないかな」って決断が出来るようになりました。「とりあえず買っとくか」で買ってたのが20代ですね(笑)。

TEPPEI:そういう風に自分の中のスイッチのオンとオフを最小限にしつつ、自分のライフワークに紐づいた洋服を着て、それでも格好がつく、格好をつけさせてくれる服って、とても良いですよね。

上杉:そうなんですよ、格好がつかないのは嫌なんで。何でも良い訳じゃねぇぞ!っていう(笑)。

TEPPEI:そう考えると、やっぱりSTONE ISLANDってすごく丁度良いんですよ。ラグジュアリーな側面はブランドとして既に持ってくれている訳ですし。

STONE ISLANDのダウンジャケット 166,100円、オーバーシャツ 112,200円、バラクラバ 48,400円(すべてSTONE ISLAND JAPAN TEL:03-3400-1707)、その他本人私物

— お2人みたいな価値観を持った人が着た方が格好良いブランドだなと、個人的には思います。

TEPPEI:さっき柊平くんが話していた自分に対する自信ってことに繋がるんですが、ブランドアイコンであるコンパスバッジがボタンで外せる仕様って冷静に考えるとすごいことだと思うんですよね。

上杉:オフィシャルにブランドアイコンを外して着用することが許容されている訳ですもんね。20代の自分だったら意地でもコンパスバッジを着けて着用していたと思いますけど(笑)、それを”外せる余裕、心地良さ”みたいなことがこの歳になって分かってきた気がします。そもそもアメリカのラッパーは、そういう洋服を2,000着ぐらい持っているから格好良いんだよなってことも理解出来るようになったし(笑)。あぁ、自分とは違うんだなって。そこからですかね、肩の力が抜けて、自然体でいられるようになったのは。

TEPPEI:そうなってくると、同じ洋服を着ても見え方は全然変わりますしね。

上杉:そうなんですよね。昔頑張って着ていた洋服を、今は楽に着られるようになって。逆に選択肢が広がったように思います。

TEPPEI:でもさ、さっき話してたダウンコートとかムートンジャケットを楽に着る勇気は、まだ僕らには無いよね。

上杉:全然無いですね(笑)。

TEPPEI:あれを楽に着られる人もこの世の中にはいる訳で、そう考えると自分達にもまだまだ伸びしろはあるのかもね(笑)。

上杉:2,000着も洋服はいらないし、折角買った服は何回も着たいですけどね(笑)。ちゃんと愛情を持って着たい。

TEPPEI:もちろん、そっちの方が現代的な発想だし、正しい考えなのは分かるんですけど。まぁ、僕らもまだまだだよねって話でさ(笑)。

上杉:10年後、お互いどうなっているか楽しみです。

上杉柊平の3rdPlace 『表参道で買い物をしていたら、またまた財布の紐が緩くなってしまいました。』

上杉柊平のYouTubeチャンネル・上杉柊平の3rdPlaceでは、上杉柊平がSTONE ISLAND TOKYO AOYAMAを訪れ、ショッピングを楽しんだ際のレポート動画が公開中。

対談の中で出てきたダウンコートやムートンジャケット、他にも様々なSTONE ISLANDの最新アイテムを試着し、リアルに”お買い物”する様子が収められているので、あわせてチェックを。

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