SASQUATCHfabrix.の1ヶ月間限定ゲリラショップがオープン!(後編)

by Mastered編集部

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サスクワァッチファブリックス(SASQUATCHfabrix.)に迫る特集企画第二弾として、まずはあのゲリラショップをスタートさせた経緯を、デザイナー「Wonder Worker Guerrilla Band」のお2人にインタビュー。
例のごとく話は流れに流れ、逸れに逸れてブランドスタートから現在に至るまでの歴史や
今のファッションシーンに対する彼らの思いにまで発展してしまっています。
なんだか、そっちの話の方がおもしろかったりしますので、なるべく忠実に再現。それでは、どうぞ。

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写真:平山 勝之

完全に決定したのはオープン前日(笑)

— まずは、今回の期間限定ショップをやることになった一番最初のきっかけを教えていただけますか?

横山大介氏(以下 横山):吉井さん(編集部注:現THE CONTEMPORARY FIXオーナーの吉井雄一氏)がラブレスのヘッドコーチを辞任して新しい店をやるときに、『何かおもしろいコトが出来ないか?』って。
ゲリラ的にやっていきたいってお話をいただいて、『何か一緒にやりましょう』って進んで。
最初は(店内の)半分くらいな話だったんですよ。一角だけやるみたいな。

— 今のお店の半分をサスクワァッチのコーナーにっていう感じですか?

横山:最初は全部でというお話だったんですが、時間がなさ過ぎるから半分でという事で返答しました。でも結局は全部に…

W.W.G.B.のお2人<br>左:荒木克記氏<br>右:横山大介氏

W.W.G.B.のお2人
左:荒木克記氏
右:横山大介氏

— 結構、話が二転三転してるんですね。

荒木克記氏(以下 荒木):なんとなく全部になった(笑)

— 最初に声を掛けてもらってから、オープンまでの期間はどれくらいあったんですか?

横山:3月下旬頃に吉井さんが辞任する話をしに来られた時、最初に言われました。でもそこから伊勢丹の『アートコンビニエンスストア』とか、台湾のエキシビジョンとか外注デザインなどがあって、正味一ヶ月くらいかな。

荒木:展示会の最中にガッツリ打ち合わせするまではショップの企画は白紙のままでした。

— なんとなくやってみないって言われたのは過去にあったにしても、実際にゴーサインが出たのが展示会中ってことは結構、期間短いですよね。そこからヘボゴンHEAVOGONのステンドグラスとかを頼んでってことですか? すごいスケジュールですね。
では、あのカタチを思いついた、あぁいうお店にしようと思ったのは、どういう流れなんですか?

荒木:とりあえず作りたいモノ、置きたいモノだけ最初にピックして。レイアウトが完全に決定したのは前日って言うか…(笑)目立てとしてステンドグラスとカブドムジGAVUDOMUZIと、あのウィンドウにカッティングシートを貼るのは決めてましたが。

— あのウィンドウって普段は何もない状態だったんですか?

荒木:スモークだけの茶色のウィンドウでした。あのカッティングシートは友人のポチさんにプロ仕事として依頼をして短期間で制作してもらって。結果、自身の力をフルにやらせてもらった感じで嬉しかったです。

— お店に入ると一番最初に目に入るステンドグラスもホントにスゴいんですが、彼らとの繋がりは?

横山:アレを作った一人のレオくんっていうのが、ウチのプレス田中の先輩で。

— 元トイレット(Toilet)の方だ、そうでしたね。

横山:で、『プチくんと一緒にちょこっとステンドグラスやってるんだよね』って話は聞いてて。展示会に遊びに来てくれたときに、ヘボゴンの作品の写真とかを見せてもらって『スゴいね!』って。

荒木:その前から彼らに興味があったので、すぐアトリエに見に行って依頼してきました。

横山:ほんと今回は様々な友人の方に全面協力してもらえたから、あんな風にできました。でなきゃありえなかったですよ。

— レセプションのときにもみんな気にしてたんですよ。「1ヶ月経ったらアレはどうなるんだ!?」って。

横山:期間終了後も少しの間は設置することになりました。結局は外しちゃうんですけど、また何かのエキシビジョンでお目にかかれるかもですね。

— では、次にガブドムジとの繋がりっていうのは? あのネックレスとか。

横山:普段から仲の良い友人で。ネックレスは今シーズンでコラボしてて。彼が持ってるヴィンテージのエロ本を一個一個くり抜いて作ってます。

荒木:それで彼のやってるコトもおもしろいんで、青山っていう(ハイソなイメージの)土地にあぁいうのがあったらおもしろいかなって。

ゲリラショップ設営の様子。<br>ちなみにこの時レセプション開始の1時間前(笑)<br>手前がガブドムジの八木文隆氏

ゲリラショップ設営の様子。
ちなみにこの時レセプション開始の1時間前(笑)
手前がガブドムジの八木文隆氏

— あの本はゲリラショップでも販売してるんですか?

横山:全部売っています。彼も僕らと同い年なんですよ。かつてはバンザイペイント(Bonzaipaint)で店員してたんです。

— それで、右側には今までに展開してきたアートワークが飾ってある感じですよね。
ちなみにサスクワァッチって、いま何シーズン目でしたっけ?

荒木:今季で6年目に入りました。

— ちなみに、サスクワァッチファブリックスの出会いというのは?

横山:プレスの田中とは共通の知人を通してお互い話には聞いてはいたんですけど、1年越しで偶然にも登山中の斜面で出会って(笑) それが8年くらい前だったか…

— それで服始めよう、みたいになったんですか?

横山:最初は、僕と荒木でTシャツとか作ってて。それをパッケージにして営業材料として全国に送って。電話が掛かってきた人とだけ取引するっていう(笑)。田中はその後に合流してきた感じです。

— じゃあ、僕が初めて見せてもらったときっていうのは、すでにカタチになってからだったんですね?

横山:最初の展示会はライブとかやってましたし。あとはTシャツのグラフィックをキャンバスに印刷して販売したりとか… 天童木工と(スケート)ボード作ったりしてて。

— あぁ! 天童木工の少し前くらいでした。あの辺から、ちゃんとしだした感じなんですね。

荒木:ただ洋服だけ売るのもつまらなくて(笑)

横山:最初から写真集なんか出してましたからね(笑)何をやっているんだ? くらいな。

— そんななかで、真っ先に食いついて買ってくれたショップはどこだったんですか?

横山:今でも付き合いがあるところが多いですね。仙台とか、名古屋とか。

荒木:沖縄も。一番最初から続けてくれてるよね。

— 東京の一発目はどこが?

横山:ユナイテッドアローズですね。原宿のブルーレーベルストアの2階と、あとはアフターアワーズです。ブルーレーベルはリニューアルのときに。

— はいはい。イズネス(is-ness)とかと一緒に入ったんですね。その後原宿のお店にも置いてありましたよね?

荒木:今は閉店してしまったのですが、友人のお店で「イズリアルストア」という所に誘われて移動して。よく「フラッグショップやってた事あるよね?」と言われるんですけど、僕らはセレクトされる側だったのであのお店は僕らのお店ではないんですよ。だからまだショップ経験はないんです。

— そういう事だったんですね。意外と真相が伝わってないことって多いですからね。

次のページは『バッドテイストのおもしろさ』です。

W.W.G.B.

PROFILE

Wonder Worker Guerrilla Band(W.W.G.B.)

横山大介氏と荒木克記氏の2人で構成されたデザインユニット。
SASQUATCHfabrix.のデザイナーとして活動する他に、ミュージシャンやコレクションブランド、ユニクロなどへのグラフィックアート提供を行なうなど次々に活躍の場を広げている期待の有望株。