3月10日(火)に、全世界同時発売となった[Reebok(リーボック)]の『ZPump Fusion(ジーポンプ フュージョン)』。新しい「The Pump テクノロジー」を採用しているためネクスト『Instapump Fury』だとの声もある。それはシーンにおける重要度といった意味では正解だと言えるが、シューズ自体を表現した言葉としては少々語弊がある。
既存のシューズとはまったく違ったアプローチから生まれた『ZPump Fusion』とは、[Reebok]によるシューズの再発明であり、ゲームチェンジャーとなり得る存在なのだ。
発売に先立って[Reebok]の本社で行われたメディア向けイベント「THE PUMP EXPERIENCE」の模様と、「The Pump テクノロジー」の開発者であるポール・リッチフィールド氏へのインタビューから、『ZPump Fusion』の革新性に迫る。
Photo:Yoshitomo Obuchi、Text&Edit:Fumihito Kouzu
『ZPump Fusion』はシンプルでフレキシブル
アメリカ、ボストン州カントンにある[Reebok]本社にて行われた「THE PUMP EXPERIENCE」。世界各国から厳選されたメディアが参加したこのイベントに、EYESCREAM.JPも参戦した。
イベント冒頭では、[Reebok]ブランドのトップであるマット・オトゥール氏、ランニングカテゴリーのトップであるビル・マクニス氏、「The Pump テクノロジー」の開発者ポール・リッチフィールド氏が登壇。『ZPump Fusion』とは一体どんなシューズなのかを語った。
靴作りの中心にはラスト(木型・靴型)がある。このラストの周りにアッパーを縫い上げ、ミッドソールやアウトソールを貼り、シューズを作っていく。シューズによってラストの形が違うため、メーカーやモデルによって自分の足に合う、合わないということが出てくるのだ。今まで当たり前だったラストが中心にある靴作りから脱却し、“足の形には個人差がある”ということを中心に置いて靴を作ったらどうなるのか。それが“プロジェクトフュージョン”の出発点だったという。
履く度にカスタム化されるシューズ、足と一体化するシューズを目指した結果、『ZPump Fusion』は極めてシンプルなシューズとなった。
Z規格タイヤからインスパイアされた柔軟性に優れたアウトソール「ZRATED Outsole(ジーレイテッド アウトソール)」、4方向に伸縮するアッパー素材「The Fusion Sleeve(フュージョンスリーブ)」、そして新しく生まれ変わった「The Pumpテクノロジー」。『ZPump Fusion』は3つのキーパーツで作られている。従来のスニーカー、ランニングシューズがおよそ40程度のパーツから成り立っていることと比べると、そのシンプルさが理解できるだろう。
『ZPump Fusion』の機能性を確認するためのトライオンが行われた。複数のチームに分かれて、3つのアトラクションに挑戦。「The Pumpテクノロジー」 による微妙なフィットのコントロール、「ZRATED Outsole」の適度なグリップ力と柔軟性を十分に体験することができた。