「遊び」を真面目に創る注目ブランド、[P01]。その正体を探る。

by Mastered編集部

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「遊び」を真面目に創る。そんな禅問答のようなテーマを掲げた[P01(プレイ)]というブランドが密かな注目を浴びている。BEAMSをはじめとした大手セレクトショップでも好評を博す[P01]の人気ウォッチ、『PLAYTIME』にあしらわれた”NO PLAY NO LIFE”というメッセージを地で行くデザイナー、川井龍二が考える”遊びの哲学”。

Masteredではその正体に迫るべく、BEAMSの担当バイヤーである北川浩嗣と川井による特別対談を敢行。本日8月1日に発売となった2013年9月号「FOCUS PEOPLE」内に掲載されている特集記事と共に、ぜひチェックしてみて欲しい。

Photo:SATORU KOYAMA (ECOS)
Interview&Text:Mastered

自分たちが純粋に格好良いと思えるものを、13年間、時代に合わせてやってきた。(川井龍二)

— [P01]のスタートは2001年とのことですが、川井さんがブランドをスタートさせた経緯からまずはお話を伺えますか?

川井龍二(以下、川井):学生時代、僕はインテリアデザイン学科に通っていて、インテリアデザインの勉強をしながら、Tシャツを作ったり、まぁ、要はブランドの真似事みたいなことをちょくちょくやっていた訳です。その後、その時に可愛がってもらっていたインテリアデザイン事務所の社長さんのツテで、その当時、フリースタイルのスノーボードウェアでは一番歴史のあったドメスティックブランド[Hyper Illusion Design(ハイパーイリュージョンデザイン)]、今は[H.I.D(エイチアイデイ)]に入社することになりまして、そこで7年間経験を積みました。そして2001年、今から13年前ですね、この[P01]というブランドを立ち上げることになりまして。2001年ってちょうど世紀の変わり目で、なんというかみんな遊びに対して敏感になっていない時期だったんですよね。そういう中で遊びの大切さを打ち出していこうと、”play”と2001年の”01″をかけて[P01]。スノーボードを軸に、スケートボード、自転車、あらゆるアクションスポーツをバックボーンにしたジャパンブランドを作りたいという想いが根本にはあります。

— スノーボードは学生時代から?

川井:そうですね、僕は丁度19の時から。

— 元々はインテアリアを勉強していたとのことですが、将来的に洋服をやろうというのは当時から頭の中にあったのでしょうか?

川井:幸いなことにTシャツを作っていた当時から、大阪の洋服屋さんに少量ながら置いてもらえたりしていたので、なんとなくですが、考えてはいましたね。スノーボードも好きでしたけど、どちらかといえば洋服が好きで、その2つがスノーボードウェアーを作る会社(H.I.D)をきっかけに本格的に出会った感じですね。

— 当時のスノーボードウェアにもまだまだ遊びが足りなかった?

川井:スノーボードウェアとの出会いということで言えば、蛍光色でぴたぴたのスキーウェアが多い時代に、チノパンみたいなパンツにネルシャツっていう普段着の延長のようなウェアを着てやる格好良さへの憧れが一番最初ですね。別に周りと違うものを創ろうと意識的にしてきた訳では無く、自分たちが純粋に格好良いと思えることを、13年間、時代に合わせてやってきた。そういう意味では、僕らがスノーボードウェアの分野ではリーディングカンパニーだという自負はありました。

— 現在はスノーボードウェアだけでなく、人気の時計ライン『PLAYTIME』をはじめ、様々なアイテムを手掛けていますよね。

上段:PLAYTIMEのSUPER ANALOG 各12,600円 下段:PLAYTIMEのSUPER ANALOG 各12,600円

上段:PLAYTIMEのSUPER DIGITAL 各12,600円 下段:SUPER ANALOG 各12,600円

川井:『PLAYTIME』に関しては、[master-piece(マスターピース)]さんとのコラボレーションアイテムがきっかけになっています。そのアイテムを見た時計を創る会社から、こういう雰囲気やカラーリングの時計を創らないかと打診されたのが最初ですね。

— BEAMSで[P01]の取り扱いをスタートさせたのはいつ頃からですか?

北川浩嗣(以下、北川):ウェアの取り扱いをスタートさせたのが、2007年からですね。2007年の時点では、スノーボードウェアのアウタージャケットがセレクトショップに並ぶということはあまり無かったように思います。

川井:その次の年くらいからですよね。アメリカのスノーボードブランドのものが洋服屋でも並ぶようになったりしたのは。

— その後、BEAMSでも『PLAYTIME』を取り扱うことになる訳ですが、北川さんの『PLAYTIME』の第1印象はいかがでしたか?

北川:良い意味で、当時のBEAMSにはあまり無いテイストでしたね。カラフルで、スタイリッシュで、価格帯も手頃。取り扱いを決めるのに、長い時間は掛かりませんでした。スノーボードウェアを取り扱いはじめた2007年から変わらず、[P01]とは継続的に良い関係を築けていると思います。

— 今、北川さんからは「カラフルで、スタイリッシュ」という言葉が出ましたが、実際に『PLAYTIME』をデザインする上で、何か気を配ったことはありますか?

川井:ウェアとの共通点をつくることですかね。例えばウェアで赤や緑のものを出すのであれば、時計のカラー展開もそれに合わせるだとか。時計に関しても、機能うんぬんより、まずは見た目の格好良さというのを重視して考えて作っているので、ウェアとのコーディネートという面ではかなり気を使いました。

北川:その辺りの感覚も20代の子には響きやすいですよね。店頭でも[P01]の存在は知らなかったけど、実際に商品を見て、気にいって購入していく方が多いように思います。やはり、この見た目には何か引っかかるものがあるんでしょうね。

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— 北川さん個人として、バイヤー目線で『PLAYTIME』を見た時の魅力は?

北川:最初に取り扱いを決めたのが、『SUPER DIGITAL』というモデルなんですけど、当時店頭にはこういうデジタルのモデルがほとんど無かった。『SUPER ANALOG』に関してもそうですけど、『PLAYTIME』ってフェイス的には「機能盛り沢山!」みたいな感じじゃないですか。そういうギア的な見た目と、ポップなカラーリングのバランスが一番の魅力だと思います。都市生活をする人にとっては、丁度良い、絶妙なバランスなんですよね。

川井:元々ウェアをやっていることもあり、そのバランスもすごく意識したポイントではあります。ギアに行き過ぎるのも、見た目だけで終わってしまうのも嫌だった。今後も出来るだけ偏りの無いようにやっていきたいと思っています。

— スノーボードウェアを作っているブランドも昔と比べれば格段に増えたかと思います。川井さん自身から見て、[P01]というブランドの強みはどういった所だと考えていますか?

川井:僕らは都合13年間ブランドをやってきて、その間にスノーボーダー、スケートボーダー、サーファーなど、様々なアクションスポーツのライダーをサポートしてきました。そういう風に実際にライダーたちと密接な関係を築けているブランドって、日本のブランドではなかなか無いし、そこは一番大きなポイントになっているのかなと思います。海外のブランドなら、たくさんあるんですけどね。日本のブランドは何がバックボーンなのか、分かりにくいブランドが多い。日本にも僕らのようなアクションスポーツのブランドがあるんだってことは、この先もずっと発信し続けていきたいです。

— 北川さんとしては、今後何か[P01]というブランドに期待することはありますか?

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北川:ゆるいって言ってしまうとちょっと失礼かもしれないんですが、今の[P01]のバランスを大事にしてくれれば。毎シーズン、「今季の新作はこれです!」って感じよりは、出来上がったタイミングでポンと出してくれるくらいが丁度良いかなという気はしますね(笑)。
ブランドのコンセプトどおり、“遊び”を大切に。

— では、川井さんにとってBEAMSというお店の魅力は?

川井:誤解を恐れずに言えば、日本の大手セレクトショップの中で唯一、昔からサーフィンやスケートボードカルチャーを発信していて、僕らのようなリアルに横ノリの匂いがある小さなブランドのスタンスを理解してくれる存在だと思っています。そういうお店の中で、自分たちも成長していければ最高ですよね。そしてこの対談を機に、北川さん自身のことももっと知りたいなと(笑)。

— (笑)。話をブランドに戻しますが、[P01]とスノーボードというスポーツはまさしく切っても切れない関係にありますよね。そこで伺いたいのですが、川井さんにとってのスノーボードとは?

川井:正直に言うと、僕はスノーボードって世界最高に楽しい遊びだと思っていて…

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川井:楽しくて、簡単で、リスクが少ない。スケートボードで同じことをしようとしたら大怪我をするし、サーフィンは上達するのに時間がかかる。まぁ、とにかく良く出来てる遊びなんですよね。リスクが低い割に、すごいものを感じられるでしょ。独特の浮遊感というか、”あの感覚”って唯一無二のものだと思うんですよ。それにスノーボードって仲間とのコミュニケーションツールにもなりますからね。一生を通じて楽しく遊べる、稀有なスポーツなんじゃないかなと。でも上手くなるのが早い分、逆にリスクが多くなることに注意は必要ですけどね。

— そこまで言い切れるのはすごい事だと思います。

川井:皆さんそれぞれ、自分が生き抜ける場所ってあると思うんですよ。それが釣りなのか、お酒なのか、洋服なのか、僕には分からないけど、そう考えると“遊び”って言葉の定義はすごく曖昧。でも、僕はそれで良いと思っているし、[P01]はそういう各々のバラバラな遊びの中に寄り添っている存在であり続けたいんです。

【商品のお問い合わせ先】
プレイデザイン http://www.playdesign.jp/

ティ・エヌ・ノムラ http://p01time.jp/
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