店に行き、試着をして、服を買う。そんな洋服の買い方が近頃では"当たり前"では無くなった。
そりゃそうだ。わざわざ店に行って試着しなくても、ネット上には知らない誰かの試着画像が山ほど転がっているし、詳細な寸法まで載っているんだから、自分に合うサイズを選んで、クリックするだけで良い。早ければ次の日には我が家に洋服が届くし、ポイントを使えば割引までしてくれる。そう考えると、インターネットとは、なんてクールで偉大な文明なのだろう。あぁ、やっぱりインターネットは最高だ。
でも、ちょっと待って欲しい。そうして買った洋服を本当に自分は大事にしているか? 服には記憶ってやつがある。大雨の中、苦労して持って帰ったコートや昔の彼女に買ってもらったシャツ、憧れの先輩から譲ってもらったライダース、そして、とびきり格好良い店で買った洋服。例え歳をとってサイズが合わなくなったって、不思議とそういうモノは捨てられないもんだ。
そしてこの秋、『HIGH & KICKS』、『THE PX』と、とびきり格好良い期間限定店を展開してきたBEAMS HARAJUKUに、新しい洋服屋がオープンした。名前は『Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. –Fitting Club-』。過去から学び、今日を生き、明日への希望を持て。つまりは、"温故知新"ってやつだな。
もちろん、ここで紹介する洋服だって、ほとんどはインターネットで買うことが出来る。そういう時代だ。だけど、洋服の本当の面白さは、雑誌やインターネットじゃ分からない。書を捨てよ、BEAMSへ行こう。
Photo:Shin Hamada、Styling:BEAMS、Takeshi Toyoshima、Model:Danny、Text&Edit:Keita Miki