JFK、AOR、NBAにBLT。思い返すとアメリカ生まれのアルファベット3文字にはなかなか良いモノが多いのだが、中でも僕らの青春に多大なる影響を与えたのが、[NIKE(ナイキ)]のアウトドア部門を担うブランドとして1989年に誕生した"ACG"だ。「ACG=オール・コンディションズ・ギア」。あらゆる環境下で頼りになる保護性と機能性を提供するために誕生した[NIKE ACG(ナイキ ACG)]は、俗に"ACGカラー"と呼ばれる独自の色使いと、優れたデザイン性で、ここ日本でも高い人気を獲得。その類まれなる魅力は過去にEYESCREAM.JPで紹介した90'sのヴィンテージアイテムから十二分に分かって頂けるかと思うが、先日お伝えした通り、そんな[NIKE ACG]がこの2014年の年の瀬、新たに生まれ変わる。
しかもデザインを手掛けるのは、あのエロルソン・ヒュー(Errolson Hugh)である。エロルソン・ヒューが手がける[NikeLab ACG]。はっきりと言ってしまえば、これだけでも僕らにとっては大事件なのだが、本特集ではEYESCREAM.JP読者の皆さんも気になって仕方が無いであろう、新生[NikeLab ACG]を世界でいち早く徹底解剖。去る12月11日、イギリス・ロンドンで行われたローンチイベントの様子も踏まえ、「生まれ変わった[NikeLab ACG]が超カッコイイ件に関する考察と報告」をたっぷりとお届けする。
Photo:Takanori Okuwaki Text & Edit:Keita Miki
新生[NIKE ACG]、注目のファーストコレクションの真価を考察。
と、ここまで能書きを垂れてきたが、「とにかく早くモノを見たい!」というのが読者の本音では無いだろうか。そこでひとまずは、12月18日(木)よりNIKE.COM/NIKELAB、さらに12月20日(土)よりNIKE LAB DSM GNZ限定で販売開始となる注目のファーストコレクションの全貌を公開。ロンドンで行われたメディアカンバセーションにおける、エロルソン・ヒューと[NIKE]のシニアデザインディレクター、マシュー・ミルワードの解説を基に各アイテムを紹介していく。
ただ、その前に1つだけ注釈を加えさせてもらえるとするならば、今回のコレクションの核となっている「オール・コンディションズ・フィット」の存在について。ACGコレクション向けにエロルソンとナイキデザインチームが新たに開発した「オール・コンディションズ・フィット」は、心身の即応能力を高め、制約を最小限にするための新構造。あらゆるスポーツに共通し、こと武道においては「構え」の姿勢とも言われる、半分しゃがんだような中腰姿勢で、前を見ている状態を元にフィットブロックを作成することによって誕生した、あらゆる状況で、あらゆる動作に取り掛かれる構造。それこそが「オール・コンディションズ・フィット」の正体なのだ。
NikeLab ACG 2 in 1 メンズジャケット
新たな[NikeLab ACG]のコレクションの基本となる「オール・コンディションズ・フィット」の最も究極的な表現形となる『NikeLab ACG 2 in 1 メンズジャケット』は、防水性のGORE-TEX®による3層の素材を採用。「構え」の姿勢に合わせて仕立てられたジャケットは、アスリート(=都市生活者)の身体の動きに対応できるように余裕を持ったシルエットとなっており、着用時のストレスを感じることなく、都市を駆け回ることが可能だ。
また、内側のライナーは着脱可能で、それだけでも着用ができ、風よけの襟にはフードも内蔵。ジャケットのポケットは、最大の収納量、使いやすさ、悪天候時や安全性を考えた、毎日のツールとなるように作られている。重ねて作られた胸ポケットはメディアポートでつながっており、ジャケットのライニングの下からヘッドフォンをつないで走りやすいように工夫。財布、携帯電話や小さいノート用のスペースもあるポケットも、中に入れる貴重品の安全を考えて体の近い部分に配置すると同時に、無駄を落とした外観を実現している。反射性のACGのグラフィックは、暗い環境でも着る人の視認性を確保するためのもの。
ロゴを強調させたバージョンとシンプルなバージョンの2種類があり、ロゴを強調させたものに関してだけNIKE LAB DSM GNZでの販売が2015年1月15日より、行われる。
NikeLab ACGテックフリースメンズパンツ
「オール・コンディションズ・フィット」のスポーティなシルエットを完璧な形に落とし込んだパンツ。素材にはおなじみのナイキテックフリースを用いており、軽く暖かな構造を実現。縫い目をミニマルにし、ひざの前後を曲がりやすくすることで動きの邪魔にならずに着用することが可能となっている。
右足側のポケットには2つの入り口があり、2つ目のポケットはパンツ後ろ側に伸びる深いもので、鍵などを入れても落とす心配は無し。十分な収納量をキープしながら、ポケットがパンツ全体の形に響かないようにデザインされている。上品で出しゃばらない都会的な1本だ。
NikeLab ACGテックフリースファンネル メンズスウエットシャツ
ロールネックのデザインが特徴的なスウェットシャツは、レイヤリング用アイテムとして多くの活躍の機会がありそう。首の後ろにはバンジーコードとストッパーが配されており、ぴったりとフィットするように調整も出来る。人間工学を考慮したフィットで、袖口が細くなった袖も特徴的。
先ほどのパンツと同じく、ナイキテックフリースを素材に用いているため、抜群の軽さと保温性を発揮する。
NikeLab ACGポケットメンズTシャツ
反射素材を使用した背中の大胆なACGロゴが印象的なポケットTシャツ。着る人が前かがみになった時にも腰を包むように、後ろ身頃の裾を長めに設定してあり、素材にはウールとポリエステルの混紡で暖かさ、通気性と動き易さを適えるナイキDri-FITウールを使用した。
脇と四角いポケットの周りをテープで囲うことにより、スマートなイメージに。オールシーズン使える、ACG流のポケTに仕上がっている。
NikeLab ACG フライニットトレイナーチャッカSFB
快適さと耐久性を高めることに注力して作られたという『NikeLab ACG フライニットトレイナーチャッカSFB』。つま先とかかとには保護膜を付け、さらにアッパー全体の耐水性を高めるためにDefender Repellent Systems™のスプレーを施している。さらに、ナイキフリーを参考に大き目の凹凸をつけたアウトソールには、グリップ性を高めるためにつま先とかかとにハードラバー、前足部にはスティキーラバーを使用。
また、アッパーの裏地には混毛の糸を二重編みにしたもの、外側にはフライニットを用いて暖かく柔らかな感触を実現。この他にも、ソックライナーに通気性を高めるために通気孔を付けたり、かかとと前足の下にクッション性を高めるためのフォームのパッドを入れるなど、シンプルな見た目とは相反するこだわりのディティールが各所に輝る。
NikeLab ACGルナテラアークトス
2013年10月に発売された『ナイキルナテラアークトスブーツ』のアップデート版となる『NikeLab ACGルナテラアークトス』。オリジナル版と同様に、スニーカーの快適さと冬用ブーツの保温性と天候からの保護機能を併せ持った1足に仕上がっている。
また、オリジナルバージョンから内蔵ブーティを取り除くことで大幅な軽量化に成功。アウトソールはグリップ性を高めるためにスティッキーラバーを用いている。さらに、アッパーには撥水性を持つ新しく柔軟なDWRメッシュを使用し、甲の上部とかかとにはレザーを使用することで、湿った路面でも足が濡れない仕様に。シューレースにも水を吸いにくい素材を使用し、保温性のライニングには暖かい熱をため込む溝を付けるなど、より都市生活を意識したディティールを追求した。
なお、こちらのアイテムはジャケットのロゴを強調したバージョンと同じく、2015年1月15日より、NIKE.COM/NIKELABとNIKE LAB DSM GNZで限定発売。
NikeLab ACG レスポンダバックパック
都市生活において必要な機能を凝縮したバックパックは、「ナイキ クワッド・ジップ・システム」と呼ばれる、Xの形をした4方向に延びるジッパーシステムが大きな特徴。バッグの中にあるアイテムがどの部分にあったとしても素早く、簡単に取り出すことが可能となっている。また、全てのジッパーを開けば平らな形状に変化するため、パッキングも楽々。
内側のポケットには、15インチのラップトップからシューズまで、様々なモノを収納でき、バックパック上部のポケットはフリースで裏打ちされているので、サングラスや携帯電話の表面を保護するのに役立つ。着脱可能なMOLLE(Modular Lightweight Load-carrying Equipment)システムのサイドポーチにも収納が可能で、バッグの下のユーティリティ・ストラップはカメラの三脚やジャケットなどのかさばる物を持ち運びやすくする。
ちなみにバックパック本体は、軽量で強靭、防水性のディメンション・ポリアント®社製素材を採用。人間工学にもとづいたショルダーストラップは、胸のストラップと収納可能なウエストベルトと連動し、パックパネルとショルダーストラップの裏地には、体表面への通気を促すナイキハイパーボイドメッシュを使用している。ストラップとバックパック前面の反射性のACGロゴも◎。