私の選んだ腕時計。荻原桃子(UN3D.):Seiko Lukia『SSQV032』

by Mastered編集部

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私の選んだ腕時計。 – 南貴之(Graphpaper):Seiko Prospex『SBBN025』

機能=デザインが時計の価値を格上げする。

— はじめに、南さんと腕時計の関係を教えてください。

:時間を確認する機能とアクセサリーとしての機能を果たしてくれる、仕事をする上で必要な道具ですかね。今や時間はスマートフォンでで確認できる時代だけれど、仕事柄時間に追われているので、手元で瞬時に時間が確認できるのは、やっぱり腕時計の魅力だと思います。そのなかで、身につけるなら好きなデザインのものにとことんこだわりたいのですが、これが僕の場合は、機能がデザインにそのまま反映されているかが重要なポイントになってくるんですよ。

— といいますと?

:例えばこの時計は、フォルムや素材など、誰にでも分かりやすいぐらいに高度なスペックがデザインとイコールの関係にあると思います。着けると、ダイバー達にリアルに使われているということが身を以て体感できるんです。よく見ると、外胴のプロテクターだったり、視認性に優れたダイヤルだったり、ダイバーのために開発された工夫がディテールに落とし込まれていて、ダイビングはやらないのですが、そういう部分にも男心がくすぐられますね。ワークウェアとかもそうなんですが、機能性がそのままデザインに反映されているものが好きなので、そういうモデルに弱いんです。

1965年の誕生以来、世界のダイバーズウオッチをリードし、弛まぬ進化を続けてきたセイコーダイバーズ。各国のプロフェッショナルダイバーや冒険家から絶大な支持を獲得していたにも関わらず、満足することなくテクノロジーを追求し続け、昨今では本来の用途とは別にファッションシーンにおいても付加価値の高いアイテムとなっている。

— 機能というと、Graphpaperの洋服は、機能性がデザインとして反映されているものが多いと感じますがいかがですか?

:そうですね。Graphpaperの洋服もそういった僕の好みが反映されているので、時計に対して求めるこだわりと同じように、機能がデザインの根源にあります。ただ服の場合は、僕らは都市生活をしているので、そこにはリアルな機能しか求めていない。そういう理由から、いらないデザインを削ぎ落として、今必要な要素を足して形にしていくのがGraphpaper流の服作りです。デザイナー的な目線ではなく、どちらかというとベースがあるものに、僕らが生活上で必要なものだけに限定して要素を構築していく感覚ですね。

— そんなGraphpaperの洋服を使った、コーディネートのポイントを教えてください。

:白と黒で合わせたモノトーンスタイルですかね。リングやバングルなどのアクセサリーをつけるのが好きじゃないので、夏場に唯一つけるのが時計なんです。例えば、プレーンなTシャツ一枚だとスッキリしすぎてしまうので、手首周りは存在感のある時計でアクセントをつけるようにしています。そういった意味で、Prospexはガジェット感覚でつけられてコーディネートのハズしにもなるので、ファッション性を備えた時計といえるのではないでしょうか。

— 南さんがアイテムをセレクトする上で、国産品が良いなど製造元についてこだわりをもっていらっしゃいますか?

:実は、そういうことはあまり気にしていなくて、どこの国にも素晴らしいモノは必ずあるので国に縛られるのではなく、並列してセレクトしたいと思っています。まぁ、たまにこのアイテムだったら”○○製”とか書いてあった方が可愛いよなと思うことはありますけど……。Prospexは日本製で世界中のダイバーたちから信頼されていて本当に完成度の高い世界に誇れるものだと思うんです。それは、機能とデザインが完璧に結びついているからだと思います。現にProspexが世界のダイバーだけでなく、ファッション感度の高い人にも支持されているのは、ファッションアイテムとしてデザイン面でも認められている証拠だと思いますしね。