#てがきでつたえる Montblancと考える「てがき」の意味 – 梅川壱ノ介 編

by Keita Miki

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Montblancと考える「てがき」の意味 – ZENONE 編

— ZENONEさんが最近、作品以外で「#てがき」したものについて教えてください。

ZENONE:なんか最初からしょーもない話になっちゃうんですけど(笑)、リアルな話、最近一番良く手書きで書いているのは、子供の保育園の連絡帳。その日の子供の様子とか体調とかを保育園の先生と交換日記的にやり取りしてるんですけど、それがすごく新鮮でして。とにかく、自分が書けない漢字の多さに驚きます(笑)。

— 普段はどんな筆記具を使用しているのでしょうか?

ZENONE:仕事で使うのは基本的に何かしらのペンですね。筆ペン、マーカー、油性、水性、幅広く使いますが、あまりこだわりはありません。もちろん、こだわりが無い中にも自分の好みのペンっていうのはあるんですけど。

— その好き嫌いはどういった部分で決まるんですか?

ZENONE:コシと質感、あとは握った感じですかね。単純に値段が高いペンが良いかというと、そういう訳でも無いんです。

— ZENONEさんは「#てがき」を仕事にしている人だと思うのですが、今の仕事をはじめたきっかけは?

ZENONE:僕の仕事って言ってしまえば落書きの延長線上にあるようなもので、グラフィティを始めたって意識はあまり無いんですよね。中学生の時から日常的に落書きは書いていて、それが実際にグラフィティのような様相になってきたのは高校生の時にヒップホップや洋楽を聴くようになって、そのCDジャケットを見て、衝動的にスプレーで描きはじめてから。それから段々と知り合いにミックステープのジャケットとかタイトル書きを頼まれるようになって、そんな事を繰り返している内に、気付けばこれが仕事になっていました。

— Montblancの筆記具についてはどんなイメージをお持ちでしたか?

ZENONE:名前はもちろん知っていましたけど、まさか自分が持つことになるとは夢にも思いませんでしたね。そういう意味では高級時計と同じ感覚。だから、いざ自分が使うとなると「俺にMontblancの万年筆を持つ価値はあるのか」とか、変なことを考えちゃいます(笑)。

— 「#てがき」が必ずしも必要とは言えない時代ですが、ZENONEさんが考える「#てがき」ならではの魅力はどんな部分にあるのでしょう?

ZENONE:一言で言えば、生身な感じ。アナログ感。例えば同じ真っ直ぐな線を書いたとしても人が描いた真っ直ぐとPCが描いた真っ直ぐは全然違います。本当は歪んでいても結果として真っ直ぐに見えれば良いというか、そういう「#てがき」ならではの質感が一番の魅力なんじゃないですかね。

— それでは最後に、ZENONEさんが今日手書きで書いてくれたものについて教えてください。

ZENONE:普段からどんなペンでも書くし、「このペンならこういうデザインが良いかな」とか臨機応変に考えながらやっているのですが、Montblancの万年筆を使うのは初めてだったので、色々と試行錯誤しながらMontblancの万年筆にフィットするデザインを考えてみました。もっと長い時間使わないと分からない部分も多くあるのですが、ひとまずは上手く出来たかなと。

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今回使用した万年筆は、Montblancの定番モデルである『マイスターシュテュック ル・グラン』(67,000円)。ペン先は最も太字のBB。太字の万年筆はアーティストや書道家からも人気だという。