全米オープンで準優勝を果たし、世界中の注目を浴びた錦織圭。そのコーチを務めているマイケル・チャンも、一躍時の人となった。
[Reebok(リーボック)]が誇る革新的な機能である「The Pumpテクノロジー」が25周年を迎えた今年、まるで錦織圭とマイケル・チャンの活躍とのタイミングを計ったかのように、マイケル・チャンが現役時代に愛用していた『COURT VICTORY PUMP』が[Reebok CLASSIC(リーボック クラシック)]よりオリジナルスペック&カラーで復刻。
多くのテニスプレーヤーから愛され、スニーカーフリークからも支持された『COURT VICTORY PUMP』は、着用していたトップアスリートから見てどのようなシューズだったのか。当時の[Reebok]のアセットであり、広告ビジュアルにも起用されていたマイケル・チャンにMasteredが独占インタビュー。[Reebok]のテニスシューズのテストに関わっていた彼に貴重な話を聞かせてもらった。
マイケル・チャンは1989年の全仏オープンで史上最年少の17歳3カ月で優勝、ATPツアーでは34勝を挙げ、シングルスで世界ランキング2位にまで上り詰めた名プレーヤー。現役時代に愛用していた[Reebok]の『COURT VICTORY PUMP』は、「The Pumpテクノロジー」を搭載した先進性と、フットワークを駆使してライバルに打ち勝つプレースタイルで支持されていた彼の影響もあって、当時高い人気を誇っていた。
—『COURT VICTORY PUMP』を初めて見たときの印象を覚えていますか?
マイケル・チャン:「The Pumpテクノロジー」がとても画期的だなと思ったのを覚えているよ。[Reebok]はいつも快適で素晴らしいシューズを作っていたけれど、これは今までになかった新しいものだなと感じたんだ。
—当時の[Reebok]というのはトップアスリートであったあなたから見て、どのようなブランドだったのでしょうか。
マイケル・チャン:フィットネスのシューズ、フィットネスのアパレルでとても良く知られているブランドだったと思う。そしてテニス、バスケットボールへと大きく広がりつつあるところだった。そこからどんどん拡大していって、ワールドワイドなシューズマーケットを支配したブランドの1つになったんだ。
—「The Pumpテクノロジー」はとても斬新なものだったと思うのですが、それが搭載された『COURT VICTORY PUMP』を履いてくれと言われた時に、抵抗はありませんでしたか?
マイケル・チャン:戸惑いや抵抗はなかったよ。当時、私はサポート力が高くて、よりフィッティングの良いテニスシューズを求めていたから、『COURT VICTORY PUMP』がミッドカットだったことが好印象だったんだ。テニスシューズというのはほとんどがローカットで、それは今でもあまり変っていないのだけれど、私はミッドカットが履きたかったんだよ。「The Pumpテクノロジー」も、より良いフィッティングが得られそうで試してみたいと思うものだった。だから、『COURT VICTORY PUMP』はむしろ受け入れやすいものだったんだよ。そしてミッドソールにHEXALITE(ヘキサライト)を使うことで、ミッドカットのシューズであるにも関わらず十分に軽いシューズに仕上がってもいた。
—当たり前のことなのかもしれませんが、機能の名前などもしっかり知っていらっしゃるし、シューズにとても詳しいんですね!
マイケル・チャン:当時は、リーボックの本社に足を運んで、いつもプロダクトに対するフィードバックを求められていたからね。私が実際にテニスコートでプレーすることで感じたことを常に伝えていたんだ。そして[Reebok]の開発陣はアスリートからのフィードバックを凄く反映してくれるし、シューズを改善するためにあらゆることをやってくれるんだよ。例えばこんなこともあった。テニスをプレーする時、シューズを滑らせてスライドするように動きを止めるんだけれど、当然しっかりと止まって次の動きに移れるほうが良いように思う。だから、一度レーシングカーのタイヤにも使われているようなラバーをアウトソールに使ってみたことがあったんだ。「マイケル、これならどんなサーフェスでも止まれるよ。ちょっと試してみてほしい」ってね。それで私は、実際に履いて試してみたんだけれど、5分後にはこれは無理だと思った。なぜかというと、そのシューズはあまりにも止まり過ぎたんだよ! そのグリップ力はテニスシューズにとってはオーバースペックだったということなんだけど、[Reebok]はあらゆることを試して、そしてそれがアスリートに必要か、プレーに重要かということを検証して、機能の取捨選択をしている。そういう意味でも『COURT VICTORY PUMP』は、様々な機能が絶妙なバランスで取り入れられたシューズだと言えるんだよ。
—先ほどミッドカットが好きだと仰っていましたが、それはご自身のプレースタイルにも関係していると思われますか?
マイケル・チャン:[Reebok]は「マイケル、これが好きか嫌いか教えてほしい」と、私にプロトタイプのシューズを送ってくれていたんだけど、ミッドカットのシューズを作り始めた時にも同じように試してみてほしいと言われたんだ。そしたらとてもフィーリングが良かった。テニスはフットワークが大事だし、あらゆる方向に動かなくてはいけない。だから私はサポート力の高いミッドカットが好きなんだよね。ほとんどのテニスプレーヤーはローカットを履いているんだけれど。
—「The Pumpテクノロジー」を採用した『COURT VICTORY PUMP』は、テニスプレーヤーだけでなく、ファッションとしても受け入れられたシューズでしたが、そのあたりはどのように感じていましたか?
マイケル・チャン:「The Pumpテクノロジー」は本当に個性的で、際立っていたんだ。実際にスポーツをしない若い子たちの間でも「The Pumpテクノロジー」が話題になって、「クールだ」と言って『COURT VICTORY PUMP』や、そのほかの「The Pumpテクノロジー」の付いたシューズを履いていた。タウンユースに合わせたカラーリングのモデルもたくさん打ち出されていたし、それはとても嬉しかったよ。その後、僕が最も好きなシューズの1つでもある『Instapump Fury』が発売されて、本当に多くの人から愛されるシューズになったしね!
全仏オープンをマイケル・チャンが制覇してからちょうど25年、錦織圭が全米オープンでファイナルに進出した2014年に復刻された[Reebok CLASSIC]の『COURT VICTORY PUMP』は、スニーカー史に残るモデルとなるかもしれない。
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