過去何十年にもわたりサブカルチャーを形成してきた［FRED PERRY（フレッドペリー）］の“M12”。
そのイズムは継承され、今も多くのロンドンの人々が“ごく当たり前に着る日常着”として息づいている。今回は“M12”にちなみ、現在のロンドンで活躍中の12組のさまざまな職業の人々に、このシャツにまつわるそれぞれのパーソナルストーリーを聞いた。
彼らが口を揃えて「ヘリテージウェア」と呼ぶ、“M12”の魅力 とは。
※本特集内に掲載されている商品価格は、全て税抜価格となります。
Photo： Yasuyuki Takaki、 Styling & Casting：Takeharu Sato、Styling assistant：Lilian Hess 、Text & Edit： Yukihisa Takei(HIGHVISION)
1. Joppe Rog (Film Director)
Polo Shirt 12,000円
ロンドンの中心部で、さまざまなショップが林立するSOHOエリア。その雑居ビルの最上階に手頃な広さのオフィスを構えるヨーペ・ログは、オランダ出身で、現在フィルム・ディレクターとして活躍する29歳。お気に入りのベスパで出勤し、部屋のすぐ上のルーフトップに登れば、ピカデリーサーカス周辺の喧騒が見えるこのビルでクリエイティブワークを行っているヒップな男だ。その仕事はメジャーなメーカーや『NYタイムズ』のウェブコンテンツ、オランダ国営郵便局など多岐にわたる。「オランダにいた頃から僕も［FRED PERRY］のポロは持っていたよ。イギリス人はこのブランドのことをちゃんと理解した上で着ている気がする。こういうブランドはオランダにはあまりないんだ」
2. Christopher Raeburn（Fashion Designer）
Polo Shirt 12,000円
ロイヤル・カレッジ・オブ・アートを卒業後、2009年に［Christopher Raeburn（クリストファー・レイバーン）］を立ち上げ、［MONCLER R（モンクレール R）］でもその名を世界に知らしめたクリストファー・レイバーン。ロンドンの新鋭デザイナーの筆頭株でもある彼は現在33歳。いま最も波に乗っている存在で、2013年には［FRED PERRY］ともコラボレーションを果たしている。ミリタリーファッションの高い知識を持つクリストファーが［FRED PERRY］を好きになったのは、あのモッズ映画から。「『Quadrophenia（邦題 :さらば青春の光）』のスタイルには影響されたよね。特に学生時代には”M12“を沢山買った。シャープなスーツにもモッズパーカに合わせてもいいから、僕のスタイルにフィットしたんだ」
http://www.christopherraeburn.co.uk
3. Eli & Fur（DJ & Producer Duo）
Polo Shirt（White） 、Polo Shirt（Navy）11,000円
ロンドンをベースに活躍するガールズDJユニット、エリ＆ファー。ご覧の通りのグッドルッキンにして、クールなDJとサウンドプロデュースで人気上昇中の彼女たちは、KITSUNÉのミュージックイベントなどにもたびたび登場している。パフォーミングアートを学ぶ学校で、ミュージックテクノロジーを勉強する中で知り合った二人は、身長、身体のサイズ、そして足のサイズまで同じということもあり、頻繁にそれぞれの服を交換して着るほどの仲良し。「これは偶然だけど二人とも［FRED PERRY］の全く同じ服を持っていたの。［FRED PERRY］はクラシックだし、常に流行から外れることがないから二人とも好きなブランドよ」。年内には東京でのツアーも計画中とのことなので要チェック。
4. Harris Elliott（Visual Storyteller）
Polo Shirt 12,000円
昨年、写真家のディーン・チョークリー氏と共同で企画し、ロンドンで6万人もの動員記録を叩き出した展示イベント『リターン・オブ・ザ・ルードボーイ』を成功させ、日本でも同展をプロデュースしたことで知られるハリス・エリオット。ロンドンを中心に活躍し、スタイリストとして15年のキャリアを誇る注目人物だが、親日家でもあり、日本のブランドとも数多く仕事をしている。「［FRED PERRY］は英国のサブカルチャーに深く結びついているブランドだから、『リターン・オブ・ザ・ルードボーイ』の時も必要不可欠な存在だった。もちろん個人的にも“M12”をはじめ、［FRED PERRY］のシャツは何枚も持っているよ。良いデザインというのは、いつまでも変わらないものなんだ」