大曽根:LA北西部のサン・フェルナンド・ヴァレーにあるCellador Alesは作っているビールにも郊外のブルワリーらしい大らかさがあって、ここはあちこちに目配せせず、一般的なブルワリーの主軸であるIPAは作っていなくて、木樽で仕込むサワーやワイルドエール系がメインで、唯一ある気軽なビールはピルスナーだけ。そのピルスナーもオプションとして5分間掛けて注ぐ”Slow Pour”というタップルーム限定メニューも選べて、より豊かな味わいが楽しめるんです。そういう意味で、余裕を感じるというか、落ち着いたブルワリーですね。
村越:Cellador Alesはビールとチーズのマリアージュを提唱していたり、ビールをナチュールワインに近いものとして扱っているんですよ。
大曽根:でも、このブルワリーもお客さんがお洒落さをものともせず、じいちゃんばあちゃんから孫まで大集合したメキシコ人の大家族が飲みつつ食事をしていたり、そうかと思えば、そのブルワリーの隣にあるKush Alleyっていうマリファナ屋の店員が飲みに来ていたり(笑)。そういう意味で、日本のクラフトビールシーンって、外枠は上手く取り入れていると思うんですけど、その中身は懐の深さがまだまだ足りないというか、日常生活に根ざしたレベルには達してないんだなって思いましたね。
【Cellador Ales】
16745 Schoenborn St, North Hills, CA 91343
https://www.celladorales.com/
https://www.instagram.com/cellador_ales/