世界が注目する写真家・ニック・セティに訊く「写真、ファッション、Levi’s®」

by Keita Miki

去る4月6日〜8日の3日間、原宿のThe Massにて、いつの時代も僕らの定番となるブルーデニムを作り出すLevi’s®(リーバイス®)が、『LEVI’S® CUSTOMIZATION ART EXHIBITION ”THERE IS NO WRONG”』と題したアートエキシビションを開催した。
Damien Hirst(ダミアン・ハースト)やKeith Haring(キース・ヘリング)など、名だたる現代美術作家がLevi’s®をカスタマイズしたアートピースの展示や、LQQK STUDIO(ルックスタジオ)のJoe Garvey(ジョー・ガーヴィー)がキュレーションした総勢27名のアーティストによる作品と、Levi’s®のカスタムアイテムの展示、さらにはLQQK STUDIOをそのまま持ち込んだようなカスタムスペースなど、見所だらけな催しのなか、Masteredでは参加アーティストの1人であり、LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のMEN’S 2019 PREFALL COLLECTIONのルックの撮影も行った注目のフォトグラファー、Nick Sethi(ニック・セティ)にインタビューを敢行。

Photo:Shin Hamada | Interview&Text:Maruro Yamashita | Edit:Keita Miki

写真については何にも分かってなかったな。何も知らない状態でスタートできたのも良かったよ。(Nick Sethi)

— 写真を撮り始めたのはいつ頃から?

Nick Sethi:高校生の頃だったから、15歳くらいかな。1989年生まれだから、2003年とか2004年くらい。元々はバンドでギターやドラムの演奏もしてたんだけど、どの楽器も得意じゃなかったんだよね(笑)。けど、友達がツアーに出るようになって、それに一緒に行きたいなーと思って、マーチを担当したり、ショーの写真を撮るようになったんだ。決してシリアスな感じで始めた訳じゃないんよ。まぁ、バンドのドキュメンタリーみたいな感じかな。

— 当時好きだったフォトグラファーやアーティストは?

Nick Sethi:その頃はアートのことなんて何も分からなかったよ。友達はグラフィティーをやってるやつが多かったけど、写真については何にも分かってなかったな。何も知らない状態でスタートできたのも良かったよ。

— じゃあ、写真は独学なんですか?

Nick Sethi:だいたいそんなところだね。本当にあまり昔のことを覚えていないんだけど、そもそもシリアスなものではなく、あくまでも趣味としてやってたいたからね。今でこそ写真を撮ることを職業として捉えているし、他の人の作品を見たら、それがどのように撮られたかってことを考えたりするけど、その頃は何にも考えてなかった。音楽の方が好きだったし、音楽の一部になる為に写真を撮っていたんだ。

— では、現在のフェイバリットアーティストは?

Nick Sethi:写真で? 何でも良い? 難しい質問だな。俺は、どんな媒体でも取り組めるアーティストが好きだな。とても仲の良い友達なんだけど、Daniel Shea(ダニエル・シェア)は大好きなアーティストだね。彼もニューヨークに住んでいるんだけど、最近銀座の『Tokyo Art Book Fair』にも参加してたし、ALYX(アリクス)とも本を作っていて、ALYXのショーではその本をモデルが脇に抱えて歩いたりしてたんだ。彼みたいに、1つのことだけじゃなくて、常にクリエイティブでいるようなスタンスが好きなんだ。僕もドローイングもするし、今回はドローイング作品も展示してるんだよ。

— 生まれ育った町のことを教えてください。

Nick Sethi:フロリダで生まれ育ったんだ。南部の街で、全てから孤立しているような感じだよ。バンドのことでも、何のことに関しても、情報を得るのがすごく難しい街だったから、得ることが出来たもの全てにとても感謝することが出来たのは良かったな。今はニューヨークに住んでいるし、Instagramもあるし、全てが一歩先で起きているような感じだからね。誰か好きなアーティストがいたとしたら、それはきっと友達の友達だし。昔だったらそこに大きなギャップがあったんだよね。

— 今はニューヨークに住んでるの?

Nick Sethi:そうだよ。10年前に引っ越したんだ。13、14歳の頃、おばさんがニューヨークのイーストヴィレッジに住んでいて、その辺りにバンドのショーを見に行ったりしていた。とても小さなエリアだけど、イーストヴィレッジやローワー・イースト・サイドの雰囲気やエナジーがとても好きになったんだ。それで引っ越したかったから、ニューヨーク大学に入学したんだ。高校の最後の1年を、インドで過ごしたから、インド人留学生枠みたいな感じでね(笑)。とても上手な英語を話すとか思ってもらえたんだと思うけど、そもそもアメリカで生まれ育ってるからね(笑)。両親は2人ともインド出身。でも、ニューヨーク大学にはそんなに興味を持てなくて、1つの科目だけ修了した後に辞めちゃったんだ。その頃には写真に真剣に向き合っていたしね。そのあとはVICEで数ヶ月働いて、Terry Richardson(テリー・リチャードソン)のインターンとして3ヶ月働いて、そのままフルタイムでテリーのもとで3年間働いたよ。

— 今撮りたいものはなんですか?

Nick Sethi:今はファッションの撮影がしたいな。ついこないだLOUIS VUITTONの撮影をしたけど、本当に最高だったよ。こないだのショーでも、本当にホーミーたちが沢山関わっていてさ。LVにだよ!? 信じられないよな。友人たちでLOUIS VUITTONの仕事を出来るなんて。どうやったら、ただのファッションフォトじゃないものに出来るのかっていうところに興味があるんだ。単にモデルが洋服を着てポーズを取るだけじゃなくて、モデルのパーソナリティーを混ぜるにはどうしたら良いのかっていうことにね。

— 今回のLevi’s®のプロジェクトに参加した経緯を教えてください。

Nick Sethi:今回のプロジェクトは、たくさんの人たちが関わっているんだ。LQQK STUDIOもそうだし、Levi’s®も勿論そうだし。最初に聞いたときは、実現すると思ってなかったよ(笑)。みんな友達同士だけど、クールなアイテムを作るためのプラットフォームがしっかりと整えられているんだ。もし自分でカスタムのアイデアを実現しようとしたらとても時間がかかるけど、ここだったらすぐにアイデアを実現することが出来る。たくさんのニューヨークの友達が勢揃いして東京に来て、それぞれのクリエイティビティーを発揮して、皆でコラボレーションしているような感じだよね。最高にクールだよ! 自分1人だったら、こういうカスタムはなかなか形に出来ないからね。

— 最後に、Levi’s®というブランドに持っているイメージを教えてください。

Nick Sethi:クールだよね。ブランドとしてのポジショニングを気にしたり、インフルエンサーと付き合ったりするだけじゃなくて、こういうエキシビションをとてもクールなやり方でサポートしてくれるんだからさ。この企画に参加出来て嬉しいよ。

「Mastered」は、
2017年5月までEYESCREAM.JPだったサイトが生まれ変わった、
新しいファッション&カルチャーメディアです。