— ところで、洋服に関しては自分のスタンダードって何かあったりしますか?
JxJx:これは自分の中では、わりと最近の、2009年からなんですが、VANS(ヴァンズ)の真っ赤な『AUTHENTIC』をずっと欠かさず履いているかもしれません。それまでVANSの『ERA』を履いていたんですが、アメリカに行った時に、街で若い子が赤い『AUTHENTIC』を履いていたんですよ。それを見た瞬間に、なんかわからないんですが「あっ、これかもしれない!」って思ったんです(笑)。
— JxJxさんは、ハットもスタンダードな気がします(笑)。いつからかぶっているんですか?
JxJx:2011年からですかね。昔のカリプソのレコードのジャケットでその存在を知ってから、ずっと欲しくて探してたんですが、何せ正式名称が分からないのでこのインターネット時代でも探しようがなかったんですよね。結果、何年も探して、偶然アメリカのパーティグッズ屋で発見しました。そこでようやく正式名称も分かって(笑)。『ビーチ・コマー・ハット』というそうです。
モーリス:日本では見たことがないですね。たまにJxJxコスプレでかぶっているお客さんは見たことがありますけど(笑)。
—帽子とかVANSの話を聞いていて、JxJxさんは自分の中でスタンダードを作っていこうという考え方の人なのかなと思いました。
JxJx:実は、そんなに意識していなかったんですが、今日の撮影でもかぶる必要がなかったのに、しっかりかぶりましたね(笑)。もしかしたら自然と自分の中でスタンダードを作ろうとしているのかもしれません。そう思うと、スタンダードは昔からあるものだと捉えがちだけれど、もしかしたら、ある瞬間から自分の中で生まれる可能性もあるのかもしれませんね。
松井:あー確かに。今が元年みたいなね。
モーリス:”今が元年”、それ面白いね。今はまだ元年すぎて、ちょっと浅いかもだけど、ずっと続けていったらわからないもんね。
松井:僕は最近思うことがあって。カクバリズムのバンドって全体的にパーカッショニストが多いでしょ? あれは僕の影響なんじゃないかなって思う(笑)。
JxJx:そういうスタンダードの乱用はやめよう(笑)。
—では、最後に皆さんにとってLEEとは。
モーリス:僕は実は今でも『101』を愛用しているので、今日も私服で穿いてこようか迷っていたんですよね(笑)。中学生のとき、渋谷に買い物に来たのですが、明治通りですごく太いLeeのパンツを穿いている人を見て、とにかくかっこよくてそれでLeeを購入しました。大人になってからは、しばらく穿いてなかったんですが、最近またやっぱり、しっくりくるなと改めて思いまして。時代によってトップスもボトムもシルエットの変移がある中で、『101』のオーソドックスな形ってちょっと説得力があるんですよね。
JxJx:確かに、Leeってこだわりが強い人や、意思のある人が穿いていたイメージ。そういえば学生時代、友達との会話の中で「あっ、それLeeじゃん」っていうのがありました。他のデニムとちがってスルーできないっていうか。それぐらいデニムブランドの中でも渋さがあって、そういうノリでLeeを穿いた人が押す音楽なら間違いないなっていう、そういう信頼感がありましたね。
松井:なるほど。僕のLeeの記憶は、小学生ぐらいのときの兄のお下がりですかね。しばらく穿いてなかったので、今日再び足を通した瞬間に、肌に刻まれたお下がりのLeeを穿いた時の感触を思い出したんですよ(笑)。他のデニムと肌触りが違う気がします。
JxJx:「穿いてるぞ」っていう感じがあるよね。昔のデニムって、穿いた時にそういう興奮がありました。今のストレッチが効いて改良されたデニムとは違う、ある意味そこに足を通すことで、入門していく感じ。この感じ、忘れないようにしないと。
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