Lee『101』とMIRRROR – 日系アメリカ人の新鋭ヒップホップ・ユニットが語るスタンダード –

by Nobuyuki Shigetake

新進気鋭なラグジュアリー・ストリートの波やインディペンデントブランド、そしてメディアに上がるスタイルサンプルの数々など、さまざまな価値観の混在するなかに身を置く僕らは、たまに何を基準に服を選べばいいかわからなくなることがある。それは服だけでなく、音楽や食べ物においても同様だ。
本特集では、Lee(リー)が開発したデニムの元祖モデル『101』を、スタンダードと所縁のある多様なミュージシャンに着こなしてもらうとともに、“スタンダード”について、彼らなりの記憶を辿りながら再考。
今回登場するのは、2018年にユニットを結成したばかりのヒップホップ・ユニット、MIRRROR(ミラー)。アメリカはサンフランシスコで育ち、現在、東京とアメリカを往き来する日系アメリカ人の男女ふたりが生み出すのは、ヒップホップのリズムとR&Bの艶っぽさが絡み合った、実に心地よいサウンドだ。そんなMIRRRORに、ユニット結成のいきさつ、そしてふたりにとってのスタンダードとは何かを聞いた。

Photo:Shota Kikuchi | Styling:Hisataka Takezaki | Hair&Make-up:Masaki Takahashi | Model:MIRRROR | Text:Yuzo Takeishi | Edit:Atsushi Hasebe | Special Thanks:Spincoaster

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1st EPは自分たちにとっての”今”を表現しているんです(Takumi)

サンフランシスコ・ベイエリアで育った日系アメリカ人、TakumiとMeiのふたりによって、2018年、東京で結成されたMIRRROR。結成後、わずか数ヶ月で1stシングル”U By My Side”を発表し、続く2019年の2月には1st EP”what it was”をリリース。そして、7月には2ndシングル”FIFTY(like that)”の発表とともに『FUJI ROCK FESTIVAL ’19』への出演も果たすなど、この新鋭ヒップホップ・ユニットの勢いに、早くも注目度が高まっている。

— MIRRROR結成の経緯について教えてください。

Takumi:MIRRRORを結成する前は、Meiとは普通に友達として遊んでいるような関係だったんですよ。ただ、自分はそれまでもずっと音楽活動をしてきて「いつかはMeiといっしょに音楽をやりたい」っていう気持ちがあったんです。でも、なかなかそういう話にはならなくて……。

Mei:それは私も同じだった。言葉にはしなかったけど、たぶん気持ちは通じ合っていたと思う。「いっしょに音楽ができたらいいな」って。

(左)Takumi
AMERICAN RIDERS 101Z(LM5101-400)12,000円(Lee Japan TEL:0120-026-101)、SON OF THE CHEESEのストライプシャツ 19,000円(SON OF THE CHEESE_STORE TEL:03-5358-0983)、BALのボーダーカットソー 12,000円(BAL TEL:03-6452-3913)、EYEVAN 7285のサングラス 65,000円(EYEVAN 7285 TOKYO TEL:03-3409-7285)、その他本人私物
(右)Mei
AMERICAN RIDERS 101Z(LM5101-446)13,000円(Lee Japan TEL:0120-026-101)、BALのスウェット 13,000円、ロンT 10,000円(ともにBAL TEL:03-6452-3913)、ptarmiganのサンダル 14,500円(face co.ltd TEL:03-5738-1872)、Rototoのソックス 1,800円(carol TEL:03-5778-9596)

— ふたりともアメリカ出身ですか?

Mei:そう。歳も同じ。地元もほぼいっしょで、クルマで15分くらいの距離。でも、Takumiと知り合ったのは東京なんです。3年前くらいかな。共通の友達につないでもらって。知り合ってからは、音楽の趣味も同じだからいちばん仲の良い友達になったんです。その頃から「自分もいつかは音楽をやりたい」って考えていたから、Takumiと知り合えたのは本当にいいきっかけになりましたね。

— MIRRRORというユニット名にはどんな意味があるのですか?

Takumi:自分たちの友情をひと言で言うと”reflection(=反射)”なんです。お互いに何を考えているか分かるし、余計な詮索は必要ない。仮に自分が壁にぶつかったとしても、きっとMeiがいい方向に持っていってくれる。まさに、鏡に反射した自分みたいな存在。ユニット名はそこから付けたんです。

Mei:お互いのおかげで自分のことがもっと見えてきたりもするし。だから、今感じている感情とか経験も、数年後に振り返ったときにきっと、大事な時間だったって思えるんじゃないかな。

クリーンな印象のヒップホップスタイルには、オーバーサイズの『101Z』をチョイス。
ホワイトを基調にしたコーディネートに、インディゴブルーがよく映える。

— リリースされた楽曲はいずれも浮遊感のあるサウンドが印象的ですね。

Takumi:今の自分たちにはこれしかできないっていうのが正直なところなんですけど、でもそれが面白いとも思っている。今はこれしかできないけれど、このサウンドが今のベストだっていう感覚はありますね。

— 楽曲はどのように制作しているのですか?

Takumi:2018年の9月にいっしょにアメリカに帰ったとき「音楽をやろう」っていう話になったんです。でも、そのときは特に何もしなくて。制作に取り掛かったのは10月に日本に戻ってきてから。ほぼ毎週、ものすごいペースで作っていましたね。

Mei:Takumiが私の家に来てトラックメイクしたんです。まず、ふたりで「どういう音にしようか」って話し合って。歌詞の内容も、普段の生活とか日常で感じていることを入れていったり。でも、感覚的には遊びながらっていう感じでしたね。

Takumi:自分たちの最近の経験や思いを表現したものになっていると思う。ふたりの間で話した内容が歌詞になっているんですよ。同時に、これは自分たちにとっての”今”を表現していて、ふたりにとっての”ベース”みたいなものになってる。だからこれからどんどん上達してくと思うんです。

— EPの”what it was”は全体的に1曲ごとの時間が短いですね。

Takumi:この2分間は冬だったのに、次は夏……みたいな、時間が短くていろんな展開の曲が並んでいるのが好きなんです。それに、EPを早くリリースしようっていう意識もあったから、短い曲にしたところもありますね。

Mei:それに、最近では2〜3分くらいの曲が普通になってきてるし。昨年から今年にかけてアメリカでリリースされている曲って、1分から3分くらいの曲が結構多いんですよ。たぶん、流れ的に短い曲が好きになっているんだと思う。