Leeの『101』を通して考える、僕らのスタンダード – TWEEDEES –

by Atsushi Hasebe

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僕らは今、スタンダードを作っているつもりなんです(沖井)

通過してきた音楽カルチャーは全く異なるが、ふたりが組むことによって、TWEEDEESの奏でるポップスは懐古趣味でもなく、かといってトレンドを追ったものでもない、独自のサウンドに仕上がっている。清浦夏実というリスナーと同年代の感性を持ったボーカルを得たこと、そして”2018年に18歳の自分自身”に対して楽曲を制作するという新たなアプローチによって現在のTWEEDEESサウンドが築き上げられているのはもちろんだが、そのベースにはやはり、沖井がたどってきたさまざまなポップスからの影響が、隠し味のように効いている。

—TWEEDEESが考えるスタンダードな音楽とは、どのようなものですか?

沖井:これは最初の質問の答えでもあるのですが、僕は今、スタンダードを作っているつもりなんですよ。最初の質問で「いろんな時代のいろんな音楽が混ざっているように聞こえる」と話していましたが、僕はまさにそのつもりで作っているんです。僕……というか、TWEEDEESが欲張りな性格だからかもしれませんが、1曲のなかで自分たちの好きなものを全部聴きたいんですよ。それは、1950年代のMGMミュージカルだったり、モータウンだったり、場合によってはシカゴ・ハウスだったり……。しかも、1曲1曲それっぽいものを作るのではなく、それらがしっかりと混ざっていていていつまでも聴ける。そんな”賞味期限の長い音楽”を作れたら最高だなと思いますね。

清浦:共通する好きなものを沖井さんとも話すんですけど、それこそ1920年代のモボ・モガとか、今話していたようなMGMミュージカルって、今見てもやっぱり素敵。そんな、古びないものを作りたいのは私も同じ気持ちですね。

沖井:僕がザ・ビートルズを聴き始めたのは1980年くらいでしたが、それは解散して10年が経っていて、ジョン・レノンが亡くなった頃。ただそのとき、ザ・ビートルズはもうスタンダードになっていたんです。それに自分が音楽活動を始めた1990年頃に聴いていたザ・ストーン・ローゼズやプライマル・スクリームは今、ちゃんとスタンダードになっている。もちろん、そんな偉大な人たちと自分たちを比べようなんて思いませんが、そういった”栄養”を摂ってきた人間として、それをきちんと還元したいという気持ちで音楽をやっているつもり。それも流行を意識するのではなく、今の自分に正直に作ろうと考えていますね。

Lee『101Z』
アメリカを代表する老舗デニムブランド、Leeのアイコンであり、最もスタンダードなモデル。
史上初めてジップフライが採用されたモデルで、そのストレートなシルエットは100年近く愛され続けている。ホワイトのモデルも定番としてラインナップされており、大人の女性にも愛用者が多い。

—普段のファッションについて聞きたいのですが、デニムを穿くことは?

沖井:着るものを考えるとき、ボトムをデニムにしたときに合うかどうかをまず考える。デニムって、自分のファッションの基準とか土台になっていますね。

清浦:デニムさえあれば大丈夫っていう安心感はありますよね。特に女性の場合は、上にブラウスを合わせたら女性らしくなるし、Tシャツを合わせたらラフに着こなせる……みたいに幅があるのもいい。だから今日もLeeを穿いてきました(笑)。でも、デニムってそれくらい馴染みがあるものだと思いますね。

沖井:それにジーンズって、中学生くらいになって「オシャレになるんだ!」みたいな気持ちになる最初のアイテムだと思うんですよ。その当時から40年くらい経ってますが、いまだにその気持ちは変わらない。それに「ジーンズが似合わなくなったらオレは終わりだ」って思っているところも……。体型の変化とか、年齢によってジーンズの似合う穿き方、似合うシルエットって変わりますからね。ジーンズと付き合うと、今、自分がどの位置にいるのかが分かるような気がする(笑)。

清浦:指針になるんですね(笑)。

沖井:それは本当にあると思うな。オレのこの季節は終わったのか……と(笑)。

AMERICAN RIDERS 101Z(LM5101-318)のデニムパンツ 11,000円(Lee Japan TEL:03-5604-8948)、JOHN SMEDLEYのニットカーディガン 34,000円、ノースリーブニット 27,000円(Lea mills agency TEL:03-5784-1238)、FABIO RUSCONIのブーツ 32,000円(FABIO RUSCONI ROPPONGI TEL:03-3408-8682)

AMERICAN RIDERS 101Z(LM5101-500)のデニムパンツ 12,000円(Lee Japan TEL:03- 5604-8948)、PINEのジャケット 58,000円(alpha PR TEL:03- 5413-3546)、RAINMAKERのバンドカラーシャツ 34,800円(RAINMAKER TEL:075-708-2280)、BLOHMのシューズ 31,200円(STUDIO FABWORK TEL:03-6438-9575)、その他本人私物

—10月31日にはいよいよサードアルバム『DELICIOUS.』がリリースされますが、タイトルに込めた思いはありますか?

沖井:サードアルバムを作ろうとする段階で、今のTWEEDEESを表すひと言をふたりで話していたんです。そのときに彼女が『DELICIOUS.』って。

清浦:バンドとして3枚目は重要な立ち位置だと思うので「とびきりな1枚にしたい!」というところから始まりました。これまで作品を作って積み上げてきたものと、TWEEDEESが作ってきたイメージが少しずつ育っていると感じたので、それに似合うタイトルを付けたかったんです。『DELICIOUS.』ってちょっぴり上品で、興奮も感じられて、今の私たちらしいなって。

—ニューアルバムでは清浦さんのボーカルがさらに変幻自在になった印象も受けました。

清浦:たしかに、振り返ってみれば、最初の頃に比べるとどんどん色彩感が出てきたなって、私自身も感じますね。

沖井:特に1曲目の”DELICIOUS.”みたいな声って、これまで録ったことがなかったよね。

清浦:軽く酸欠になって(笑)。でも、そういう曲も今なら歌えるようになりましたし、やりたかったことが今ようやく形にできるようになりました。それは大きな成果だと思いますね。

沖井:彼女の歌が変幻自在になったこととか、全体の音像が今までとは違うことも、僕らが「こういうふうにしてやろう」って意識したのではなく、自然にそうなったところはありますね。ミニアルバムを含めて、これまで4枚制作してきて、たぶん僕ら自身もTWEEDEESに対して自由になってきているんだと思いますね。

TWEEDEES(トゥイーディーズ)
清浦夏実と沖井礼二によるポップ・グループ。2015年結成。同年発売された1stアルバム『The Sound Sounds.』は音楽専門誌でメディア年間ベストに選ばれるなど高評価を得た。翌2016年には、2ndアルバム『The Second Time Around』をリリース。2017年にはNHK Eテレ『おじゃる丸』のエンディングテーマを担当。その楽曲を収録したミニアルバム『à la mode』をリリース。高い音楽性に加え、ファッション性にも優れた等身大のキャラクターで臨むステージングにも定評がある。
http://www.tweedees.tokyo

DELICIOUS.

品番:COCP-40536
レーベル:日本コロムビア
価格:3,000円 + 税

2年振りにリリースされるフルアルバムは、さまざまな音楽を取り込みながら上質なポップスとして昇華されている。TWEEDEESの世界感が全曲にわたって感じられる快作。徳澤青弦、井上薫、やぎぬまかな、伶菜(POLLYANNA)、クロサワ(POLLYANNA)…と、才気溢れる注目の若手ミュージシャンが多数参加している点も聴きどころだ。11月には大阪、名古屋、福岡でライブが予定されているほか、全国のタワーレコード各店でアルバム発売記念イベントとしてミニLIVE&サイン会を開催。

http://columbia.jp/tweedees/

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TEL:0120-026-101
http://www.lee-japan.jp