— 楽曲制作のモチベーションという意味での原動力はどんな部分にあるのでしょう？

kZm：もちろん期限がある楽曲制作もあるんですけど、そのトラックに対しての自分が思うところってあるじゃないですか。それに添った出来事が身の回りで起きると、スイッチは入りやすいですかね。「このトラックにのせるリリックはこういう内容だろ」って思ってると不思議とそういうことが起こるんですよ。基本的に自分は嫌だったことをラップにのせて吐くスタイルで、すごく悪いことがあっても、それをみんなが楽しめる音楽に変えていくというか、そういうのが自分の音楽の作り方なんです。悪いことも作品に変えてしまえば浄化される気がしていて。

— 先ほどご自身で話していたように、『DIMENSION』は2018年のヒップホップシーンにおいて大きな存在感を示したと思うのですが、今改めて『DIMENSION』を振り返ってみていかがでしょうか？

kZm：ファーストアルバムってやっぱりすごく大事で。だから、自分の中では、これがある程度認知されないようであれば他の道をみつけようかなってくらいの気持ちで取り組んだんです。まぁでも、結果として『DIMENSION』を出してから普通に生活が変わったんで、全然文句なしって感じですね。

— 今年数多く見たkZmくんのライブの中でも『FUJI ROCK FESTIVAL ’18』のRED MARQUEEでのライブは印象的でした。

kZm：最初は5lackさんの客演としてステージに上がったんですけど、基本的にライブでは一切緊張しないし、大舞台であればあるほど楽しんでライブが出来るタイプなんですよ、俺って。けど、あの時だけは何故か超ナーバスになってて（笑）。音楽がかかった瞬間に全部吹っ飛びましたけどね。ChakiさんのDJ中にYENTOWNとしてライブをした時は最後に”Dream Chaser”をやったんですけど、あの景色は最高でした。普段自分達がやっていることがこういう舞台でも通用するんだなって思って、感動に近いものがありました。

— ライブが楽曲制作に影響を与えることはありますか？

kZm：いや、制作とライブはちょっとベクトルが違っていて。制作はアートで、ライブはバスケに似てる感覚ですかね、自分の中では（笑）。

— 少し話に出ましたが、”Dream Chaser”は『DIMENSION』の中でも多くの人たちに愛されている曲だと思います。フィーチャリングに迎えているBIMくんとは同い年なんですよね？

kZm：そうですね。変な意味では無く、BIMはもう全然普通に友達って感じです（笑）。たぶん音楽をやっていなくても仲良くなってたと思うし、めちゃくちゃ面白い奴ですよ。同世代のラッパーの中ではBIMが一番仲良しですが、真面目に音楽の話をするっていうよりは、ずっとくだらない話をしてる感じで。一緒にレコーディングをしても2人でずっとふざけてますね（笑）。けど、それがそのうち割と良い曲になったりとか。

— たしかに（笑）。結果的に良い曲が出来てますからね。将来の目標というか、「こうなりたい」みたいなことを考える機会ってありますか？

kZm：常々考えてはいるんですが、まずはもっと世界中の色々な人に自分の音楽を届けたいですね。あとはもっとお金も欲しいし、良い車も欲しいし、欲しいものだらけで困ってます（笑）。

— ラッパーのあるべき姿ですね。NIKEはkZmくんの中でどんなブランドですか？

kZm：これ、大袈裟でも何でも無く、本当のことなんですけど、ずっとバスケをやっていたこともあって、靴は本当にNIKE以外は履かなかったんですよ。だから、正直、『BATTLE FORCE』の話が来たときも完全に「そりゃ俺しかいないでしょ」って思いました（笑）。代々木公園のバスケットコートに大人にしてもらったようなもので、あの場所で色々な経験をしましたし、青春時代のほとんどをNIKEと過ごしたって言っても過言では無いと思うんですよね。

— kZmくんにとっては慣れ親しんだ存在という訳ですね。

kZm：そうですね、バスケの時はいつも『NIKE HYPERDUNK』のローカットを履いていて。『NIKE HYPERDUNK』は自分が日本で一番買ってるんじゃないか、ってくらいに買いました（笑）。

— 『NIKE AIR FORCE 1』に関してはどんな印象がありますか？

kZm：もちろん持ってますし、自分の中ではすごくスタンダードなモデルです。絶対汚したくない靴って感じ。ちょっとでも汚くなったら買い換えたいし、それが格好良いというか。常にフレッシュにしていたいスニーカーです。

— 今回のファッションシュートでは、『NIKE AIR FORCE 1 UTILITY』を着用してもらいました。

kZm：ベルトの感じが未来っぽくて格好良いですよね。個人的にも好きなモデルです。

— 洋服やスニーカーを選ぶ時の基準は？

kZm：自分に似合うものってことぐらいですかね。あまりこだわりは無くて、その時々で好きなものもコロコロ変わるので。