ただでさえイタイ職業なのに、それを20年やってるって、ヤバいこと(笑)
今年2月に20周年を迎え、記念シングルを配信したりアニバーサリーライブを開催したりと、その節目を感じさせる活動が見られたDragon Ash。全国ツアーも始まったばかりだが、20年目という気負いはない。
「ロックバンドを20年続けるって、365日バンドマンでいて、それを20年続けるってことじゃないですか。ただでさえイタイ職業なのに、それを20年やってるって、ヤバいことだとは思いますよ(笑)。ベンチャー企業が20年後も存在してる確率って0.3%らしいんですけど、バンドマンの方が絶対それより低いでしょ。だから、ロックバンドが20年同じバンドでいられるなんて、すげぇ変なことだしすげぇ誇りに思ってますけど、20年って振り返れるようなことでもないし」
上記セッション中も挙がっていた、昔と今の音楽の作り方の違いやテクノロジーの進化について。それらを踏まえて、Dragon Ashが20年前と変わらない部分と、20年かけて見えてきたもの、そしてこれからどう変わっていく予感がしているかを聞いてみたところ、Kjからは別の角度から答えが返ってきた。
「さっきルークが、50 Centの曲で、この音とこの音だけじゃビート感つかめないけど、この音が入るだけで音楽になっていくじゃんっていうのを解説してくれたじゃないですか。それ聞きながら思ってたんですけど、Dreはそんなこと一切考えてないと思うんですよ(笑)。単純に自分が気持ちいいところに導かれてるというか。音ひとつひとつを作っていくうちに、音に反応して閃いてるんですよね。最初から設計図描いてやってるわけじゃなくて、感覚的にやってる。そういうことだと思うんですよ、どっかがグッとくればいいんですよ。服とかアートとかも一緒で、ジャンルや方法論なんてそれぞれの趣味嗜好でしかなくて、絶対的なものじゃないから。何がイイとか誰が正しいとか、そういうことじゃない。だからこそ70歳、80歳になっても現役の人がいるくらい、奥が深いもの。シンプルに音楽が大好きで、心や体を揺さぶれるもの、人に響くものを作りたい。その思いだけがずっと変わらないですね。逆にそれ以外は、全部変わってるんじゃないかな」
自身も、元はレコードを3枚リリースしたバンドマンであり、Geffen RecordsやInterscope Recordsなどを経て、今やBeats by Dr. Dreのプレジデントとなったルークも、立場は違えど変わらず貫くものがある。
「マネージメントだろうが裏方だろうが、アーティストをサポートする人もそれぞれが天職として働いていて、だからこそアーティストも引き立つんだ。作品を発表できるプラットフォームを周りが作ってくれるからこそ、アートが生きてくる。僕も、そういった環境を作るという立場にすごく満足しているよ」
生身の人間が奏でるものと、テクノロジーを使ってできるものは違う。一方で、テクノロジーに支えられてこそ生まれる楽曲もあるし、それこそヘッドフォンなどのガジェットやプラットフォームサービスだって、テクノロジーがあってこそ。
どちらかだけが正しいとか、ましてや優れているとかじゃない。これは、多様性のお話。“アートとしての音楽”と“エンターテインメントとしての音楽”の関係性とも似ているかもしれない。
それらのバランスだったり、ときには融合だったり、そんな紆余曲折の試行錯誤や実験の先に、また新しい音楽の未来が開けていくのだろう。
■Dragon Ash オフィシャルウェブサイト
https://www.dragonash.co.jp/
■Dragon Ash New Album 『MAJESTIC』
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■Beats by Dr. Dre
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■「Beats of the Week」 Playlist
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