どういうジャンルか分からないようにしたい
— 本庄さんのルーツについてお伺いしたいのですが、ファッションに興味を持たれたのは、いつぐらいからなんでしょうか?
本庄:高校生の時ぐらいですかね。アルバイトして自由にお金が使えるようになって、買い物しはじめたのが大きいと思います。
— その頃はどんなファッションだったんですか?
本庄:なんだったっけな… ん〜
78年生まれなんで、高校のときにエアマックス95とか、(リーバイス)501ブームとかがあって。
比較的トレンドそのまんまな感じだったんですけど、だんだん古着に行きはじめてからはだいぶ変わりましたね。
— 古着に興味を持ったきっかけというのは?
本庄:前から古着を見てはいたんですけど、だんだん気がついたら古着屋にいる時間が長くなっていて。とくにこれといったタイミングはなかったんですけど。
— なるほど。それで大学を卒業してから、師匠であるスタイリスト本間良二さんのアシスタントになられると。
本庄:そうですね。
— なぜ本間さんの下に付こうと思ったんですか?
本庄:メンノン(Men’s non-no)でやっていたページがすごく印象に残っていて。なんかスパッツでボーダーのカットソーを着て、ハンモックで寝てる、みたいな。その当時のメンノンにはそんなの全然なかったから。あ、こういうのもアリなんだって。その新しい道っていうのが気になって。そんなのとタイミング的にもうまく繋がることができて、っていう感じです。
— アシスタントは何年くらい経験されました?
本庄:2年くらいですかね。
— そのころの本間さんはどんな仕事が多かったんですか?
本庄:雑誌と、あとは2-tacsを本格的に始めるぞ、っていうタイミングでしたね。撮影はそれほど多くはなくて、あとはひたすら2-tacsを作ってました。ミシンをガタガタやって。
— ミスターハリウッドのお店に置き始めた頃ですかね?
本庄:そうですね。それからだんだん古着のリメイクだけではなく新品も作るようになって、営業の電話とかもしてましたよ。あとTシャツ作ったり、ひたすらネクタイ繋げたり。撮影してるよりそっちの方が長かったですね。
— ところで、最近服はあんまり買われていないんですか?
本庄:ちょいちょいは買ってますよ。
— どの辺をですか? 古着とか?
本庄:最近、古着はそんなに買ってないですかね。展示会でつけてるのはサスクワァッチ(ファブリックス)か、ネペンテス関係のモノか。
あとはエルレセロをやってるところのはおもしろくて、アルゼンチンから持って来てるアイテムなんかは、よく買ってます。
— サスクワァッチが気になってる理由みたいなモノはあるんですか?
本庄:単純におもしろいですよね。まぁ言ってるわりには買ってないんですけど…
(一同笑)
— 他に春夏のコレクションで気になったところはありますか?
本庄:ソーイ(soe)のコレクションはおもしろかったですね。あとはアンダーカバー(UNDERCOVER)のドールメイキングを見て来たんですけど、あれは良かったなぁ。
それと、フランク リーダー(Frank Leder)のあの雰囲気はずっと好きですね。あの抜けた感じというか、頑張り過ぎてないけどちゃんとカッコいい服を作ってる感じとか。
— なるほど。ところで、最近仕事でのスタイリングになにか変化はありますか?
本庄:なんですかね…。言葉で言うのは難しいんですけど、基本的にはすごく中途半端な感じにしたい。あんまりどういうジャンルか分からないようにしたい、っていうのはあるかもしれないですね。「いかにも!」じゃない感じにしたいです。
— 本庄さんらしいですね。あとは今後の展望を聞かせていただけますか? やっぱり雑誌での活動がメインになりますか?
本庄:やっぱり紙媒体は好きですけど、空間とかもやってみたいですね。
— お店作りとか?
本庄:まぁ、お店になるのかな…。服屋プラスアルファ、まさに鍋が置いてあったりとか。雰囲気で言うならジャンティークスみたいなのが理想かなと。
— もし実現したらお店に自ら立たれます?
本庄:揃えるだけでイイかなぁ…。でもいたりいなかったりはしそうですね。ずっとはいないと思いますけど。
— そんなお店ができたら賑わいそうですね。これを読んでる方も、結構期待してると思うので、そんな日が来るのを楽しみにしてます。
今日はありがとうございました。
つかみどころを今イチ見つけられないままのインタビューだったのですが、まとめてみると意外や意外、結構軸のある内容になっていました(笑)
飄々と話をしていましたが、好きな物がはっきりしていて、スタイリスト、表現者としてやりたいことのビジョンも明確。ビジュアル面はもちろんなんでしょうが、人気の理由も再確認できました。
今後のさらなる活躍にも期待しています。