カバン姫 前篇
「では、1人目の方、どうぞ~」
「カバン姫さん、こんにちは。私、FREEと申します。見た目は小さいですが、名前通り、私と結婚するとフリーダムな生活を満喫出来ますよ!」
「今でも十分自由だから、それはあまり魅力的じゃないかな。君は他に何が出来るの?」
「カバン姫さんはマリンスポーツってお好きですか? 僕の体はスキューバダイビングやサーフィンなどのマリンスポーツ用に開発されたクロロプレンスポンジゴムという素材で出来ているので、ものすごく伸びますし、耐久性もあるんです。もちろん防水性もあるので、雨の日もへっちゃらですよ! 一緒にアウトドアやランニングを楽しみませんか?」
「うーん、アウトドアねぇ………。まぁ、とりあえず試させてもらうね。」
「どうかな? じいや、ばあや。」
「うーむ、たしかに身体にはぴったりフィットしているが、そもそも大事な娘が外に遊びに行って、怪我をしては大変じゃ!」
「だよね、たぶん私あんまりアウトドアには向いてないからな………。」
「………………………。」