もともと音楽はライブの方が先にあった。ライブの方が自然な場所(オオヤ)
— 今回の『JACK DANIEL’S Experience 2017 Japan』は全国にお酒と音楽を届けるイベント。デジタルでいつでもどこでもつながれる今の時代だからこそ、あえて旅をしてリアルに出会うことに意味があるということもコンセプトなのですが、ミュージシャンにとってもリアルといえばライブ。今音楽はいろんな手段で聴けるようになりましたけど、ミュージシャンにとってライブって、どういうものでしょう?
Michael:ライブは音源と違うことをやりたいっていつも意識していていますね。いつもCDどおりで同じだとつまらないので。ジャムっぽい感じだったり、ソロを長くしたり、アレンジしたり、ライブでしかできない演奏ができるのがライブの良さだと思います。
オオヤ:もともとは音楽ってライブの方が先にあって、その積み重ねで録音したりパッケージができてるわけだから、ライブの方が自然な場所だって思います。それでもやっぱりCDとかたくさんリリースしてきてるんで、CDの曲をしっかりやんなきゃなって思ってる時期があったんですけど、最近はタガが外れました。それこそ曲もコード進行も歌詞もその場で変えちゃっていいと思うように。歌がある音楽でも即興で変えたりして。そういうことができるのがライブの良さかなと。
— ライブのやり方が変わってきたわけですね。そうなった何かきっかけがあったんですか?
オオヤ:バンドの時と違って、ソロでやると海の家でもバーでもどこでもできるじゃないですか。それが面白いなーって思って。ジャンルも最近こだわらなくなってきていて、それこそ全然ジャンルの違うテクノのDJの人とやったり。ライブの面白さってそういうものなのかなって。ベルリンに移住したのが大きかったですね。とにかくいろんな人がいたんで。最初は英語でライブしなきゃとか思ってたんですけど、英語でやったら全然受けなかった。で、よくよく他の人のライブを見ると、みんな自分の言葉でやってたんです。決してその言葉を理解できるわけじゃないんだけど、お客さんには伝わってる。それである時バルセロナで全曲日本語でライブしたんです。そしたら、スゴい良かったよって言ってもらえて。曲の伝わり方って必ずしも歌詞の意味だけじゃなくて、なんかニュアンスとか。自分は日本語のニュアンスとともに演奏してんだなって思いました。そういうことを感じてから自由にやるようになりましたね。
Michael:今日のイベントも凄くいい試みですよね。雰囲気も良かったですし、新宿の駅前で無料で見られるライブっていうのも。毎週、やって欲しいですね(笑)。海外だと、いろんなところでライブできて、ライブが見られるところが多いんですよ。レストランだとかカフェだとか。ライブハウスのように音楽を聴くために行く場所じゃないところで出来るのっていいじゃないですか。たまたま新しい音楽に出会えたりするって。日本でもそういう店、増えては来ましたが、まだまだ少ないですから。ミュージシャンにとってもそういう場がもっと欲しい。
— 最後にお知らせしておききたいことはありますか?
オオヤ:ライブといえば、6月にPolarisでライブツアーをやります。対バンで、WONKやbonobosをゲストに招いててジャムもやろうと思ってます。
Michael:これまでずっとライブばかりしていたんですが、初めてのアルバムが年内にリリースする予定です。ミニアルバムのEPになりますが、初めてのリリースなので楽しみです。