— HIYADAMくんはまだ音源をフィジカルリリースしていませんが、曲作りはどのくらいのペースで行っているんですか?
HIYADAM:思いつきで作るタイプなので、ペースは全然一定じゃないですね。ただ、思いついてからは早い。「あ、今だ」って思ったら曲作りをはじめて、早い時は2、3週間でレコーディングまで終わらせます。
— ライブはどれくらいの頻度で?
HIYADAM:今は月に2回ぐらいですかね。あまり沢山やってライブを安売りしたくないし、インディペンデントに活動している分、出るイベントは極力選んでいきたいなと。
— フィジカルリリースの予定は?
HIYADAM:なんとなくなんですけど、今じゃ無くて良いかなって思うんですよね。今制作しているのはミニアルバムなんですけど、フルアルバムとして出すなら、なんかスゴいことをしたいなって思いが、ずっとあって。今はその素材を揃えるための時間だと思っているんです。なので、多分フルアルバムが出るのは3年後ぐらいになるんじゃないですかね……(笑)。まぁ、先ほどもお話したように思いつきで行動するタイプなので、急にリリースするかもしれないですけど。
— なるほど、なんとなくHIYADAMくんの事が分かってきました。
HIYADAM:ヒップホップってジャンルが無い音楽だと思うんですよ。サンプリングだってヒップホップじゃない音を持ってくることの方が多いじゃないですか。でも、日本だと「ラッパーはこうあるべき」みたいなムードがあって、それがすごく嫌なんですよね。だから、自分の事を自分でラッパーっていうのも嫌だし、決めつけられたくもない。そういう気持ちは自分の中にあるかもしれませんね。「色々な事やってるね」って言われた方が嬉しい。
— 『高校生ラップ選手権』に優勝したことで世に出て来たHIYADAMくんは、今のフリースタイルブームをどんな風に見ていますか?
HIYADAM:おっしゃった通り、僕は『高校生ラップ選手権』がキッカケで今ここにいるんですが、僕のバトルの動画って合計するとYouTubeで100万から200万回ぐらいは再生されているんですよ。そう考えると、そのうち1万人ぐらいは僕のCDを買ってくれても良いと思うんですけど、それが無いってことは結局みんなバトルにしか興味が無いってことなんじゃないですかね。バトルが音楽としてのヒップホップを聴くことに繋がっていない現状は、少し残念に思います。本来は同じものなのに、完全に別になっちゃってるんですよね。コンテンツとして、フリースタイルは面白すぎるのかもしれません。音楽としてのヒップホップには、好みのビートやスタイルがあるけど、フリースタイルは単純だし、誰が観ても分かりやすい。でも、少なからずフリースタイルから入って、自分の曲を聴いてくれる人もいると思うので、ブームにならないよりはなった方が全然嬉しいことですけどね。ただ、今はフリースタイルのバトルに出る為に練習するくらいなら、その時間を曲作りにあてたいなと思っています。