『Paint It Black?』土井地博(ビームス プレス・プランニングディレクター)

by Mastered編集部

3 / 4
ページ

土井地さんTOP画像

北欧の魅力

名機GR Digital2

名機GR Digital2

— 今日持ってきていただいたモノ以外でも、何か黒のアイテムを使われてますか?

土井地:カメラですね。リコー(Ricoh)のGR Digital2に21mmのワイドコンバージョンレンズを付けています。
そうするともうコンパクトカメラのシルエットではなくなって、サイドからこうグッとレンズが出るんですよね。それに惹かれて。
他にも、自然と集まって来てる気はしますが、とっさには思い出せないなぁ…

— では、他に狙っている黒いアイテムはありますか?

土井地:名刺入れとかですかね。あとは黒いガムシューを探してます。ウェイストトワイス(Waste(twice))で白と黒のをやってるんですけど、それは欲しいですね。
まぁでも黒なんて言うときりがないんですけどね。アレもイイ、コレもイイって。

— 確かにそうですね。
そういえば、まだ出張から戻って間もないとのことでしたが、どこに行っていたんですか?

土井地:ヘルシンキです。スント(Suunto)っていう時計メーカーが今すごく盛り返してきていて。その件で、色々打ち合わせをしに行ってきました。
スントは物作りをすべて自社でやってるんですよ。中国とかに外注せずに。
コンパスなんかは、日本の自衛隊も使ってるらしいんですよね。
実際見てきて物作りのクオリティの凄さを感じましたし、考え方なんかも全然ブレてないんです。

— それは惹かれちゃいますね。

土井地:前述したアークテリクスチームは、やっぱりみんなスントを付けてて。
しかも僕らってミリタリー物に弱いじゃないですか? アークもスントも、カナダ軍やアメリカ軍にも供給してて、その北米の軍用モデルっていうのを日本に入れるんですよ。
すごくスタイリッシュで、ミルスペックのモデルです。

あとアルテック(Artek)のショップにB印 YOSHIDAの商品を置いてもらう事になったんで、それの打ち合わせをしたりしてきたんですけど、本当に街並みのひとつひとつが自然にデザインされてて、とても興味深かったです。土地柄、白夜みたいに日が沈まない時期もあれば、冬場は1日中日が昇らなかったりするんですよ。そういう時のためにちょっとでも多くの太陽光を入れようとしてるんですけど、その窓だったりのデザインがいちいち素敵で。

— ちなみに、フィンランドに行ったのは初めてですか?

土井地:初めてです。「かもめ食堂」の影響で日本人観光客も結構多かったですけど。とにかく感動的でした。
元々ロシア領なんで、ロシア正教の流れがあって、教会の形もいままで見てきた国の物と全然違うんです。
あと、北欧なんで閉鎖的な雰囲気もありつつ、スウェーデンが侵略してきた歴史もあって、いろいろミックスされてるんです。ラップランドの人はエスキモーな感じの独特の顔立ちですし、バルト三国が近い方では東欧系の顔立ちをしてて、「同じ国でもこれだけ違うのか」と、すごく面白かったです。
あんまり知られてないんですけど、日本から1番近いヨーロッパってフィンランドなんですよ。

歴史マニアぶりの片鱗を披露する土井地氏

歴史マニアぶりの片鱗を披露する土井地氏

— そう言えば、最近いろいろな国々に行ってますよね。

土井地:行ってますね。仕事柄、メンズのPRだけしていればいい、という立場ではないという事もありますけど。
でも、やっぱり行ってもいないのに『アメリカってイイよね』っていうのは説得力がないのではないかと。

— 確かに。そこを語るには、まず経験しないとってことですね。
ちなみにそれは、会社として「いろいろ見てきなさい」という感じになってるんですか?
他所では経費削減の話を聞く事が多いですが…。

土井地:その辺には理解力があるんですよね。だから、イイ会社だと思いますよ。
若い子にもちゃんと見せてあげないといけないですし。だから、きちんとレポート書くことができれば行けるチャンスはあります。
もちろん、責任を持って結果を出す事は求められますけどね。広くキャッチして何かしら残してきてほしい、と。

— 興味深いですね。そこで得る知識やネットワークをフィードバックさせなさいってことですね。
でも、正直色々な国に行けて経験をできるというのは、スゴく羨ましいです。

土井地:そうですよね。
そんなこともあって、実は出張ネタに絡めて今回のテーマも旅グッズとかにしようかな、とも思ったんです。
でも、ちょっとありきたりかな〜と思って変えてみました(笑)

— その旅グッズの方もおもしろそうなら、またすぐにでも取材させていただきます(笑)
おもしろいネタなら、いつでも何度でもウェルカムですから。僕たちの場合は。
ひとまず今日は、この辺で終わりますけど…では、ありがとうございました。

というわけで終えたのですが… 実はこの取材の後も、身のある雑談が延々と続いておりました。
<その片鱗はフィンランドについて語る辺りにも感じられますが(笑)>
ビームス社内のことや、他の会社で起こっていた出来事、共通の友人が見せた面白い経験値の高さ…。
それと、土井地氏渾身の『裏の歴史話』などなど。
これはまた、近いうちにあらためて取材に行かないとダメですね。

土井地さんが紹介してくれたモノ一覧を見る