『アメカジ・アイビー復権の先に』片庭秀幸(ネペンテス バイヤー・プレス)

by Mastered編集部

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インプットとアウトプット

— 結構ウェスタンっていうのはパンチが効いてますから、他の着こなしを崩すじゃないですが、全体の雰囲気をそっち側に流してしまいがちだと思うんですよ。
だからウェスタンは、なかなか取り入れづらいと思うんですが?

オールドナバホスタイルの<br>ベルトとバングル<br>(ともに片庭氏私物)

オールドナバホスタイルの
ベルトとバングル
(ともに片庭氏私物)

片庭:結構クセがありますからね。まぁラルフ・ローレン(Ralph Lauren)なんかはまるっきりやっちゃったり、一点取り入れたりしてまして。いろいろ加減を自分なりにしてるんでしょうけど。
レディースはスカート、パンツ、ショーツなどアイテムのバリエーションが多いので難しいと思いますが、メンズだともっと簡単に…まぁ簡単にと言うか、例えば同系色で揃えたり、(コスプレ)ぽくない見せ方はいろいろあると思いますね。
その感じで、このオールドナバホスタイルのアクセサリーとかも取り入れてますかね。このバングルなんかは空きが多くて、他のスタイルとは違う。『ギャラップ』っていうテキサスの街のショップで冬に買ったんですが、これなんかはベルトとともにスーツに取り入れたりする感じが最近多いですかね。夏なんかは3ピースに合わせて着けてましたね。

— それは、エンジニアドガーメンツ(Engineered Garments)などのカジュアルめなスーツに、ということですよね?
フォーマルなスーツに合わせるのではなくて。

片庭:カジュアルめなスーツがほとんどですけど、カッチリめのスーツにでも着けますよ。そういうときはベルトを黒のレザーに変えますが。
そうやって一点取り入れると、『アレ? 違うな』と思われるでしょうし。なかなかスーツだと差が付きにくいですから。

— そうですよね。でも、そのミックスは興味深いですね。

片庭:かと言って、あんまりやり過ぎるとカッコ悪いし。その辺はラルフ・ローレンとか、日本人でいうと重松さん(編集部注:ユナイテッドアローズ会長 重松理氏)とかを参考に。スーツにクロムハーツを着けるという重松さんのスタイルには刺激というか、大きな影響を受けましたね。

— 僕もかなり影響を受けて、ちょっと真似しちゃいました。

片庭:あぁいうのを自分なりに、って考えるとこういう感じになるのかなぁ、と。

あとは、もう普通にデニムのウェスタンシャツです。ユーズドなんかでサイズが合ったときに買ってまして。それでいつも丈を詰めちゃいます。実際はもう少し長い。

— 着丈が結構短めになってますもんね。

片庭:タックアウト用ですね。一番下のボタンをペンチで外したりしてて、普通は(跡を)埋めたりするんですが、これはこれでイイかなと。裾はロック縫いにして、それが自然とほつれてくる感じも面白いですし。ちょっと一時期あったような「デニムを育てる」感覚に近いんですかね。あんまり色落ちを気にしてデニムを穿いたりしないので、そういう感覚がこっちに来てますね。
で、こちらがディーシー(Dee Cee)で、もう一枚がラングラー(Wrangler)なんですが、この辺は一年中着てますね。夏でもTシャツの上から羽織ったり、冬は下にサーマルを重ねて着たり、それこそテーラードジャケットにも合わせますし。

— わりと年中探してるものですか? つねに頭の隅にとどめておいて、古着屋とかで出会ってサイズが合ったり雰囲気が良かったら買う、的な。日々増えていますか?

片庭:そうですね。でも、なかなか無いんですけどね。
そして同様な感じで、ネルシャツでウェスタン。これはもうスナップボタンで着やすいですからね。カーディガン変わりじゃないですけど、飛行機に乗ることが多いから機内で使ったりして。通年で着てますね。
古着屋さんじゃなくても、どこかで見たら買ってます。もうクセですかね。

— 選ぶ基準とかはあるんですか? 色とかチェックの柄とか

片庭:あのー、じつはあんまり基準はなくて。ちょっと体が小さいので、スゴい良くてもサイズが大きかったら買わないですし。サイジングが一番重要ですね。

— でも、例えば古着屋とかの場合ってラックに何百着とあるじゃないですか。その中からまずピックアップするのは、どういう感じのシャツなんですか?

片庭:ネルなんかは、ある程度パターンが決まってますから。ネイビー系だとこのパターンだとか。そういうのを見てると『これは持ってるな』って、だから違う感じを探してみたり。でも、基本的にはあまり何も考えてないですかね。

— 気のおもむくままに、ですか?

片庭:そうですね。

— ちなみに国内でも買ったりしてるんですか?

片庭:いや、ほとんど海外ですね。でも国内でも古着屋さんは廻ります。

— どの辺に行ってるんですか?

片庭:サンタモニカ、オキドキ、あとはヴォイスあたりですか。と言ってもシーズンに1〜2回ぐらいですが。

— そうですよね、お忙しいですもんね。最近は高円寺に足を伸ばしたりっていうのはありますか? どちらかというと近場を通ったついでにのぞく程度ですか?

片庭:ホントは行きたいですけど、なかなか行けないですね。行くと買っちゃうし、店員さんに気を使いますし(笑)。札幌とかでも古着屋さんに行くと「出張ですか?」って言われて、言われたら買わないわけにはいかなくて。

(一同笑)

片庭:まぁ、でも何かは買っちゃいます。

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