ブリットポップに愛された[FRED PERRY]
2015年春夏 “Britsports” コレクション

by Mastered編集部

UKミュージックシーンとそのスタイルを振り返る時、外して語ることのできないブランドがある。モッズ、スカ、パンク、そして90年代のブリットポップと呼ばれるシーンにおいても、ミュージシャンたちに寵愛を受けてきた希有なブランド[FRED PERRY(フレッドペリー)]は、UKカルチャーの核とも言える。

今月号の本誌『EYESCREAM』、そしてEYESCREAM.JPでは、[FRED PERRY]とミュージシャンたちの蜜月を紐解き、ブリットポップをテーマにした今シーズンのコレクションにフォーカスする。

1990 / Photograph by Jamie Reid © Photoshot/amanaimages

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ミュージックカルチャーとともにあった[FRED PERRY]

Paul Weller of The Jam 1982 Brighton, Last Concert © Newscom / アフロ

Paul Weller of The Jam
1982 Brighton, Last Concert © Newscom / アフロ

EYESCREAM本誌 3月2日発売(4月号)『ロンドン最前線』では、[FRED PERRY]を20ページのボリュームでフィーチャーしている。ローレル(月桂樹)のマークを胸元にあしらったポロシャツであまりにも知られているが、その出自は英国テニス選手の英雄、フレデリック・ジョン・ペリーが生んだスポーツ・ファッションブランド。しかし、1952年にブランドが誕生して以降、[FRED PERRY]はスポーツウェアというよりも、どちらかと言えば“ストリートウェア”として英国で愛されてきた。

その拡散の役割を果たしたのが、60年代〜80年代にかけてイギリスで起こったモッズ、スカ、パンクといった、音楽とファッションスタイルがミックスしたカルチャーだ。The JamのPaul Weller、映画『さらば青春の光』(1979)などに代表されるように、英国のユースカルチャーが生み、世界中に配信された映像や写真の多くには、その胸元に[FRED PERRY]のローレルマークが輝いていた。そうして[FRED PERRY]は英国のユースカルチャーのアイコン的存在として、英国内、そして世界中の若者に自然に刷り込まれてきた歴史がある。

90年代、ブリットポップとともに再燃した[FRED PERRY]

Damon Albarn of Blur 1995 Paris / Photograph by Fabrice DEMESSENCE  © DALLE APRF / amanaimages

Damon Albarn of Blur
1995 Paris / Photograph by Fabrice DEMESSENCE © DALLE APRF / amanaimages

ミュージックシーンとストリートからの寵愛を受けたこのブランドは、90年代に再び脚光を浴びる。60年代のブリティッシュロックのスタイルを参照して生まれた“ブリットポップ”と呼ばれるシーンの中で、中心を担った存在のミュージシャンたちが、再び[FRED PERRY]を好んで着用するようになったからだ。派手なステージ衣装で着飾って登場するような、彼らの少し前の世代のロックミュージックのスタイルを拒み、あくまで普段の服装でステージに登場した彼らのスタイルは、その音楽とともにあっという間に拡散していった。Oasis、Blurの対立構造は音楽ファンならずともご存知のところだが、その彼らがともに[FRED PERRY]のウェアに袖を通していたことは、いかにこのブランドが彼らにとって“当たり前”の存在だったかを物語っている。

Liam Gallagher of Oasis 1995 © DALLE APRF / amanaimages

Liam Gallagher of Oasis
1995 © DALLE APRF / amanaimages

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