FOR SUCCESSFUL LIVING by Licaxxx

by Keita Miki

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— 先ほど話してもらったようなDJをはじめるきっかけになった2000年代前半のエレクトロと、今のLicaxxxさんがDJでプレイする音楽には結構ギャップがありますよね。その辺りの音楽的なターニングポイントはいつ頃になりますか?

Licaxxx:音楽的な趣向の変化という意味では、大学2年生の頃ですかね。大学の授業で、プログラミングとしての音楽を取り扱う授業を受講していたんですが、そのタイミングで”人前に出て音楽を流すこと”以上のDJの楽しみ方が自分の中に生まれて。それからは、現場でやる実験的なことが毎回楽しみになり、いつの間にか終わりが見えないほどのめり込んでしまいました(笑)。その時に「もっと色々試してみたい」、「もっと鍛錬を重ねたい」って気持ちが生まれたからこそ、今でもDJを続けることが出来ているのかなと思います。

— ちょっとオタク気質なところというか、Licaxxxさんの性分とダンスミュージックの奥深さが上手くマッチしたのかもしれませんね。

Licaxxx:それは大いにあります(笑)。

— 2000年代は所謂”キラキラハウス”とか、某女性DJのミックスがバカ売れしたこともあり、女性DJに対するちょっと間違ったイメージが蔓延したような時代でもあると個人的には思うので、Licaxxxさんがオタク気質でいてくれて良かったなと(笑)。

Licaxxx:DJを知る前から周りの女の子が聴いている流行の音楽を聴く習慣も無かったですしね。たしかに”女性DJ”なんて言葉が使われていた時代の同世代のDJに女性は少ないと思うし、DJっていう職業に対してそういうイメージを持っていない下の世代の子達のほうがフラットに接してくれているようにも思います。

— そもそも日本のテクノ、ハウスは現場の雰囲気も含めて、今でもまだ男性が多いイメージがあります。

Licaxxx:日本はすごく顕著ですよね。女性の夜遊びに対するイメージが悪く、女性が深夜にクラブに遊びに行くっていう習慣が元々ほとんど無いですし。でも、我々が遊んでいるような現場は至って真面目というか……。クラブに行ったことない世間の人たちが考えるクラブのイメージとは随分違うんですけどね。アンダーグラウンドなもののハードルを下げる気はないですが、そういう勘違いのイメージみたいなのは取り払いたいです。

— 今のLicaxxxさんが、DJを続けていくモチベーションはどんな部分にあるのでしょう?

Licaxxx:現場でのDJが楽しいっていうのが一番ですかね。日本には全国に色々なクラブがあって、海外のアーティストも日々続々と来日するので、遊んでても、プレイしていても、超楽しいですよ。来日したDJと仲良くなって、今度は自分がその人の国に呼んでもらってDJをしたりして。そういう国際的な交流があるのは、DJならではですよね。

— 実際に海外のクラブでプレイしたり、遊んでみて、何か日本のクラブとの違いはありましたか?

Licaxxx:国にもよるんですが、基本的には日本よりも圧倒的にダンスミュージックに対する母数が大きいですよね。日本だとほとんど誰も知らないような音楽でも、それを好きな人が沢山いて、きちんとしたシーンがある。そういう部分はすごく良いなと思います。どこの国に行っても自分達と同じようなスタンス、趣味趣向の人達が必ずいるというのは大きな発見でした。

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