長谷部:APHEX TWIN、どうだった?
三木:凄すぎて、死にました(笑)。ライブ中、3回は死にました。もう最後の30分なんてヤケクソというか、爆発か空襲でもあったのかな? みたいな音量で。いや、本当に凄いライブでしたよ。
長谷部:ほんとだよね。もしかしたらこれまで生涯、見てきた全てのライブの中でナンバーワンかもしれない。これまでのフジで見てきた中でも一番衝撃的な体験だった。BPMが速くなって音がサディスティックになればなるほど雨も強くなって、音が静かになってきたら雨も止んできてさ、雨と音が完全にリンクしてた。たぶんRicherd Jamesの卓には「雨」っていうボタンが付いてて、雨の強さも操れたんじゃないかな(笑)。
羽賀:うわー、いいな。どういうライブだったんですか? 昔の名曲やったりしました?
三木:他人の曲ばっかりじゃないかな。
長谷部:もうほんと何やってんのか全然分からないんだけどさ、とにかくすごいんだよ(笑)!
三木:見るドラッグみたいなもん(笑)。
長谷部:観客の映像に別の映像を重ねて映したり、林に向かってライトをあてて、その光と音をリンクさせたりしてね。
三木:前にサマソニでやった時は評判良く無かったんですけどね。前衛的過ぎて、全員ポカーンみたいな。それを踏まえると、今回はきちんと会場のお客さんをロックしていましたよね。
長谷部:最後の20分くらいはずっと壮大なエンディングになってて。
羽賀:そんなにすごかったんですね! 見たかった……。今年のフジロックでの一番の後悔です。
三木:とりあえず、APHEX TWINが小屋から出てきてよかったよ(笑)。
長谷部:今年はAPHEX TWINの年だったね。次の日に、APHEX TWINのライティングをやってた人に会ったんだけど、その人の話によると、海外のフェスでやったときとは結構セットリストも変えてたっぽいよ。その場でどんどん変えるから、合わせるのが大変だったって言ってた。でも、実際見てても、Richard James本人がステージのどこにいるのかなんて分からなかったけどね。
三木:そうそう、全然分からなくて。本人の映像も出てこないし。そして案の定、限定販売のカセットテープも買えず(笑)。でも、グリーンらしいライブでしたよね。
長谷部:グリーンであんなに良い音出せるんだなって驚いたね。後ろの林からの反響音が凄くてさ。林にもスピーカー仕込んでるのかと思ったよ。
三木:雨もすごくて、否応なくアゲさせられましたね。
長谷部:「お前ら立て!」って怒られてる感じの音量(笑)。終わり方もかっこよかったよね。
三木:ロングセットの意味があるライブでしたね。1時間半とかそんなもんだと思うけど、それをずっと聞いている甲斐があったというか。あのロングセットが今の若い子たちにどう映るのかは気になるけど、終始外国人はテンションMAXでしたね(笑)。片手にウイスキー、片手にテキーラの瓶を持って、狂ったように踊りまくる外国人のお客さんが印象的でした。