対談:S-WORD × DJ SOULJAH × SALU
~「日本語ラップ」のその先へ。~

by Mastered編集部

5 / 5
ページ
KOHHのアルバム『梔子』

KOHHのアルバム『梔子』

今の子たちには情緒がある。SALUもKOHHも。もう、言うならば吟遊詩人の域に到達しちゃってるんだよね。(S-WORD)

— SOULJAHさんは最近どんな音楽を聴いてるんですか?

DJ SOULJAH:邦楽だと最近はONE OK ROCK。すごい好きなんですよね。

S-WORD:へー! でも洋楽で耳が肥えてる人間にもあれは全然入って来るよね。あの辺は俺の中で「NYLON世代」って勝手に言ってるんだけどさ(笑)、要は逆輸入世代。英語の発音もネイティブに近いし、音圧も勢いもUSロックに近い。でも日本人だからUKもかじってたりして、バランスが良いんだよ。日本語ラップで言うと、AKLOが体現してるバランスに近いのかもしれない。

DJ SOULJAH:KOHHに教えてもらったんですけど、最初は森進一の息子とかそういうインフォメーションを一切知らなくて。でもどこかてPVを見かけて、その時から良いなとは思ってたんですよね。SALUは最近何聴いてるの?

SALU:僕は最近新譜を全然聴いてなくて。90年代後半の歌とか、ちょっと前までは山下達郎さんとか山口百恵さんとか、80年代の曲の詩を勉強してましたね。

S-WORD:やっぱ詩なんだね。

SALU:音だったらすごく言葉を少なくして、めっちゃ間を空けるみたいな、そういう音を聴いてます。2小節目までまたいで、またいで、飛ばして、みたいな。まぁ、それをKOHHくんは見事にやってるんですけど(笑)。

S-WORD:でもそういうのは日本語に合ってるし、自然と耳に入って来るもんね。

SALU:パンチラインしか無いんですよね。

S-WORD:そうそう、4小節に一言で良いんだよ。代わりにその一言がぐっと入ってくる。SALUのそういうスタイルが完成したらすごく面白いと思うよ。

DJ SOULJAH:俺はラッパーじゃないですけど、あの間を空けるフロウってすごく難しそうですよね。テンション的に。

S-WORD:そこもさ、やっぱり世代なんだよね。オンビートしないっていう遺伝子がある訳よ。

DJ SOULJAH:僕らは思わず「ガッ!」っていきたくなりますもんね、ライブでも、歌う時でも。そこをフワッと待つというか。

SALU:我慢ですね。

S-WORD:我慢だよ、我慢。この取材でもさ、俺、最初からすげぇ喋ってるじゃん(笑)。でもSALUは喋らずにずっと待ってたからね。このタイミングなんだよ。キャメルのくだりとかには入って来ない、このタイミング(笑)。畳みかけて、お姉さんいじってさ、そこじゃないんだよ!

一同笑

AKLOのアルバム『THE PACKAGE』

AKLOのアルバム『THE PACKAGE』

DJ SOULJAH:でも俺もラッパーだったら、絶対に怖がって間を埋めるタイプだと思います。

S-WORD:バンバン埋ちゃうね。ファストラップの格好良さみたいなのも知っちゃってる世代だから、それを壊してまで我慢が出来ないんだよ。俺らはグルーブだったり、ヘッドバンギングに近い縦ノリを重視してたけど、今の子たちには情緒がある。SALUもKOHHも。もう、言うならば吟遊詩人の域に到達しちゃってるんだよね。

DJ SOULJAH:しかもSALUはファストラップも出来るしね。早いんだけど緩急があってさ、あれを実際生で見た時は「やっぱりすげーな」って思ったよ。メロウがあってグルーヴもあるから、聴いてて飽きないもん。

S-WORD:俺らの世代は160キロの豪速球で完投しようとしてた。でも、今の子たちは140キロとチェンジアップがあれば良い。そうすると俺らの160キロいらなくない? みたいな話にもなるんだけどね(笑)。だって、アメリカ人は平気で170キロぐらい出してくる訳じゃん。日本人ならチェンジアップが強みでしょ、みたいな。1stアルバム出したのって何歳の時?

SALU:23歳ですね。

SALUのアルバム『IN MY SHOES』

SALUのアルバム『IN MY SHOES』

S-WORD:俺、1stアルバムってモノが大好きでさ、それまでの人生の全てを詰め込むのが1stアルバムな訳じゃん。でも、23歳にしては脳内すごい事になってたよね(笑)? まだ全部言いきれてないでしょ? まぁ、主張を無理やり詰め込むよりは、一歩引いた視点で言った方が聞いてくれたりもするし、伝え方は難しいと思うけど。

SALU:そうなんですよね、間接的な言い方じゃないと人は中々聞いてくれないんだなと思って。

S-WORD:でも、1stアルバムはそれで良いんだよ。

— アルバムの制作中にこういう話をすることはありましたか?

DJ SOULJAH:いや、あくまでも曲単位でしか話せていないので、こうして色々と振り返ってみて、それこそ今、答え合わせをしているような感覚ですね。こういうインタビューを通して、自分の頭の中にあることを文章化してもらって、初めて分かることも多いというか。だから、こういうのはすごく良い時間です。

S-WORD:俺もやっとさっきのキャメルを消化出来たとこ。意外と美味しいかも。

一同笑

— 2月15日、VISIONで『Be My Guest』のリリースパーティが行われますが、まだライブで収録曲を披露したことは無い?

DJ SOULJAH:個々では現場でやったこともあるんですが、初めてやる曲も多いですね。自分自身かなり楽しみにしています。

— 字面だけ見ても、結構錚々たるライブですもんね。

S-WORD:絶対カオスだよ(笑)。

DJ SOULJAH:俺はそれを引き目で見てるのが楽しいんですよね。

— たしかに。人と人とを繋げる場としてはこれ以上ない空間ですね。

S-WORD:それがクラブだからね。

DJ SOULJAH:かなり良い感じになると思うので、皆さんお楽しみに!

— それでは最後に皆さん2015年の抱負を伺えますか。

DJ SOULJAH:自分は制作と現場のバランスを上手く取ることですかね。今頼まれている仕事も含めて、自分の作品を1つでも多く世に出せたら良いなと。

S-WORD:野心あるねー! 良いと思う!!

SALU:僕は最近EPを作っていて、最近出来たんですけど、とりあえず2月にそれが出ます。その後に3枚目のアルバムを出す予定なので、3枚目でどれだけ自分の殻を破れるかって感じですかね。あとは今年はより多くの人と社交的に接したいなと思っています(笑)。

S-WORD:あー、社交的って言うのは結構壁だよね。すげー分かる(笑)。俺はさっき話したみたいに、2015年以降はまた日本語ラップが来そうな感じっていうのをすごく感じていて、そうなった時に自分の年相応の役割を全うしたいなと。簡単に言えば、掲げる目標は規制緩和ですよ。この10年、うるさい先輩たちがいて出来なかったこと、その辺をどんどんぶち壊して、もう早く引退したい(笑)。だからまぁ、俺の屍を越えて行けって感じですかね。

WEB_TOP

【DJ SOULJAH 『BE MY GUEST』 Release Party】
開催日時:2015年2月15日(日) OPEN/START:17:00 CLOSE:21:00 ※未成年入場可能
開催場所:SOUND MUSEUM VISION
料金:3,000円(前売り)、4,500円(当日)

■出演
DJ SOULJAH (SPECIAL LIVE SET)

Def Tech
KOHH
MARIA (SIMI LAB)
AKLO
SWAY (DOBERMAN INFINITY)
SAMI-T from MIGHTY CROWN
2WIN (T-PABLOW & YZERR)
S-WORD (NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)
SIMON
SALU
JINMENUSAGI
環ROY
鎮座DOPENESS
T.O.P.(THUGMINATI)
ERA
J-REXXX
YOSHIRO (underslow jams)
TARANTULA (SPONTANIA)
WISE (TERIYAKI BOYZ)
遊戯 (韻踏合組合)
JAGGLA (TORNADO)
Cz Tiger (TORNADO)
リトルトーキョー
YUI MUGINO
BULL
CHILL CAT
ROCKSTAR
GLORIA
横山緑

+ SPECIAL GUEST

DJs

SONPUB
Habanero Posse
Kenshu
Namelss a.k.a NL
Joe Iron
GEORGE (New Kid’n Play)
YGSP & ALAMAKI
YANATAKE

1月に突然発表され販売された早割第1弾先行チケットを既にSOLD OUT!
お得な前売りチケットが、各種プレイガイドにて発売中。

e-plus  
http://eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002147563P0030001

I Flyer
http://iflyer.tv/ja/article/2015/02/06/souljah-002/

DJ SOULJAH – Be MY Guest (Itunes)
https://itunes.apple.com/jp/album/be-my-guest/id939999230