宮藤:流石。そうですよね、そうなんですよ。
―正に『中学生円山』のテーマですよね。
宮藤:そうですね。「信じれば“届く”よ!」っていうことですから。全編通してそれしか言ってないですからね。
客席:(笑)
宮藤:(会場を見て)えーと、今日は…男性はあんまりいないですね。“届いたことある”人、今日います?「“届いた”よ!」って人はウインクして頂けますと…。
客席:(笑)
宮藤:ああ、そうですか。やっぱいないですね。でもチラシにもコメントを書いてもらいましたけど、峯田くんは“届いた”側の一人ですね。(※峯田和伸氏 / 銀杏BOYZ)
奈良:ああ、あれ「うそだー!」って思いながら…多分あれね、背骨折ってると思うよ。
―そこまで向かわせるものっていうのは何なんですかね…?
宮藤:僕の友達からは「そんな頑張んなくてもあばら2本折れば“届く”のに!」っていうメールがきましたよ。
―(主人公の)克也はあばらを2本折れば容易に届いたということなんですね。
宮藤:そうですね。
奈良:中学・高校のとき学校休むやつっていうのは大抵そういうことしてるよね。
宮藤:(客席を見て)すごく小さい子がいますが大丈夫ですか、この話題。何年生ですか?
客席:(笑)
宮藤:それでは続いての質問を…「中学時代、ノートにはどんな落書きをしていましたか」?
奈良:俺マンガみたいな落書きをめちゃくちゃするタイプで、教科書で練習してノートに清書、みたいな。あとノートの裏側からマンガみたいなのを書いていったり。
宮藤:ああ、じゃあ割と本格的な感じで。
奈良:でもマンガはそんなに得意じゃなかったから、最終的にイラストを。人の顔をリアルにとか、水着の女の子とか、バイクとかを描いてた。そうやってデッサンを勉強しましたね。
宮藤:そうなんですね。じゃあもうマンガは“何か違うな”って思ったんですかね。
奈良:マンガはね、一回だけ『マジンガーZ』を一話まるごと模写したことがあって。そのときにうん、“何か違うな”って。ストーリーを考えて続けていくっていうのが自分にはできないなって思って。「一枚で描く方がいいやー」って、中1か中2じゃないかな。
宮藤:僕は実家が文房具屋で、大概のものがすぐ手に入って。だから最初からケント紙に描いたんですけど。
奈良:お、ケント紙!本格的な響き!
宮藤:そうなんですよ、でもあまりにも下手で。大抵、これから始めるマンガの表紙まではけっこう面白そうなのを描くんですけど、それで飽きるんですよね。で今度はプロレス漫画の表紙とか描いて、また飽きて。結局絵を描くとか漫画家とかは向いてないんだなと思ってやめちゃったんですけどね。奈良さんの描くあの女のコ、いるじゃないですか。おでこの広い。あれはいくつのときに発明したんですか?
奈良:あれはねえ…大学4年生のときに美術の先生として教育実習をやったんだけど。なぜか岐阜県の方の、なぜか女子校だったんだけど。
宮藤:へえ~よかったですね!
奈良:うん、よかったんよー。
客席:(笑)
奈良:でそのときに、生徒が色紙持ってきて「先生何か描いて!」って言うのね。そのときに俺が描いた絵を、大分経ってからコピーして送ってきてくれて、そしたら既に同じ絵を描いてて。だから24歳の頃から、実際の作品はまだ違ったんだけど、パパっと描いたのはもうああいう感じになってたんだな。
宮藤:へえ~。じゃあ自然発生的な?
奈良:うん自然発生的な。よく考えたら小学校のときからもうああいうの描いてたかも。
宮藤:じゃあ結局ずっと同じものを描いていたという。
奈良:そうだね、結局何も進歩してなかったという。
宮藤:いやいやいや。あのコ、可愛いですよね…あの髪型すごい可愛いなって……。まあ大体、初対面だとこんな感じで(笑)。
客席:(笑)