機能性と造形美から生まれるインスピレーションの溜まり場
『Losango』
充実のランチをすませると、東京から来た二人を連れてランチへ。食事中に出たアイデアを膨らませながら海岸線を歩く。初冬の海岸も歩いていると寒さもあまり気にならない。むしろ体が温まり、吹く風もやさしく心地好い。
三人である程度アイディアを出し合った後は、いつも新しいインスピレーションを与えてくれるインテリアショップの『ロザンゴ』へ。由比ヶ浜から一歩入ったところに位置し、『サイラム』から車で5分とかからない。洗練された品々が並ぶ話題のお店だ。
「一人なので自由にやらせてもらっているんです」
そう話すのは『ロザンゴ』のオーナー坪井盛朗氏。朝、波をチェックしていいのが来ていると海へとサーフィンに出る。その後、朝食をとって店へ向かい、夕方まで働いたら家族で食卓を囲み夜は柔術の教室へと出かける(坪井氏は柔術の先生でもある)。振れないスタイルを持っているうえに、ゆとりもちゃんとつくっている人が多い鎌倉エリアで坪井氏の生き方は、それを地で行っている。
16年もの間、東京のインテリアショップのバイヤーとして経験を積んだ。日本だけでなく世界中あちこちへ飛びさまざまな物と人に出会ってきた。忙しい生活のなかで磨かれてきた感性を鎌倉に移住して発露したのが、ここ『ロザンゴ』。「思いもつかなかったけど、あったら使いたくなる道具」が見事にセレクトされ、どれも造形美が担保されているためついそそられる。
そんな坪井氏のところには近所の人はもちろん、プロフェッショナルも多く訪れる。
神奈川発のローカルクラフトビール会社のブランディング、横浜に拠点を置くプロスポーツチーム、編集プロダクションのオフィス内装など、インテリアという枠組みを超えてサポートし、そこに関与する人々が気持ちよく憧れる世界観をつくってしまう。坪井氏がかかわった風景は、海外映画で見るカッコいい世界に近づくのだ。
「お店に来て眺めているだけでもすごくインスピレーションを受けるからいろんなアイデアが出るよね」
「全然違う仕事のことを考えていても、新しい視点をくれるから、ものごとの見方を変えられる」
休日にリラックスしながら家に欲しい物を探しつつ、脳内には刺激をもらう。そんな一石二鳥のお店でさらに坪井氏と話をすれば、アイデアに新しい芽を息吹かせることもできるかもしれない。