Champion C ロゴの似合う店 – No.2 TOLLYWOOD –

by Mastered編集部

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新海誠がキャリアを積んだ「聖地」

客層も時代とともに変化しているという。

「上映する作品にもよりますけど、昔のほうがマニアックなお客さんが多かったですね。最近は下北っぽいと言いますか(笑)、オシャレな若いお客さんが増えています。去年、ラーメンズの小林賢太郎さんが手がけた『カラフル忍者いろまき』というアニメーション作品を上映したときは親子連れのお客さんも多数いました。トリウッドで上映する作品の基準ですか? 実写だけでなくアニメーション作品が多いのも特徴だと思います。あとは一貫しているのは僕らが面白いと思った作品ということだけかな(笑)。強いて言えば、自分の足で立つ力を持っている監督をトリウッドは応援していると思うんです。たとえば新海監督も最初はほぼ全部一人で作った作品をトリウッドで上映して、少しずつ進んでいった結果、あそこまで大成功されたので」

「新海監督」とは、昨年社会現象を巻き起こした『君の名は。』の監督、新海誠のことである。トリウッドは彼の商業デビュー作『ほしのこえ』を初上映した劇場なのだ。新海の才能をいち早く見いだしたトリウッドはファンの間で「聖地」とさえ呼ばれている。

「『ほしのこえ』を初上映したときに来てくれたお客さんが、『君の名は。』を上映したときもいらしていて、感慨深いものがありましたね」


「ミニシアターだからこそ生まれるお客さんとの一体感がある」と山本氏は言う。

「山本寛監督というアニメーション監督の作品の応援上映をやったときに映写室から客席を覗いたら、お客さんがみんなサイリウムを光らせていまして(笑)。その光景はおもしろかった。このサイズの劇場だからこその自由度があるし、舞台挨拶やイベントがあるときはコミュニケーションの密度がグッと濃くなる。今年のゴールデンウィークには京都の劇団、ヨーロッパ企画とコラボレーションした上映があったのですが、最終日にメンバーから突然『舞台で寸劇をやりたい』という要望があって、実際にやってもらったんです(笑)。そういうハプニングが生まれるのも楽しいですね」

最近は下北沢にある映画館ということをより強く意識するようになった。

「シンプルに大槻をはじめ自分たちがおもしろいと思った作品を上映するのが一番ではあるんですけど、下北沢という街に愛着のある人たちがどういう映画をおもしろがるのかを意識していきたいですね。下北沢は演劇や音楽の街でもありますし、そのあたりも考慮しつつトリウッドらしい企画も実施していきたいですね」

これからも、トリウッドは下北沢の映画文化を支え続ける。黄色く輝く47席が、あなたを待っている。