かつては紳士の小物然として古色蒼然な存在だったハットというアイテムは、いまや東京のストリートに欠かせないアイテムのひとつとして定着している。1990年代に誕生した帽子ブランド、CA4LAはそんなハットのカジュアル化の一翼を担ってきた。

そのCA4LAがこの2019年秋冬シーズンにメンズに向けた新コレクションをスタート。この新コレクションを手掛けるのは、CA4LAのクリエイティブディレクターである秋元信宏。これまで全ショップのディレクション、アパレルブランドやアーティストとのコラボレーション、そしてブランド全体の舵取りに従事してきたディレクター自らすべてをデザインしたのは、初めての試み。それだけでも力を入れたコレクションだということが察せられる。

数年前からあたためてきたという、その1stコレクションはいずれもオーセンティックなアイテムばかり。自身が被りたいモノだけを作ったそうで、ディテールにこだわり抜き、細かい部分を調整するため何度もサンプルを作り直したという。国内のファクトリーで作られた高品質な仕上がりで、CA4LAの一般的なアイテムと比べるとやや高額だが、手に取ってそのクオリティを見てみればむしろ安く感じるほどだ。

アイコンになっているのは、各アイテムに複数配されているタグ。このタグは手留めで付けられており縫い付けられてはいない。これはブランドアイコンとしてこのまま使用するのはもちろん、ユーザーが好みで外したりできる配慮。いずれのアイテムもオーセンティックなデザインだが、実はブリムの長さやクラウンの高さが絶妙で、ありそうでないオリジナリティ溢れるモノばかり。

とはいえ、奇をてらってはいないので長く愛用できるに違いない。”果てしなく続く人生という旅”のパートナーとしても相応しいだろう。