[BROOKS]の軌跡
100年ブランドの始まり
1914年、Jhon Brooks Goldenbergが、プールや海水浴用の革製バスシューズとバレエシューズのメーカーQuaker Shoe Companyを買い取る。これが後に100年以上続くBrooks Shoe Companyの歴史のスタートであった。
しかし、同社はすぐにランニングブランドとなったわけではなく、1921年よりベースボールシューズの製造を開始する。1930年には、フットボール用のスパイクシューズも開発。プロ選手の間で人気を博した[BROOKS]のシューズは、当時からアメリカの国民的スポーツのプレイヤーたちの足元を支えていた。
名作シューズの誕生
70年代に入り、ジョギングブームが訪れると名作を次々と発表し、頭角を表し始める。
1974年、ヴィラノヴァ大卒のトップランナーMarty Liquoriをテクニカルアドバイザーに迎え、世界で初めてEVA(エチレン酢酸ビニル)ソールを使用した軽量で柔らかいランニングシューズ『VILLANOVA』(現『VANGUARD』)を発売。EVAは、現在も依然として工業基準となっているミッドソールクッションの構成材であり、『VANGUARD』の誕生によって[BROOKS]は、EVAソール使用の先駆者となった。
また、1977年には、かかとの内側に厚みをもたせることで、着地時の足への負担を軽減させる業界初の画期的なサポートシステム、ヴェアラス・ウエッジを搭載した『VANTAGE』を発表。その後ランニング専門誌ランナーズワールドが「No.1ランニングシューズ」として『VANTAGE』を絶賛し、2年連続で五つ星を獲得。現在でもレトロランニングシューズの名作として語り継がれている。
さらに、1984年には、『CHARIOT』も“ランナーズワールド”にてBest New Modelに選出される。同誌の評価は、ランナーへの影響カが大きく、これにより[BROOKS]は、市場で確固たる地位を確立した。
真のランニングブランドとして躍進
2001年、 高品質なランニングシューズ、アパレル、ギアに専念するために、ランニング以外の商品の製造を全て中止するという戦略的な決定が下された。そして徹底的にランニングに特化するというこの決定が功を奏し、さらなる飛躍を遂げることとなる。
専門化することで、開発能力は格段に加速。環境に配慮した生分解性ミッドソールを搭載した『BioMoGo』や、与えられる衝撃の大きさによって、最適な形に変化するクッション材、“Brooks DNA”など、世界初のテクノロジーを次々と発表する。まぎれもなく真のランニングカンパニーへと生まれ変わったのだ。
実は、このランニングに特化するという判断を下したのは投資王Warren Buffetが所有し経営する業界大手の投資持株会社Berkshire Hathaway Inc.。そして2006年より[BROOKS]は同社の子会社となる。
強力な地盤を得た[BROOKS]の快進撃は、いよいよ止まらない。順調に売上を伸ばしていき、2011年より米国のランニング専門店マーケットにてトップを走り続け、創業100周年を迎えた2014年には、ついに歴代最高となるシェア30%越えを実現した。
現在では世界40カ国で販売されており、販路を広げ続けている。常に進化を続け、101年目を迎えたリーディングカンパニーの勢いはまだまだ止まりそうにない。