— でも、ACOっていうと、一般的にはR&Bだったり、メランコリックなUKソウルに影響を受けたアーティストという印象があると思うんですけど、今回のライヴ盤『LIVE LUCK』もスタジオ盤『TRAD』もどちらかといえば、グランジ、オルタナティヴ寄りの作品ですよね。
ACO:でも、そういうグランジ、オルタナティヴものも好きなんだよ。ここ最近は気心の知れたメンバーがロック寄りの人たちだっただけで、自分のなかでジャンルはどうでもいいというか。だって、音楽人生は長いから、色んな音楽を聴きたいと思うし、やりたいなって思うから。
— 逆に山㟢さんはtoeのリミックスをSICK TEAMに頼んだり、ここ何年もヒップホップを好んで聴いていたりしますよね。
山㟢:詳しくはないけど、まぁ、今となっては色々聴いてるかな。ただ、20代前半頃はいわゆるハードコア・パンクといわれるものばかり聴いていたので、90年中盤の日本の音楽はばっさり抜け落ちてて、あとから(クラムボン)MITOくんにフィッシュマンズとかリトル・クリーチャーズを教えてもらって、「えー、当時、こんな格好いいことやってたんだ!」って。
— でも、ACOがその時期にデビューしたことを考えると、山㟢さんはいつどういうきっかけでACOの作品を聴くようになったんですか?
山㟢:砂原(良徳)さんとやった“悦びに咲く花”が入ってる『absolute ego』(99年作)は当時からすごい聴いてたよ。ACOちゃんはね、声が不思議な感じというか、一人で歌ってても、いっぱいいるような、そういう周波数の声というか。
ACO:曲も作れば、歌詞も書くから、自分のなかではヴォーカリストというイメージはないんだけどね。ただ、早く曲を書いてくださいって常に急かされていたメジャー時代に対して、今は作品制作に余裕があるから、歌のアプローチについても考える時間が出来て、それがここ最近の作品には出てる気がする。振り返ると、メジャー時代は「あれしなさい、これしなさい」って言われながら、相当に戦ったよ。まぁ、最後はこてんぱんにやられたけどね(笑)。
— まぁ、でも、今はやりたいことがやれている理想的な状況があると。山㟢さんから見て、今のACOの音楽はいかがですか?
山㟢:今回の『TRAD』はその前の『LUCK』から継承しているものはあるでしょ? さらに今回はヴォーカルの生感がぐいっとある感じ。歌も演奏も加工されていないし、今はそういうモードなんだなって。
ACO:そうそう。今はライヴの時に「作品そのまんまだね」って言われる方がいいなって思うし、複雑な作品制作は過去にやり尽くしたから(笑)、今は「どっちかはっきりしないな」っていう、どっちつかずな曲ではなく、極力シンプルな曲をずばっとやりたいね。
山㟢:でも、分かんないよ。次はヴォコーダーを使ったり、加工しまくりのアルバムになるかもしれないじゃん(笑)。
ACO:そうだね。人って気が変わるしね。
— いまライヴの話が出ましたけど、来年1月には東京と京都でACOとtoeの対バン・ライヴが予定されていますよね。
ACO:そうそう。そちらもよろしくお願いいします。
山㟢:こちらこそ!
ACO:でも、そうなると、柏倉くんが2バンドかけもちでライヴをやることになるから、大丈夫かなって思いつつ。「やれるうちにやっときます」っていうことだったから、まぁ、ダイエットにはいいんじゃない?(笑)
山㟢:あと、うちのバンドが好きで、ACOちゃんも好きって人は結構多いから、楽しい感じになるんじゃないかな。それから今回、ACOちゃんと一緒にやるということは、まだ一回しかやったことがない“月、欠け”もやることになるのかな……。全く曲を覚えてないので練習しときます(笑)。
【TRAD live 2014】
開催日時:2014年1月31日(金) 渋谷・O-EAST Open 18:30 / Start 19:30
料金:3,000円(前売り・ドリンク代別)、3,500円(当日・ドリンク代別)
出演:ACO
Special Guest:toe
O-EAST店頭販売 http://shibuya-o.com/category/east
プレイガイド
■e+ http://eplus.jp
■ローソンチケット [Lコード:72932]
■チケットぴあ [Pコード:210-299]
Info:渋谷 O-EAST 03-5458-4681
開催日時:2014年2月2日(日) 京都・磔磔 Open 17:00 / Start 18:00
料金:3,000円(前売り・ドリンク代別)、3,500円(当日・ドリンク代別)
出演:ACO
Special Guest:toe
磔磔店頭販売 http://www.geisya.or.jp/~takutaku/
Info:京都 磔磔 075-351-1321