対談:ACO × 山㟢廣和(toe)

by Mastered編集部

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ACOのニューアルバム『LIVE LUCK』

ACO
『LIVE LUCK』
2012年4月21日に渋谷WWWで行われた前作アルバム『LUCK』リリース・ライヴを収録した1枚。緊密な関係にある今のバンド・メンバーと作り上げた濃密な音楽空間を堪能することが出来る。

— でも、ACOっていうと、一般的にはR&Bだったり、メランコリックなUKソウルに影響を受けたアーティストという印象があると思うんですけど、今回のライヴ盤『LIVE LUCK』もスタジオ盤『TRAD』もどちらかといえば、グランジ、オルタナティヴ寄りの作品ですよね。

ACO:でも、そういうグランジ、オルタナティヴものも好きなんだよ。ここ最近は気心の知れたメンバーがロック寄りの人たちだっただけで、自分のなかでジャンルはどうでもいいというか。だって、音楽人生は長いから、色んな音楽を聴きたいと思うし、やりたいなって思うから。

— 逆に山㟢さんはtoeのリミックスをSICK TEAMに頼んだり、ここ何年もヒップホップを好んで聴いていたりしますよね。

山㟢:詳しくはないけど、まぁ、今となっては色々聴いてるかな。ただ、20代前半頃はいわゆるハードコア・パンクといわれるものばかり聴いていたので、90年中盤の日本の音楽はばっさり抜け落ちてて、あとから(クラムボン)MITOくんにフィッシュマンズとかリトル・クリーチャーズを教えてもらって、「えー、当時、こんな格好いいことやってたんだ!」って。

ACOのアルバム『absolute ego』

ACO
『absolute ego』
砂原良徳をプロデューサーに迎えた代表曲「悦びに咲く花」を収録した99年のアルバム。SADEのスチュアート・マシューマンやDragon AshのKj、富家哲らが参加。強さと優しさがダークかつメランコリックな空間に揺らめくタイムレスなクラシックだ。

— でも、ACOがその時期にデビューしたことを考えると、山㟢さんはいつどういうきっかけでACOの作品を聴くようになったんですか?

山㟢:砂原(良徳)さんとやった“悦びに咲く花”が入ってる『absolute ego』(99年作)は当時からすごい聴いてたよ。ACOちゃんはね、声が不思議な感じというか、一人で歌ってても、いっぱいいるような、そういう周波数の声というか。

ACO:曲も作れば、歌詞も書くから、自分のなかではヴォーカリストというイメージはないんだけどね。ただ、早く曲を書いてくださいって常に急かされていたメジャー時代に対して、今は作品制作に余裕があるから、歌のアプローチについても考える時間が出来て、それがここ最近の作品には出てる気がする。振り返ると、メジャー時代は「あれしなさい、これしなさい」って言われながら、相当に戦ったよ。まぁ、最後はこてんぱんにやられたけどね(笑)。

— まぁ、でも、今はやりたいことがやれている理想的な状況があると。山㟢さんから見て、今のACOの音楽はいかがですか?

山㟢:今回の『TRAD』はその前の『LUCK』から継承しているものはあるでしょ? さらに今回はヴォーカルの生感がぐいっとある感じ。歌も演奏も加工されていないし、今はそういうモードなんだなって。

ACO:そうそう。今はライヴの時に「作品そのまんまだね」って言われる方がいいなって思うし、複雑な作品制作は過去にやり尽くしたから(笑)、今は「どっちかはっきりしないな」っていう、どっちつかずな曲ではなく、極力シンプルな曲をずばっとやりたいね。

山㟢:でも、分かんないよ。次はヴォコーダーを使ったり、加工しまくりのアルバムになるかもしれないじゃん(笑)。

ACO:そうだね。人って気が変わるしね。

— いまライヴの話が出ましたけど、来年1月には東京と京都でACOとtoeの対バン・ライヴが予定されていますよね。

ACO:そうそう。そちらもよろしくお願いいします。

山㟢:こちらこそ!

ACO:でも、そうなると、柏倉くんが2バンドかけもちでライヴをやることになるから、大丈夫かなって思いつつ。「やれるうちにやっときます」っていうことだったから、まぁ、ダイエットにはいいんじゃない?(笑)

山㟢:あと、うちのバンドが好きで、ACOちゃんも好きって人は結構多いから、楽しい感じになるんじゃないかな。それから今回、ACOちゃんと一緒にやるということは、まだ一回しかやったことがない“月、欠け”もやることになるのかな……。全く曲を覚えてないので練習しときます(笑)。

【TRAD live 2014】
開催日時:2014年1月31日(金) 渋谷・O-EAST Open 18:30 / Start 19:30
料金:3,000円(前売り・ドリンク代別)、3,500円(当日・ドリンク代別)
出演:ACO
Special Guest:toe

O-EAST店頭販売 http://shibuya-o.com/category/east

プレイガイド
■e+ http://eplus.jp
■ローソンチケット [Lコード:72932]
■チケットぴあ [Pコード:210-299]

Info:渋谷 O-EAST 03-5458-4681

開催日時:2014年2月2日(日) 京都・磔磔 Open 17:00 / Start 18:00
料金:3,000円(前売り・ドリンク代別)、3,500円(当日・ドリンク代別)
出演:ACO
Special Guest:toe

磔磔店頭販売 http://www.geisya.or.jp/~takutaku/

Info:京都 磔磔 075-351-1321