ストリートは自由な空間なんだ。着る人の個性が溢れ出るというところが、ストリートファッションの面白さだと思う。
NYを拠点に活動する韓国出身のフォトグラファーScott Jungは、長年ファッション・フォトグラファーとして培った経験もあり、ドラマチックな作風のストリート・フォトが特徴。自身のサイト「SOULGRAPHER」ではストリート・フォトのみならず、ポートレートからドキュメンタリー・フォトまで幅広く作品を公開している。アナ・ウィンター、カニエ・ウェスト、リック・オウェンスなどビッグネームも登場。
— どういった経緯で自身のウェブサイトを立ち上げたのですか?
Scott Jung(以下、Scott):フォトグラファーとして10年間、シドニーやメルボルン、韓国、サンフランシスコ、ニューヨークといった街を拠点に活動してきたんだ。それまではファッション誌のエディトリアルページの撮影での経験は十分にあったけど、次第にウィリアム・クラインの作品のようなドキュメンタリー性の強いものに興味を持つようになって、それでブログを始めたんだ。それで今はストリートファッションに限らず、ファッションドキュメンタリーをブログで書いているよ。
— 自身のウェブサイトを通して何を表現したいことは何ですか?
Scott:僕らみたいなストリートフォトグラファーって、モデルやエディター、ブロガーといったファッションに携わる人の、その人の個性がにじみ出るスタイルを切り取ろうとしているんだ。だから僕も被写体のその人のアイデンティティとスタイルを通してファッションとは何なのかと言うことを考えていきたいと思っている。
— 写真を撮ろう!と思わず手が動いてしまうような被写体ってどんな人ですか?
Scott:もちろんスタイリッシュな人だね。「スタイリッシュ」って言葉で説明するのは難しいんだけど、ただ着飾っているだけじゃなくて、その人自体が持っている空気感が、ファッションと全体の雰囲気とマッチしている人を見ると撮りたくなるな。
— フォトグラファーから見て、どんなファッションが面白いと思いますか?
Scott:個人的には、大体いつも上下ブラックを着ることが多いけど、フォトグラファーの目線から言うと、もっとユニークな形やパターン、色使いのものが面白いよね。Maison Martin MargielaにRick Owens、Celine、Saint Laurent、Ann Demeulemeesterは見ていて面白いよ。
— 「ストリート」という言葉の定義は人それぞれだと思うのですが、あなたにとって「ストリート」とはどんなものですか?
Scott:ストリートは自由な空間なんだ。ランウェイで見たデザイナーズブランドの洋服が、実際に人に着られることによって着る人独自の個性と重なって全く違った様々な表情を魅せる。着る人の個性が溢れ出るというのが、ストリートファッションの面白さだと思う。
All photos on this page credit to “SOULGRAPHER”.