2013年秋のブランド大特集 VOL.02:[MARK McNAIRY for Heather Grey Wall]

by Mastered編集部

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「マックネイリーさんのコレクションは僕が作らないだろうものばかりなんですけど、欲しいなあと思うんです。」(倉石一樹)

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—ひとつのアイディアからスタートして、アイテムを作り始めて、コレクションに関してお互いが「ここがゴール」だと思う場所はどうやって決まるものなのでしょうか。

倉石:お互いが最初から見えている最終形が近いので、作っていてここがゴールだねっていうよりは、初めに見えているものを目指していくっていうイメージですね。

マックネイリー:そうだね。最初にキャッチボールをしたところでゴールは見えているからね。まとめの部分は一樹がやってくれるし。

—凄くナチュラルというか、自然な流れに任せて作られていく感じなんですね。それではそんな風にしてできた今回の秋冬コレクションのラインナップの中で、それぞれが気に入っているアイテムを教えて下さい。

倉石:僕はC.P.O. JACKETが気に入ってます。最初はありものをカスタムして何かつくりませんか?っていう話から始まって、マックネイリーさんがぶった切りでやろうというアイディアを出してくれたんですけど、結局思っていた素材がありもので見つからなかったんで一から作りました。

マックネイリー:C.P.O. JACKETはシンプルだけどとてもいいものだと思うよ。あとはサスペンダー付きのパンツだね。私はこれが凄く作りたかったんだ。ピート・タウンゼントのイメージだね。

—お話を聞いてたらC.P.O. JACKETが欲しくなってきました(笑)魅力的なアイテムを生み出すお二人のインスピレーションの源を教えて下さい。インスピレーションを得る為に何か特別なことをしたり、どこかへ出かけたりすることはありますか?

マックネイリー:ほかのデザイナーだと、例えば美術館だったり、アートだったりからインスピレーションを得ることが多い気がするし、もちろん私も影響は受けていると思うけど、生活している中で目に入るものすべてがインスピレーションの源だと言えるんだ。Kマートからもインスピレーションを得るし、ファミリーマートだってそうだし、ドン・キホーテもそう。さっきも Heather Grey Wallのオフィスにあったラジコンからインスピレーションを得たばかりだよ。私にとっては出会うものすべてが大事なんだ。

倉石:僕も結構マックネイリーさんと同じですね。言い古された感じでちょっと嫌なんですけど、趣味と仕事って境目がないから。普段の生活、遊びの中で、洋服に使えそうだなって思うものがあれば、それを使っていくというか。素材に関しては、シーズンが始まる前に工場に行って、色々見てそこから気になるものを持って帰ってくることはしてますけどね。

—最後にお互いが作っているものと、[MARK McNAIRY for Heather Grey Wall]の今後について、それぞれ思っていることを教えて頂いてもいいでしょうか。

マックネイリー:私が作っているものとは全然違うけど、一樹の作るものは好きだよ。[CASH CA(カシュカ)]のコレクションは、毎回絶対に欲しいものがあるんだ。去年リリースしたネイビーのジャケットもマイフェイバリットで、毎日のように着てたよ。雑誌にもお気に入りだって紹介したしね。一樹が考えていることと、僕が考えていることは違うんだけど、そのミクスチャーが凄くいいし、混ざったものをお互いが良いと思えるっていうのは貴重だよね。一樹にはいつも刺激をもらってるよ!だから、一樹が嫌になったり、私のことを首にしない限りは続くんじゃないかな(笑)

倉石:確かに全然違うし、マックネイリーさんのコレクションは僕が作らないだろうものばかりなんですけど、欲しいなあと思うんです。スタイルが違うのに共感できるというか、やっぱり好きなんですよね。一緒にモノを作っていても、マックネイリーさんは、僕が「いいな」と思う生地を凄く面白がってくれるんです。スワッチを見せても喜んでくれるし。こういうのって分からない人には分からないし、伝わらないじゃないですか。生地やデザインの面白さを共有できて、話ができるっていうのを僕は凄く楽しんでいます。

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