爽快!洋画「アクション」大作。
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
2015年はシリーズ物の最高傑作が多い。今作は、評価の高かった前作をも凌ぐ完成度だ。いまだ健在とは言い難いトム・クルーズは相変わらず終始死にかけているが、アクロバットな最新ヒーローアクション巨編としての側面に加え、クリストファー・マッカリー監督らしく、彼の手がけたトムクルーズ主演『アウトロー』のようなクラシカルな手法から漂うハードボイルドな空気感がたまらない。
また、評価したいのは、ハリウッド大作に顔を出すようになってきたサイモン・ペッグだ。彼ほど決め顔が決まらず、どうしてもコミカルになってしまうハリウッド俳優は珍しい。というのはコメディの印象が強すぎるからだろうか。その印象を払拭する勢いでハリウッド映画での活躍を期待したくなる程の魅力的だ。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』
こちらもシリーズ最高傑作との声が多く、30年ぶりの新作に、往年のマッドなファンたちは幾度となく劇場に足を運んだという、そのカルト的な中毒性は健在。
予告を見ていただければ説明は不要だろう。怒濤のテンションの高さで上映2時間をドライブする、ぶっ飛んだカーチェイス。ほとんどずっと車が走りっぱなし。圧巻のアクションシーンは、「映画館で観ないと一生の損」と公開前からの評判通りのクオリティだ。まだ観ていない方は、DVDで。それでも十分お腹いっぱいになるはず。
『キングスマン』
英国はスーツ発祥の地。ゆえに大英帝国の諜報員はきちっとした背広でないといけない。スパイの代名詞たる007だってそうじゃないか。
セクシーなスーツ姿のコリン・ファースはよく見かけるが、コメディ・スパイ映画で見られる機会は今までなかった。しかも、それがなかなか機敏に動き回って、敵をがんがん仕留めていくのだから、楽しくないわけがない。
『シン・シティ 復讐の女神』
前作同様、モノクロ基調+パートカラーのスタイリッシュな画でグラフィック・ノベルを実写に落とし込む、という点では、見応えのある作品に仕上がっている。逆を言えば、視覚表現上、前回から大きな進歩は見られない。
しかし、このままいけば、21世紀における新たな映像形式が生まれるかもしれない。前作をまだ見ていない方は併せてどうぞ。