ヒッピーカルチャーの聖地、オーストラリアはバイロンベイ。ある二人の青年が、くだらない仕事に見切りをつけ、自宅のバックヤードでオリジナルのアートTシャツを作り始めたのは、ちょうど今から10年前のこと。彼らはいま、世界15カ国に広がる人気ブランド［Afends］のファウンダーとして、アート、ミュージック、サーフ、そしてストリートと常に共にある自らのライフスタイルを、ファッションを通じて発信している。
そして今年、サーフシーン、ひいてはアパレルブランドの寵児とも言うべき同ブランドの軌跡を記したコーヒーテーブルブックがリリースされた。創立10周年を迎えた［Afends］が、これまでの旅で見てきたのは、一体どんな景色だったのだろう。今から少し、このコーヒーブックのページを開いてみよう。
Chapter 1：Byron Bay
1970年代のベトナム戦争時、徴兵制度から逃れるため、LOVE & PEACE を愛する世界各地のヒッピーが、未開の地であったバイロンベイに移り住んだ。彼らのヒッピースピリットやセンスは今も受け継がれ、今日のバイロンベイのカルチャーに多大な影響を与えている。その“第２世”として生まれたJono SalfieldとDeclan Wiseは、 “バイロンのクリエイティビティを表現するファッションブランドを創り出したい”という強い情熱から2006年に［Afends］をスタートさせた。
Chapter 2：Street culture
ブランドの基となるのは2006年～2010年のパンク＆ハードコアムーブメント。そして彼らのライフスタイルでありカルチャーエッセンスであるサーフィン・スケート・アートをバイロンで培ってきた独自の感覚でブレンドし、ブランドのアイデンティティは出来上がっている。なんの経験も無い若者であったからこそ、彼らは純粋に自分たちのビジョンを表現し、常にリアルなストリートカルチャーと密接に関わりながらブランドを育てあげてきた。
Chapter 3：HEMP REVOLUTION
20代前半でブランドをスタートし、同世代のマーケットの若者たちと同じプレイイングフィールドに立ち、その共感を得ることでサーフブランドとして異例の躍進を見せた［Afends］。近年の取り組みの中で、彼らが更なる飛躍を遂げるきっかけとなったプロジェクトが『HEMP REVOLUTION』である。最も持続的に服を生産できる植物、ヘンプ素材を用いたコレクションをリリースし、環境意識の高いサーファーたちから大きな支持を集めると同時に、ファッションインダストリーそして消費者へ問題提起することで、ブランドを一つ上のステージへと昇華させた。
Chapter 4：Women’s
また、メンズだけでなくレディースのプロダクトも高い人気を誇るのが［Afends］の特徴。これまで述べた通りの、とびきりクールな彼らのアティチュード、そしてブランドのビジュアルを見れば、その理由は理屈抜きで感じ取れるはずだ。
Next 10 years
そうだ、大事なことを伝え忘れていた。
［Afends］のブランドコンセプトは、“Question Everything”。これは、人生の中で見たものや聞いたものだけを信じるのではなく、全てのことに探究心を持ち、瞑想し、何が正解かを自身で導き出していくという、彼らの生き方のテーマでもある。
“Question Everything”。 彼らが旅したこれまでの10年から、あなたは何を導き出すだろうか。これからの10年では、何を得ることができるだろう。
この本の書き出しにはこう綴られている。“……So this is your journey as much as ours.（これは僕らの旅であると同時に、君たちの旅でもあるんだ。）”