昔は、おしゃれと思われたい、モテたいという自己顕示欲が強かったけれど、年をとるごとにそんな欲求が薄れてきてナチュラルな思考になっていくのは男女ともによくある話。どんな洋服で着飾るかということより、それが自分のスタイルとして成立している方がかっこいい。
「今はファッションよりも家具が好きなんです。生活に馴染んでいるといいますか、ナチュラルな思考になってきているんですかね。それに完全に影響されている訳ではないんですが、この自分のムードは服作りにも出ていますね。完成した服をイメージするときに、こんな家具に座ってこういう色のTシャツを着てコーヒーを飲んでいる姿っていいなとか、家具に合う男性像をイメージしながら作っています。あとは、何気なく見たテレビで映った人とか。このサイズ感いいなとかこのシルエットがいいなとか型を作るときに以外と参考になるんですよ。断片的だし無意識に覚えていることなんですが、半年に1回作るっていうときにこういうのがデザインになったりしますね」