モノ・コトが生まれる現場に潜入! 『突撃! 隣のモノづくり』 第1回:FLISTFIA 編

by Mastered編集部

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アメリカ古着、メゾンブランドを通して辿り着いた一つのスタイル

デザイナー・倉本さんのファッション遍歴は中学生のころに遡る。ファッションの入り口は、当時流行っていたというアメリカ古着だった。

「Levi’sが好きで、NikeのAir Maxやスウェットと合わせたりして着るのが中高生時代の定番着でした。ずっとアメリカ古着に傾倒していたんですが、20歳の時に行ったロンドンでメゾンブランドに触れて、服への価値観が大きく変わって……。それまで田舎に住んでいたので、ブランドなんてCHANELとかそういうものしか知らなかったんですが、そういうハイブランドが洋服作っているんだっていうのを初めて知って衝撃を受けましたね。その時期にたまたまBrowns(ロンドンにあるセレクトショップ)に行く機会があって、ここで働いてるスタッフたちの着こなしに感化されて。今ではよく見るようになりましたが、そこで見た古着と現行品をミックスしたスタイルや、ハイブランドとストリートブランドを上手に組み合わせた装いは、あまりにも自由すぎて僕には新鮮だったんです」

その後、倉本さんはその一目惚れしたBrownsに飛び込み、販売スタッフとして働くことになる。Hedi Slimane(エディ・スリマン)がDior Hommeにいた時代だった。ここで見たメゾンの洋服をきっかけに、これまで好きだった古着への興味は薄れていったそうだ。

「どっちかっていうと今僕が作っている服は、この時に見たものから最も影響を受けているかもしれません。カジュアルでもどこかクリーンな印象で品があるっていうことを服作りの着地点にしていることとか。僕がそういう服が好きなんで、自然とそういう服になってしまっているかもしれないですね」