デザイナーズ銭湯、天神湯
そんな道を駅から歩くこと5分、街のゆる〜い雰囲気と相反する、少し仰々しいぐらいに堂々とした建物が現れる。これが芸能人からファッション業界人、スポーツ選手までが足繁く通っているとウワサの天神湯なのだ。
従来の銭湯のレトロなイメージとギャップのある天神湯のコンテンポラリーな佇まいに、Google マップが位置を示しても場所が分からなかったほど。
早速ドアを開けて、なかに入ってみると、銭湯=レトロという概念を覆す、広くて開放的なロビーが広がっている。そして、番台(というかちょっとしたホテルの受付のようだ)の後ろにはゴージャスなバラのオブジェが! そしてその隣には滝が流れている。
そんな豪華絢爛なロビーに驚いたのか、すかさず「バラと滝のディスプレイを何故作ったのですか」と質問をするシンさん。確かに一般的な銭湯ではあまり見ることのない様子に、興味が注がれる。
「2009年にこの天神湯をリニューアルしたとき、本当は券売機が欲しかったんですよね。でもバラのオブジェはどうしても欠かせなくて……。リニューアル前の天神湯には、池があってそこで鯉を飼っていたんですが、今度は滝がいいなってことで作ってしまいました(笑)。そんな感じで予算がなくなってしまったんで、券売機は諦めたんですけどね。」
”バラと滝なら、絶対券売機を1台買った方が安いぞ!”
シンさんに続くように思わず心のなかで、ツッコミをいれてしまったが、他の銭湯とは違うこだわりに人々が共感し、集まってくるのかもしれない。