気になる「お手入れ」を徹底調査! ファッションお手入れ調査団:オイルドブーツ編

by Mastered編集部

服飾愛好家達の声に応えるべく、EYESCREAM.JPが独自にお送りする本企画『ファッションお手入れ調査団』。毎回、洗濯やお手入れに困るアイテムを1つずつ取り上げ、そのお手入れ方法を徹底的に調査。「コレだけやっておけば間違いない」という究極の”HOW TO お手入れ”を皆様に伝授していきます。 今日も我々のもとにまたもや『お手入れ』の依頼がやってきました。依頼人は例によって編集部員Sさん。今回はこの、彼の半生が詰まっているかのような、お世辞にもキレイと言えないオイルドブーツをキレイにしていきます。

oteire_160328
服飾愛好家達の声に応えるべく、EYESCREAM.JPが独自にお送りする本企画『ファッションお手入れ調査団』。毎回、洗濯やお手入れに困るアイテムを1つずつ取り上げ、そのお手入れ方法を徹底的に調査。「コレだけやっておけば間違いない」という究極の”HOW TO お手入れ”を皆様に伝授していきます。

〈過去のお手入れプレイバック〉
気になる「お手入れ」を徹底調査! ファッションお手入れ調査団:GORE-TEX®編
気になる「お手入れ」を徹底調査! ファッションお手入れ調査団:ウール小物編

今日も我々のもとにまたもや『お手入れ』の依頼がやってきました。依頼人は例によって編集部員Sさん。今回はこの、彼の半生が詰まっているかのような、お世辞にもキレイと言えないオイルドブーツをキレイにしていきます。

今回も見事なビフォー。ありがとうSさん!。

今回も見事なビフォー。ありがとうSさん!

オイルドブーツとは、ワークブーツなどでよく使われる、艶消し加工がされたレザーを使ったブーツです。独特の鈍い輝きが男らしいんですよね〜。多少の傷がついても磨くと目立たず、雨に強いのも特徴です。そのタフさに甘えてついガシガシ履いてしまいがちですが、汗をかいた後や雨の後の放置プレイは、結構辛いものです(泣)

本当は日頃からケアをするのが一番良いのですが、なかなかそうもいかず。でも嬉しいことに、革製品はそんなズボラな人たちにも優しいんです。ここまで汚れていてもきちんとお手入れすることで、最初のような状態に戻すことができます。今回は、どこまでキレイになるのでしょうか。

第3回 オイルドブーツ編

気になる、つま先部分の白っぽい汚れですが、これ実は革の中の塩分なんです。そう、あの汗は靴下を越え、革の中に染み込み、そして雨などの水分によって最終的にこのように表面に姿を表します。

そしてもう一つ気になるのが乾燥。こちらはもう特有のマットな質感を通り超して、冬場のおかんの手のごとく乾燥しきっています。このまま放置しておくとヒビが入ってしまう可能性もあるので、その前にきちんと保湿したいところ。今回は……ギリギリセーフです。

心得その1.紐を解いて新聞紙を入れるべし。

まずは下準備。わざわざブーツキーパーを買わなくても、新聞紙を丸めて詰めるだけで大丈夫です。これによって、つま先の方のシワが伸び、お手入れがしやすくなります。ちなみに履かずに保管している間もこうして新聞紙を詰めておくことで、型崩れ防止&湿気も吸い取ってくれるのでオススメですヨ。

心得その2.馬毛ブラシで全体のホコリを払い落とすべし。

シューケア用のブラシも沢山の素材がありますが、今回使用するのは馬毛と豚毛の2種類です。そして最初に使うのが馬毛のブラシ。特にブランドは問いませんが、今回はこちらの『Collonilの馬毛ブラシ』を使用します。豚毛に比べて毛先が細く柔らかいのが特徴。これで目に見えないホコリを“払い落とす”作業がファーストステップです。

心得その3.ぞうきんで全体を拭くべし。

今回はかなり汚れているので、ぬるま湯で濡らしたぞうきんで全体を拭いていきます。これだけでだいぶ変わります。

14588979527aqqcmsiOIDa4121458897780

心得その4.ステインリムーバーで汚れを落とすべし。

続いて表面の汚れと、染み込んだ古いクリームやワックスを落とす作業です。古い油分の上にオイルやクリームを乗せていくと革に負担をかけてしまうので、最初に一度リムーバーで落としてあげましょう。オススメは『M.MOWBRAYのステインリムーバー』。

これをクロスに取って全体を擦っていきます。この作業は、後で塗るクリームの浸透性が良くなるという効果もあるので一石二鳥。ホールなどの細かい部分は綿棒に取ってキレイキレイしてください。これでも汚れの落ちが悪ければ、サドルソープで丸洗いする方法もあるので、気になる方は調べてみてネ。

1458907679XpTKJRpaqyAGE_u1458907678

心得その5.ミンクオイルで保湿すべし。

今回の例のように乾燥がひどい場合や、あまりお手入れしないズボラな方にオススメなのがミンクオイル。ブーツオイルに比べて、油分を補給する能力が非常に高いので、これで一気にカサカサ肌からモチモチ肌に♥︎ 『Columbusのミンクオイル』がオススメです。

専用のクロスや、スポンジ、いらなくなったTシャツのハギレにオイルを取って薄く塗り伸ばしてください。ついたくさん塗布しがちですが、余計な油分はカビの元。革がやわらかくなりすぎて劣化を早めることにも繋がるので、塗り過ぎは厳禁!

ミンクオイルを塗ったら一晩置いて、オイルを革に馴染ませるのがベストです。きちんと乾燥されていないうちに履くと、汚れを引き寄せやすくなってしまうだけでなく、ヒビ割れの原因にもなりかねません。このオイルがいい感じのマットな質感を取り戻してくれるので、この状態で気に入ればこれにてお手入れ終了。

心得その6.シュークリームで色を補修すべし。

擦り傷や色落ちが少し気になるようであれば、色を補修していきます。今回使用するのは『M.MOWBRAY シュークリームジャー』。シュークリームの役割はもともと革に栄養を与えることなのですが、色付きのプロダクトは色の補修も一緒にできてしまう優れもの。オイルドブーツには乳化性のクリームが良いでしょう。ちなみに色を選ぶときは1トーン明るめを選ぶと良いですよ。

先ほどと同様、クロスやハギレにシュークリームを取って、薄く伸ばしていきます。この時にペネトレィトブラシを使うと、より細かいところにもクリームが行き届くのですが、やわらかめの歯ブラシでも代用できます。うっかりすると手にクリームが付いてしまうのでご注意。ソールの側面のコバ部分の色落ちや傷が気になる場合は、コバインキを使ってください。

心得その7.豚毛ブラシでクリームをしっかり伸ばすべし。

仕上げには硬くコシのある豚毛ブラシを使って、クリームを全体に伸ばしていきます。今回は『Columbusのジャーマンブラシ』を使用しますが、ブラシはどんなモノでも大丈夫です。ポイントはあまりブラシをかけすぎないこと。調子に乗っていると絶妙なマット加減を通り越してしまうので気をつけてください。

1458909464XpTKJRpaqyAGE_u1458907678

これにて全ての工程が終了です。こちらがステインリムーバー後、ミンクオイル後、シュークリーム後の3段階の様子ですが、いかがでしょうか。ミンクオイルでだいぶ色も質感も良くなっていますが、シュークリームの工程を踏むことで、買ったばかりの頃の印象にぐっと近付きますよね。あとは付属のタッセルキルトも同じ要領でお手入れし、シューレースも新しいものに変えれば完成!

1458914855V72MR5rPLA1ZtpB1458914847

なんということでしょう。まるで別物のように生まれ変わり、ブーツも嬉しそうです。みなさんも是非この機会に、“もう履けないかも…”と下駄箱の奥にしまい込んだオイルドブーツをキレイにしてあげてください!まだまだ全然履けちゃいますよ。では本日はこれにて終了。次回もお楽しみに。