その道のプロが選んだ愛用品を大公開!『俺の商売道具』 第10回 Nulbarich JQ

by Mastered編集部

様々な分野で活躍するプロたちの話を伺いながら、愛用する5つの「商売道具」を紹介してもらう連載企画『俺の商売道具』。 第10回目を迎える今回は、ソウルやファンク、アシッド・ジャズなどブラックミュージックをベースにグルーヴを奏でる、NulbarichのJQさんが登場。本邦初公開となるJQさんの作業部屋にて、愛用の機材や新譜『H.O.T』についてを語ってもらった。

Photo:KOBA、Styling:LAMBDA TAKAHASHI、Text&Edit:Marina Haga

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1.Sequential Circuits(シーケンシャル・サーキット)の『Prophet-5』

ヴィンテージ品のシンセサイザーで、坂本龍一さんなど多くのミュージシャンが使っている定番モデルです。個性的な音なので、聞けばだいたいこれを使ってるんだなって分かります。音楽をゼロから構築していくはじめの段階で、これとドラムを併用して使っています。

2.マイク

右:SENNHEISER(ゼンハイザー)の『E965』
ライブ用のコンデンサーマイクなんですけど、楽器屋でいろいろ試してみて1番自分の声との相性が良かったマイクです。声を発したときに、少しでもイケてる声になって耳に帰ってこないと、自分でも自信持てないので(笑)。それぐらい、僕がライブで出してる声はこのマイクと一緒に発している感覚がありますね。アーティストによっては、歌によってマイクを変える人もいるのですが、僕はすべての歌をこのマイクで収録しています。

真ん中:NEUMANN(ノイマン)の『U87Ai』
どこのスタジオにも置いてあって、いわゆる業界のスタンダードといわれるマイクです。自分が本気で歌を始めようと思ったときに、定番のマイクでカッコよく歌えないと自分が悪いと思えるように、基準としてこれを買いました。歌をはじめてからずっと使ってきたんですけど、最近はコーラスの収録のときに使うことが多いです。

左:(NEUMANN(ノイマン)の『U47』(ヴィンテージマイク)
メインの作品を収録するときはこのマイクを使用します。『U87Ai』より心なしか豊かな音を発してくれるような気がします。まぁ、なかなかいうことを聞いてくれないことも多いんですけれどね(笑)。ちなみに、こちらは『U87Ai』のようなコンデンサーマイクではなく、チューブ式の古典的な真空管構造なので、扱いかたが異なり慣れるのが大変でした。

3.Music Production Center(ミュージック プロダクション センター)の『MPC2500』

曲のラフスケッチは、このサンプラー『MPC2500』と小さいミニ鍵盤を使って、ソファーに座りながらゲーム感覚で行なっています。それがなんとなく形になったら、PCの前に移動して本格的に詰めていく感じで。いろいろな音を取り込みながらそれをビートにしてく直感的な楽器なんで、身構えずリラックスした状態でやったほうがいいものができたりするんですよね。

4.Roland(ローランド)の『CompuRhythm CR-68』

ヴィンテージのリズムマシーンです。テンポとリズムパターンが記憶されていて、自分で打たずにそのリウズパターンを流してそこに『Prophet-5』の音を重ねてメロディーを入れていきます。

5.omuron(オムロン)の『MICRO A-I-R』

喉を痛めたことを機に、これを取り入れるようになりました。タバコを吸う感覚で、特にライブ前はこまめに吸うように意識しています。ほかにも喉のケアはすごく気を使っていて、おばちゃんの知恵的なものですが、家ではちみつ大根を作って食べたりもします。あとは、『MICRO A-I-R』とセットではちみつを持ち歩いて、日頃からプーさんのように摂取していますね(笑)。